5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

AAバトルロワイアル5 -You must survive.-

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 01:32 ID:igC2OJvy
         ,,i,、                                  ,,,,,,iiiiii,
         'llllli,,                               ,,,,,iiiill゙゙~`゚゙゙!li,
  ,,,       ll゙!llllii,,                          _   .゙゚゙!llllli,  lli, ゙
  llllii,、     .ll ゙゙!llllli,,                        ,,,,iiiiil゙゙′    ゙llllli,._,,llli,  .、
  'll!!llli,,     llL,,,,llllllli,,、                ,,,,,,llllllli,"゙!lllll,      ゙!llllll゙゙゙゙!li, .ll,、
  .'ll ゙゙!lllii,、   'll゙゙” .゙゙llllli,,,,、           ,,,,,illlllllllll, .゚゙!l,, .゙llllli,    ., ゙llllli, .” ,llli,
  ll、.,,llllllli,,   ll,、  .ll!゙゙゙″     .,,,,,lliiilllilllll` ゙lllll,,  .゙゙′゙llllli,    'li, ゙llllli, ,,,,ll!!!゙'
  .lllll゙゙゙`゙!!lllii,,,,,.,,l!!l゙゙′     ,,,,,iillllllllll、.゙゙゙!il!l、 .゙llllli,    ゙llllli,   lllli,.,,lll!!!゙゙゙
   ll、  ,,!!!l゙゙゙゜     _    .゙!lll′.゙llllli,  ゙゙”   '!lllll,    ゙llllli,_,,,,,ll!!!゙"’     .,,,,,liiiilii,
  ,,lllll←         'llli,,   .゙!l、 .゙llllli,      ゙llllli,   .,,ll!!!゙゙゙″     ,,,,iiiiill゙゙^ `゙゙!li,
  .″           ll!lllli,,   .゙′ .゙llllli,      ゙lllllillォ  `      ,,,   ゙~゙!llllli, .'li, ゙
     _,,,,,lllllllllllii,,、   ll,゙゙!lllii,,     .゙llllli,     'll゙゙゙’      .,,,,iiiilll゙°    .'!lllll,_,,illli,  ._
   .'lll!lllll,、 .゙lllllli、   ll、.゙゙!lllii,,     .゙llllliil,i、       ,,,    `.゙゙llllli,      ゙!lllll ゙̄!i, .lli,
     .'!lllll,  ,ll!!°   .llllllll゙゙゙゙!lllii,,   'lll゙゙゙゛           lllli,,    .'!lllll,    ,,、゙!lllll, .` ,llli,
      ゙lllllillllll!l!!llllii,,、 .ll,   ._llll!!!l゙'       .,,,,iiill″  .lll!lllli,,    .゙llllli,    lli, ゙llllli,._,,,,ll!!!゙゙
      ゙!lllli,   ゙lllllli、 .lliil,i、 ゙’     .,,,,,,ii←” ゚ll!    'll`゙!lllli,,   'lllllli,   .,lllli,.,,ll!!!゙゙゙
       .゙llllli,  ,llll!゙  ゙゙″        ゙゙゙!lllllli,,、 ll、    .ll、 ,゙lllllii,,   ゙llllli,,,,,,,ll!!!゙゙ `
          ゙lllllillllll゙゙゙`      ,,,llllllllliiii,,,  .゙゙!llllli,,,,ll′    llilll゙゙゙~゙!lllli,,,,,,.,,l!!!l゙゙゙゛
       'l゙゙゙’         ,,ill°  ゚゙llllli,,   .゙゙!lllllll,、    .ll、  ,,ll!!!゙゙゙
              ,,,,,liiiiiii,,、  lllll,    .゙llllll,、   .゙!lllll,,   .,,,lllllト
         ,,,liiillll゙’ .゙゙llllllli、 lllllli,    .゙llllll、   .゙llllli,,,,, '゙’
             ゙!lllll,   llllll  ゙llllll,、   lllll|    ill!!゙゙゙
           ゙llllli,,,,,iillll′  .'゙!lllli,,   ,ll!
           '!lllll, '゙!!lllli,,,   ゙゙!!!llll,,,illl゙’
               ゙llllli, ゙゙゙!lllli,,,,,,
               ゙llllli,,,,, ゙゙l゙゙”
               ,ll!!!゙゙゙゜

■■■■■■AAバトルロワイアル雑談スレ■■■■■■
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1067821682/

※ここは本文を投稿するスレッドです。雑談や感想などは上記の雑談スレでお願いします
 尚、この作品はAAバトルロワイアル4の続きではなく、完全なる別世界の物語です。

詳細は>>2-6くらい

このスレは、小説「バトル・ロワイアル」と同様に
アスキーアート(AA)のキャラに「殺し合い」をさせるスレッドです。
内容はリレー小説形式ですが、もちろんAAも受け付けています。
ちなみにAAキャラは学生の設定になっているんでその辺りを了承しておいてください。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 01:34 ID:igC2OJvy
−−書き手のルール−−

投稿はsageでお願いします。dat落ちしないかと不安になりますが
基本的に書き込みのあるスレは落ちません。
スレが立ってから60日経つと、1日1度は書き込みがないと強制dat落ちになりますが
その場合、1日投稿がなさそうなら「保守書き込み」をされても結構です。
また、駄作を論議するという特質上、書き手はできるだけ固定ハンドルの着用をお願いします。

基本的には学生という設定のキャラを戦わせます。
あくまでも「普通の学生」なので、超人的な能力を持つようなキャラは敬遠するようにお願いします。
○ ハッキングのスキルを多少ながら持っている
× 傷が勝手に治る体質
また、プログラム運営側や、兵士達、更に反政府団体などの、「学生」以外のキャラが戦闘に参加したりするのは
過去に起こった騒動に発展する場合がありますので敬遠するようにしてください。
生徒はあくまでも平等に扱ってください。この物語の主人公は生徒であり、特定の人物ではありません。

生徒には始まると同時に武器や食料が入ったデイパックを支給されます。
支給される武器は基本的には何でもいいんですが、「あまりにも強すぎる武器」は敬遠するようにしてください。
○ サブマシンガン
× ロケットランチャー

人が書いていたキャラを書き続ける場合は、そのキャラの状況を、ログを読むなりして理解してください。
どこのエリアにいるのか、今は何時か、怪我を負っているか、誰かと一緒にいるのか、武器は何だ…など。
矛盾した設定を残すと後にも響いてくるんでこの辺りは特に気をつけるようにして下さい。
あまりに矛盾した内容の場合は雑談スレで議論後、スルーされることもあります。

そして、書くキャラの性格などを最初からつかんでおいて、その性格に沿った物語を展開していくと
読み手にも「ああ、コイツの性格が出てるなぁ」など読みやすくなります。
例えばモナー。彼がいきなり凶暴な殺戮キャラになったら、少々困惑してしまうものでしょう。
キャラの性格などは、「AA大辞典」や、各板にあるそのキャラの専用スレなどで掴むといいでしょう。
参考:AA大辞典(仮) http://maruheso.at.infoseek.co.jp/aadic/

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 01:34 ID:igC2OJvy
生徒名簿

AABR担当官:モララー

【男子1番】アサピー       .【女子1番】あめねこ
【男子2番】アヒャ         【女子2番】ありす
【男子3番】>>1さん        【女子3番】ぁゃなみレイ
【男子4番】イマノウチ       【女子4番】ガナー
【男子5番】ウワァァァン     .【女子5番】ザーボン
【男子6番】おにぎり        【女子6番】しぃ
【男子7番】ギコ          【女子7番】ダヤース
【男子8番】キユ          .【女子8番】づー
【男子9番】さいたま右      【女子9番】でぃ
【男子10番】坂田師匠      .【女子10番】ニラ茶娘
【男子11番】ショボーン      【女子11番】ねここ
【男子12番】シナー        .【女子12番】・
【男子13番】ッパ          .【女子13番】みるまら
【男子14番】ドクオ         .【女子14番】モラリ
【男子15番】ネーノ         【女子15番】モナエ
【男子16番】八頭身        【女子16番】モネー
【男子17番】フェラーチョ     .【女子17番】モナカ
【男子18番】ぼるじょあ      【女子18番】モニカ
【男子19番】メモラー        【女子19番】リル子
【男子20番】モナー         【女子20番】ルルカ
【男子21番】山崎 渉       【女子21番】レモナ

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 01:36 ID:igC2OJvy
   |   A   |   B   |   C   |   D   |   E   |   F   |   G   |   H   |
______.|_____|_____|._________|_____|_______|_______|._________|_____|
   |
 1 |          + +                      + +     /      北
______.|         +i''" ̄`i+      + + + + + +   + +i ̄i +    /.       ↑
   |        +i"    `i + +   + i ̄ ̄ ̄ ̄i i ̄i+ +i ̄    ̄i + /    西←┼→東
 2 |      +i''"     i' i ̄ ̄゛i+ + i      i i   ̄ ̄     ___i/+        ↓
______.|    + +i ̄       i i___   ̄ ̄      i i  エリアC  __i _!"  +       南
   |   +i ̄         ̄i i           i i      _i/
 3 |  +i"           i i  エリアB     i i      _i ∠____    ├──┼──┤
______.| +i"  エリアA      i i           i i      i i" ̄ ̄ ̄`i |    0   1.5   3 (km)
   | +i_             i i           i i    ____i i エリアD .i |
 4 |  +i_           i i            i i__i┌┐i   ____._i |         〜
______.|  +i     _____,i i、_________i__,, -ー"  i i   _i,-‐‐┘
   |  +i''   _i,.-----------┐i ̄ ̄i| ̄ ̄ ̄       i i__i/
 5 | +i   ___i/         ┌'/   i|___,,         ̄ ̄     〜
______.| +i__  i,i"      〜    i/     `ー---、|          p
   |  +i,,/             |i__        i|        ヽニ>
 6 |  /+             └、 i        i|  _
______.|/   +              |i エリアE  i|_|○|
   |                 __|i        i  ○|←エリア51           〜
 7 |      〜          Li_           i| ̄ ̄
______.|    q             \i,,__      i|                 p
   |   <ニ/               ̄|i_____   i|  〜            ヽニ>
 8 |              〜       ̄ ̄|i___i|
______.|                          ̄ ̄

────────────────────────────────
−会場地図−
バブル崩壊と同時に開発が閉ざされた地帯。
ゆえに様々な建物や、建設機具などが放置されている。
周囲は高圧電線で囲まれており、全部で五つのエリアに別れている。

  ・エリアA : 廃屋が立ち並ぶエリア。
  ・エリアB : 建物の無い荒れ地。
  ・エリアC : 建設途中のビルが多数あるエリア。
  ・エリアD : 夢の島のようなゴミ捨て場。
  ・エリアE : 高層ビルが立ち並ぶエリア。
  ・エリア51 : 本部があり、ゲームのスタート地点。

────────────────────────────────
※文章中で、できるだけ現在の場所などを読み取りこの地図を参考にして書き手は頑張ってください。

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 01:39 ID:igC2OJvy
過去ログ・関連サイト

AAバトルロワイアル
http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1047654130/
AAバトルロワイアル2―THE SURVIVAL PROGRAM―
http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049193384/
AAバトルロワイアル3
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1054026979/
AAバトルロワイアル4
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1060659888/
AAバトルロワイアル4〜第2幕〜
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1067155406/
AAバトルロワイアル・雑談スレッド
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049261056/
AAバトルロワイアル・雑談スレッド2
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049261056/
AAバトルロワイアル・雑談スレッド3
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1060612603/

(=゚ω゚)ノ ◆iyou.Tr.92氏のAABR保管庫(AABR1〜2途中まで)
http://www5e.biglobe.ne.jp/~battle/

フライ ◆1P5hsLgCIM氏のAABR4保管庫
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Part/1772/

---------------------------------------------------------------------------------
補足:50〜100レスごとに、「まとめ役」となる人は、自ら進んで状況を説明する文章を
製作してください。また、そのまとめによって書き手はかなり助かりますので
保守っている方々、できればまとめに参加をお願いします。まとめがあると現在の位置などがわかり
とても活気的なものとなります。。どうかこのスレを盛り上げるために書き手・読み手共々協力をお願いします。

6 :You must survive ◆QO6xxDyBVQ :04/01/23 17:03 ID:QqkU8NFR
AAバトルロワイアルも5スレ目に突入しました、おめでとうございまーす!!
新スレを記念して、ちょっとした詩をどうぞ・・・・・・・・
なお、本編には一切関係ありません。

昨日までの僕らは何だったんだ?
一緒に勉強し、一緒に話し、同じ釜の飯を食った。
なのに、そいつらは皆、今僕を殺そうとしている。
牙をむき、刃を携えて。
なぜそうなったのかはもう分かっている。
生きて帰れないのはもう分かっている。
でも、君は生き残ることが出来る。
君と僕との絆はまだ失われてはいない。
生き残って、皆に伝えてくれ。
友と殺し合う悲劇を。
大人達がしている事の愚かさを。
このゲームの真実を。
どうか、君は生き延びてくれ。
いや、君は生き延びなければならない――――――

7 :◆HWJJFVYzzY :04/01/23 18:18 ID:dl+guWyi
>>1
乙カレー!>>6の詩も(・∀・)イイ!!
書き終わり次第投下するのでマターリと待っていてください。
書くのが遅くてスマソ。

8 :流星 ◆XlCwCSrTaU :04/01/23 19:26 ID:KWMjni+2
新スレ乙彼です。>>6さんのプロローグ(?)もグッジョブです。
私も武 ◆HWJJFVYzzY さんが投稿しだい、投下してみます。

9 :セブンティーン ◆6iW04TobYw :04/01/23 19:54 ID:1GwB8eUB
とりあえず雑談・感想・批判などは雑スレに書き込むがいいかと。
と言ってみるてst

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 20:33 ID:Zp2MYFS+
根本に関わるんだが、マップって本当にあれでいいのか?
議論スレでもいろいろ言われてるようだが。

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 21:49 ID:xtyb9eAt
同志が作ってくれたマップ修正版

   |   A   |   B   |   C   |   D   |   E   |   F   |   G   |   H   |
______.|_____|_____|._________|_____|_______|_______|._________|_____|
   |
 1 |          + +                      + +     /      北
______.|         +i''" ̄`i+      + + + + + +   + +i ̄i +    /.       ↑
   |        +i"    `i + +   + i ̄ ̄ ̄ ̄i i ̄i+ +i ̄    ̄i + /    西←┼→東
 2 |      +i''"     i' i ̄ ̄゛i+ + i      i i   ̄ ̄     ___i/+        ↓
______.|    + +i ̄       i i___   ̄ ̄      i i  エリアC  __i _!"  +       南
   |   +i ̄         ̄i i           i i      _i/
 3 |  +i"           i i  エリアB     i i      _i ∠____    ├──┼──┤
______.| +i"  エリアA      i i           i i      i i" ̄ ̄ ̄`i |    0   1.5   3 (km)
   | +i_             i i           i i    ____i i エリアD .i |
 4 |  +i_           i i            i i__i┌┐i   ____._i |         〜
______.|  +i     _____,i i、_________i__,, -ー"  i i   _i,-‐‐┘
   |  +i''   _i,.-----------┐i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄i|      i i__i/
 5 | +i   ___i/         ┌'/        i|      . ̄ ̄     〜
______.| +i__  i,i"      〜    i/         i|          p
   |  +i,,/             |i__        i|        ヽニ>
 6 |  /+             └、 i        i|  _
______.|/   +              |i エリアE  i|_|○|
   |                 __|i        i  ○|←エリア51           〜
 7 |      〜          Li_           i| ̄ ̄
______.|    q             \i,,__      i|                 p
   |   <ニ/               ̄|i_____   i|  〜            ヽニ>
 8 |              〜       ̄ ̄|i___i|
______.|                          ̄ ̄

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 23:43 ID:Lxv5lb9Q
暗い部屋。天井には古びた電灯が黄ばんだ光を出してはいるのだが、それでもこの部屋全体を照らしているわけではなく、部屋は暗かった。
異様な静けさが続く部屋の中は、奇妙なことに、大人数の人間がいた。しかし彼らは、部屋に置いてある何個もの机に身をあずけたまま、動かなかった。
もちろん彼らは死んでいるわけではなく、修学旅行に行くためのバスの中、突然入り込んできた人間達に睡眠ガスを撒かれ、まだ眠っているだけである。
この部屋の中は教室風になっており、正面には教壇、黒板の代わりに白いホワイトボードが立っていて、部屋には何個もの机が置いてあり、生徒一人一人が眠っている。
教壇の後ろには、一人の男が立っていた。黒いスーツに身を包んだその男は、眠っているわけでもなく、ただ何も言わず立っているだけである。
教室風の部屋の窓からは、黒く染まった海が見えた。海には大きな船が何隻か航行しているだけで、波の音だけが静かにこの「会場」を包んでいた。
そしてもう一つおかしな点は、机と椅子に体重を預け眠っている生徒達の首に、銀色の輪がはめられていた。しかも、全員。

しばらくして、部屋の扉ががらがらと開くと、そこから数人の人間がぞろぞろと入ってきた。その男達はヘルメットや軍服を装備し、肩にはライフルを吊っている。
いかにも、兵士らしき格好の者達であった。教壇にいた男が兵士らしき男たちを一目見て、頷いた。
そして静寂を保っていた部屋に、突然轟音が鳴り響いた。じりじりじりじりと、劇場の開幕ベルのような音が大音量で部屋の天井付近にあるスピーカーから流れた。
眠っていた生徒が次々と起きだし、この不可解な部屋、兵士や正面にいる男たち、自分たちの首にはめられた輪を見た後、ぞろぞろ生徒内だけでと話し始めた。
「ここどこだ?」
「アルェー、修学旅行じゃなかったのかYO」
「あの人誰?」
「あいつ銃持ってるぞー、何なんだ?」
「というかこの首のやつ何だよ」
しかしそれも、教壇にいた男がぱんぱんと手を叩き、静まった。これは明らかに何かおかしかった。生徒達は不吉な予感を感じつつも、正面の男に視線を合わせた。
教壇に立っていた男は、にやりと笑みを浮かべると、ようやく口を開けた。
「みなさん始めまして。残念ながら修学旅行は中止になりましたー。私は臨時教師のモララーです。えー修学旅行が中止になったのは残念ですがあ、これから楽しいゲームをやろうと思います」
再び、部屋の中がざわざわとし始めた。モララーと言った男は、ホワイトボードにある文字を書いた。"AABR"と。
「えー皆さん静かにしてください。これから何をするか説明をしま〜す。なーに簡単なことです。これから―――」
モララーが一息起き、にやっと表情を変えた後、続けた。
「これから殺し合いをしてもらいま〜す」

【残り42人】

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 23:47 ID:Lxv5lb9Q
モナー(男子20番)は、モララーが何を言ったのか、よく分からなかった。
殺し合い?何だ?殺し合い?修学旅行はどうなった?あの兵士みたいな人は?この首輪は?
教室内は更にざわざわし始めた。隣に座っていた女子も、後ろの女子と話し始めた。
「ルールは簡単でぇす。」
モララーが少し大きな声で言った。ざわつきは収まらなかった。
確か今日は9月20日、2ちゃん中学校3年生は修学旅行の日だ。バスに乗って、目的地は・・・バス?確かバスに乗ったとき、変なやつらが入ってきて消火器みたいなのを・・・
モナーはようやく思い出した。バスの中に乱入してきた耐火服のようなものを着た、ガスマスクの男達。やつらが消火器のようなものを撒いて、突然眠くなって・・・。
そしてモナーは考えた。あの消火器みたいなものから出てきたのは、睡眠ガスのようなものだったのだろうか?そして僕達は眠って、ここにいるのだろうか?
窓の外を見た。既にモララーという男の話など耳に入ってはいなかった。殺し合い?馴れ合い?そんなのは今はどうでもいい、とにかく今はここがどこか―――
―――ちょっと待て。殺し合いと言ったのか?今の男は。
その時、ぱん、というでかい音が部屋のざわめきを消した。正面、モララーという男が立っていた方向を見ると、その男が拳銃を握って、正面に向けていた。
モナーが降りかえると、部屋の後方、既に塗装が半分はがれ落ちている壁に、不自然な小さい穴ができていた。これでも視力は高い。
「騒ぐと撃つぞー、静かにしるー」
モララーがなだめるような口調で言うと、部屋はすぐに静かになった。あれは本物の拳銃だろうか。とりあえず今は、騒がないほうがいいのか?

【残り42人】

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 23:54 ID:Lxv5lb9Q
「いいかー、お前らは今から殺し合いをしてもらいます。ルールはありません。殺すのはこの部屋にいる友達でぇす。」
少しざわつきが起きたが、さっきモララーが「騒ぐと撃つぞ」と言ったので、あまり言葉が出ないようだった。モララーは話を続けた。
「ルールは簡単、殺し合って最後に残った一人が優勝です。優勝者には小泉純一郎総理からの感動の言葉と、生涯の生活保障が与えられます。え、何でこんなことするかって?
いやあ世の中はすっかりダメになってしまいました。これからは自分たちの国を武力で守っていくことも大切です。いいですか、これは国民テストです。若者を戦わせて、データを収集し、
自衛隊などの国防に役立てていこう、というわけです。このために若い人の血が流れるのは大変惜しいですが、国のためだということを忘れないように」
モナーは少しずつ意味が分かってきた。殺し合いをするというのだ。普通なら冗談だろ、の一言で済むが、相手は銃みたいなものを持っていたし、大体あの兵士みたいなのは何だろうか?
「殺し合いに関してあまりルールはいりません。友達を信じて一緒に行動するもよし、裏切って殺すのもよし、隠れるのもよし」
そう言ってモララーは今度は首を指差した。モララーの首には何もないが、生徒の首にはわけのわからない首輪がついている。勿論、モナーの首にもだ。
「その首輪はあなたの心音に反応した機能します。あなたが死ぬとこちらの生存ランプが消え、死んだことが分かります。死亡者は毎日6時間ごとに行われる放送で放送します。
この放送では6時間以内に死んだ生徒と、禁止エリアを放送します。ああ、禁止エリアというのは、最初に貰える地図を見れば分かると思います。これは、あとで説明するよ。
これからあなた達はこの施設から出発してゲームを始めます。ゲーム会場から抜け出すのは無理です。会場の端には高圧電流の柵があるので、触れると問答無用で死にます。
海も無駄です。あなた達の現在地は首輪を通してこちらにも分かりますが、海を泳いでる馬鹿者がいた場合は、こちらから信号を流します。ああ、信号を流すとどうなるかって?」
モララーは一息置いて、ゆっくりと続けた。
「ばくはつします」
首輪に触れていた何人かが慌てて手を離した。モララーはまたにやりと笑うと、続けて話し始めた。
「その首輪の中には爆弾が入っています。こちらから信号を送ったり、無理矢理はずそうとすると爆発します。解除は無理です。政府のプログラマなめるなよこの野郎。
そして首輪が爆発する理由がもう一つあります。禁止エリアです。出発する時地図を配りますが、その地図は「A-1」「A-2」「B-1」など、エリアで区切られています。
6時間ごとに放送があるってのはさっき話しましたが、禁止エリアのこともその時放送します。先生が放送で「1時間後から○-○エリアは危ないぞー」と言います。
指定した時間までそのエリアにいる馬鹿者は、やはり首輪が爆発します。こうすればだんだん戦えるエリアが狭くなり、死者も増えてきます。いい考えでしょ。
ちなみに放送では1時間後、3時間後、5時間後の禁止エリアを放送します。今は夜中の12時なので―――」
モナーはそう言われて腕時計を見た。時計はAM12:05、モララーの言葉に嘘はない。
嘘がないからこそ、これから殺し合いをすると言う現実が、ようやく怖く感じてきた。周りを見ると、震えている生徒も、いた。
それを見て、モナーも少し、恐怖が大きくなっていった。

【残り42人】

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/23 23:55 ID:Lxv5lb9Q
そんなモナーを尻目に、モララーのルール説明は進んでいた。
「ちなみにこのエリア、出発地点はF-7エリアにあたります。ここからみんなは出発するわけですが、このF-7エリアは、みんなが出発した後、禁止エリアにします。
理由は、本部を狙ってくる馬鹿者を防ぐためです。ちなみに出発順はあとで決めます。指定された人から男女、男女交互に2分間隔で出発します。
出発する時に、この部屋の外に山積みにされているデイパックを受け取ってもらいます」
そう言うと入り口付近にいた兵士ががらがらと扉を開けた。モナーの目には、デイパックらしきバッグの山が見えた。
モララーが入り口付近を一目見た後、続けた。
「このデイパックの中には、食料、水、地図、懐中電灯、コンパスが入っています。あと、君達が私物で持ってきた旅行用バッグも、机の下にあるので、同じく持っていってください。
それとデイパックの中には重要なものも入っています。武器です。武器の中身は人それぞれです。銃もあれば、どうしようもないものもあります。人間、生き残るためには運も必要だということです。
ま、基本的にはこんな感じです。出発したら会場範囲内ならどこに移動してもかまいません。ただし首輪の電波はどこまでも届きます。注意してください。それと、電話はつながりません。
携帯電話を持ってきてる人が数人いますが、つながらなかので電話で助けを呼ぼうとしても無駄ですそれと、24時間誰も死者が出なかった場合、全員の首輪が爆発するんで注意してください」
携帯電話は持ってきちゃいけない決まりだったような?ルール違反などという言葉が辞書にないモナーは疑問に感じた。
モララーが教壇の中から封筒を取り出した。さっきから持っていた拳銃を教壇の中にしまい、封筒の口を破って、中身を見て、すぐに中にに仕舞った。
「出発順が決まりました。男子11番、ショボーン君から順番に出ていってください」
モナーの右後方にいたショボーン(男子11番)がびくっと体を震わせた。普段目立つことのない彼に、クラス中の視線が注がれていた。
ショボーンはがくがくと震える足で何とか立つと、机の横にあった私物のバッグを取った。そのまま、ゆっくりと、入り口まで歩いて行った。
ちらっと、ショボーンが生徒達に振り返った。顔は青ざめてあり、ひざはまだがくがくと震えていた。
入り口付近にいた兵士からデイパックの一つを受け取り、ショボーンはゆっくりと、部屋を出ていった。しばらく歩いていたようだが、その後走ったような足音が聞こえ、すぐに聞こえなくなった。
ショボーンは内気で目立たないタイプだったはずだ。大丈夫だろうか、とモナーは考えながら、他の生徒達を見渡した。
自分は特にクラスでも普通のタイプで、まう人並みの人間だろう。仲の良いギコ(男子7番)や>>1さん(男子3番)、特に好きというわけではないが近くにいるレモナ(女子21番)などのことを考えた。
「2分後に女子11番のねここさん、その2分後男子12番のシナー君、出発してください」
モララーが喋ったのをほぼ聞き流し、ギコたちのことを考えた。
ギコや>>1さん、レモナ達なら自分を殺そうとはしないはずだ。いや、それにクラスメイトが殺し合いをすること自体ないんじゃないか。
普通のクラスだったけど、殺し合うようなクラスじゃないはずだ。―――しかし、そうだったらモララーが言っていた「24時間誰も死ななければ全員の首輪が爆発します」という言葉が気にかかった。
なに、24時間なんて長い。みんな集まって、意見を出し合えば、ここを襲撃したり、脱出する案も浮かぶはずだ。
第1自分はクラスメイトを殺そうなんて思わないし、みんなも思うはずがないだろう。みんな人間なんだ。
そうこう思っているうちに自分の番が近づいてきた。自分の前のリル子(女子19番)が部屋を出て、「次、男子20番、モナー」というモララーの声が響いた。
大丈夫、大丈夫、大丈夫・・・そう自分に言い聞かせ、モナーは恐怖を押し消していた。すぐに2分が経ち、モララーが声を発した。
「男子20番モナー君、出発してください」
モナーはゆっくりと立ち上がった。私物のスポーツバッグを手に取り、まだ座っているギコや>>1さん達に視線を合わせた。みんなこちらを向いていた。
大丈夫、そう言うようにモナーはみんなを見つめ、入り口まで歩いた。廊下付近に立っていた兵士からデイパックを受け取り、ゆっくりと、出口まで歩いて行った。
試合開始の笛が、音もなく鳴り始めた。既に時計は1時前を刺していた。9月の夜の風が、久しぶりにモナーの肌に触れ、モナーはそのまま、闇の中へと消えた。

【残り42人】

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/24 10:30 ID:XOSH12OZ
【男子17番】フェラーチョは、エリアDのゴミ捨て場をさ迷い歩いていた。
一面に広がるガラクタやゴミ。そして、悪臭。
彼は、とにかく遠くへ行こうと思い、本部から一気にここまで走ってきた。
多少息切れはしていたが、まあ全然歩ける。
フェラーチョは、学校一の不良学生であり、色々な悪事を働いてきた。
万引きや恐喝や強姦等は日常茶飯事であり、故に何度も少年院を出入りしているらしい。
しかし、フェラーチョはあまり殺しには乗り気ではなかった。
さすがに彼もまだ臆病な子供なのだ。そう容易く人を殺せる筈が無い。
・・・くそっ。今までのツケが今頃になって回ってきやがったのか・・・?
フェラーチョは小さく呟いた。
一面に立ち込める悪臭、霧がフェラーチョの鼻腔をくすぐる。
しかしフェラーチョの麻痺した感覚のせいで、特に気にはならなかった。

・・・俺が最後まで生き残るにはどうすればいいんだ?
勿論俺は他の奴を殺すなんて大それた事は出来ない。・・・何故なら臆病だからだ。
・・・そうだ。ずっと何処かに隠れてればいいんだ。
それで、他の奴らは殺しあって自分以外いなくなる・・・そして、俺だけが優勝・・・そうだ!それがいい!
フェラーチョはそう考えると、何処かに身を潜めそうなところを探した。
しかし、身を潜められそうな所など一つも無い。そういえばこのエリアは一面見通しがよ過ぎる。
こりゃアブねえよな・・・
そう悟ったフェラーチョは、すぐにこのエリアが脱出しようと思った。思えば俺は何でこんな所に来てしまったんだろう。
フェラーチョが一度来た道を戻ろうとすると、
「おい」
誰かの声。聞き覚えのある声。
フェラーチョの心臓がギョクン、と大きく鳴った。
フェラーチョは、恐る恐る後ろを向く。
「ここにいたのか。」
そこには、自分の子分である【男子15番】ネーノが立っていた。
ネーノがにこっとフェラーチョに微笑みかける。


17 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/24 10:32 ID:XOSH12OZ
「ネ、ネーノか・・・」
フェラーチョは、心の底から安心しきったような声を漏らした。
その場にへたり込むフェラーチョ。
「どうした?いきなりへたり込んで・・・」
ネーノが怪訝に尋ねる。
フェラーチョは、破顔したまま答えた。
「いや、後ろにいたのがお前でよかったんだよ・・・お前は俺に忠実だったし、だから安心しちまってな・・・」
ネーノがフッと笑った。
そして、へたり込んでいたフェラーチョに向かって手を差し伸べた。
「・・・ネーノ。」
フェラーチョは素直にネーノの手を掴み立ち上がった。
その瞬間彼は最早このゲームの緊張感を失くしてしまった。
「聞きたい事があるんだ。フェラッチョ。」
「何だ?」
ネーノがいつもの口調で言う。そういえばこいついつも冷静だ。
「俺ってそんなに信用が出来るか?」
ネーノは、静かに言った。驚くほど無表情だったが、フェラーチョは何も気にならなかった。
「ああ。さっきも言ったけどお前は俺に忠実だった・・・だから信用出来る。」
フェラーチョは素直に言った。
普段のつっぱっているフェラーチョは最早もうそこにはいない。
「そう・・・か。」
「ああ、そうだ。」
フェラーチョが笑い返す。ああ、俺自然に笑ったのいつぶりだっけな。
「・・・あ、そういえばフェラの武器は何だった?ちょっと見せてほしいんじゃネーノ?」
ネーノはそう言うと、手を差し出した。
・・・そういえばまだディパック開けてなかったな。
フェラーチョは突然ディパックの存在を思い出し、ディパックの中をあさり始めた。ネーノがその様子をじっと見ている。
ディパックの中には、食料、飲料、・・・なんだこれは。食料とか言って何のこじつけも無いロールパンかよ?ふざけるな。
と、フェラーチョの指先に固い感触が伝わった。
・・・銃。何の銃かは分からないが、とにかく大きく頼りになりそうだ。(ちなみにその銃はM4と言って立派なマシンガンである。
フェラーチョは、それをディパックから出し掲げた。
・・・黒い。この闇じゃよく分からないが、とにかく・・・大きい。強そうだ。
「それがお前の武器?」
ネーノが尋ねる。
フェラーチョは無駄に大きく頷いた。フェラーチョは今までに無いくらい興奮している。
・・・これを使えば誰でも殺せそうだ。
フェラーチョは、その強力な武器を手にした途端、突然ある考えが頭をよぎった。
「フェラ?・・・ちょっと俺にも触らしてくれよ。」
ネーノがしたから声を出した。
「あ、ああ。」
フェラーチョは、M4をネーノに渡した。

フェラーチョの手に、あの銃のゴツゴツした感触がまだ残っている。
・・・確かモララーとかいう奴言ってやがッた。・・・みんな殺さなきゃ生き残れないって。
・・・という事は、無論ネーノも殺さなければいけないという訳だ。
ネーノも、同じ不良グループである山崎の糞野郎と淫乱娘のモネー、それに生意気ギコも・・・?
ふふふうははは、そうだ。隠れてるなんてそんな事しないで真っ直ぐに他の奴らを殺せばいいんじゃないか。
あの銃なら誰でも殺せる・・・・そうだ。誰でも殺せるんだ。あはははははははははははは
・・・ちっ、ネーノの野郎まだ銃をイジってやがる。


18 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/24 10:34 ID:XOSH12OZ
当たりの武器を引いたフェラーチョは、既にネーノを殺しの対象としてしか見ていない。
彼は、まだ人生を楽しみたかった。まだ遊び足りない。まだ女とヤリたりない。
ふふ・・・悪いなネーノ。俺のために死んでくれ。
「ネーノ!銃を返せ!」
フェラーチョは声を荒げて言った。
銃にしか関心が行ってなかったネーノがフェラーチョの方を振り向く。
「これを返して欲しいのか?」
ネーノが銃を片手に言う。
「ああ。」
「何でだ?」
「使うからだ。」
「ほぉ。そんな使いたいのか?」
「勿論だ。」
フェラーチョは興奮して軽く酔っていた。故に彼の口調の違和感には気付かない。
「じゃ、返すわけには行かないね。」
ネーノは、そう言うと銃を後方に大きくほおリ投げた。
銃は大きく孤を描き、トサッと音を立てて床に落ちた。
フェラーチョは、ネーノの予想外な行動に面を食らった。
・・・な に を し て る ん だ ね ー の ?
ネーノは、口元に笑みを浮かべている。
その笑みに、フェラーチョは無償に腹がたった。
・・・お前だけはマトモだと思ってたのに、お前もやっぱく ず だ 。
「ネーノ!てめぇ!」
キレたフェラーチョは、怒りのままにネーノに殴りかかった。
「痛てぇぇぇぇ!」


19 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/24 10:35 ID:XOSH12OZ
今俺の身に何が起こったんだ・・・?
俺が奴に殴りかかった。
奴は避けた。するりって・・・いともたやすく・・・
それで・・・俺が体制を崩してこけた・・・
それで・・・痛くて目を瞑って・・・それで・・・なんで、何で、ナンデ、

何で俺の腹にこんな物がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

フェラーチョの腹には、大きめのアーミーナイフが突き立っていた。
今まで感じたことの無いとてつもない痛みがフェラーチョの腹部から爪先まで電気のように行き渡る。
いたいいたいいたいいたい熱い!!
「うぎゃああああああああーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
フェラーチョは我慢できずに大声を張り上げた。
動こうとしたが、ネーノに体を固定されて動けない。
ネーノ・・・?・・・あいつ、俺の腹部のナイフを握ってやがル!
ど、どうするつもりだ・・・?もう、もう、おレぎゃあああああああああああ
「ひあああぁぁぁぁぁぁぁ!」
ネーノは、刺さったナイフを更に捻り込み、傷口の中に空気を送り込んだ。ネーノは微かに笑っている。
フェラーチョの傷口から血が滴り落ちた。
「もう・・・やめてくれ・・・ネーノ・・・なんでこんな事を・・・?」
フェラーチョは懇願するように言った。顔にはは涙やら涎やら色々な体液が出てきてていた。
いたいよぉぉぉぉぉ
「・・・別に止めてあげたっていいんじゃネーノ?」
え?
ネーノがナイフを捻るのを止め、すぐに引き抜いた。血が噴水さながら宙を舞う。
随分あっけなく止めてくれた。
そして、ネーノは血に濡れたナイフをそこに残し、その場を立ち去ってしまった。
・・・なゼ?
フェラーチョは、しばらく呆けたままそこに倒れていた。
しかし、すぐにネーノへの怒りが心をうめつくした。
あの野郎。俺の下僕の癖してこんな事を・・・殺してやるぜ猿がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
フェラーチョは、腹部の激しい痛みを抑えながら、立ち上がった。
そして、体を折り曲げ、ナイフを拾う。再び腹部に電撃のようなものが襲う。
しかし、痛がってられない。あいつを殺さねば、殺さねば、猿猿猿猿猿猿猿猿猿猿
フェラーチョは、背中を向けているフェラーチョに狙いを定めた。何かを拾っている。だがそんな事はどうでもいい。
「ぐおあああぁぁぁぁぁぁ!!」
フェラーチョは奇声を上げながらフェラーチョに走りよった。無論ナイフを持ちながら。
ネーノが驚いたように振り向く。だがもう遅いぃぃぃぃ、死ね猿がぁぁぁぁぁ
ぱららららららららら
ネーノは、ただ振り向いただけでなく、銃を撃った。
先ほど拾ったフェラーチョの支給武器・・・M4を。
フェラーチョは、叫び声を上げる余暇も無く、地に突っ伏した。顔に銃創が集中している。ぐちゃぐちゃだ。
ネーノは鼻をつまみ、顔をしかめながらフェラーチョの手からナイフをもぎ取り、M4と一緒にディパックにしまい込んだ。
「・・・何でも自分の思い通りになると思ったら間違いなんじゃネーノ?」
ネーノはそう言うと、返り血を拭き取りその場を後にした。彼の足取りは何故か妙に軽かった。
【残り41人】


20 :流星 ◆XlCwCSrTaU :04/01/24 11:51 ID:NIBIp5QD
これは>>12さんの話の前に入ると考えてください。


2ちゃん中学校3年生の修学旅行当日―――


2ちゃん中学校3年生は修学旅行行きのバスに乗っている。今日は9月20日修学旅行だ。
いつものように、にぎやかで、窓ガラス越しに見える観光名所AAサロン山は有名だ。さらに窓の外には秋特有の紅葉やその他の自然が窺がえる。
後ろの座席に座っているのは、ネコ型AAのギコ(男子5番)彼は気性の荒い奴だが根はいい奴。モナー(男子20番)は普段からぼけ〜としてるが温厚だ。アヒャ顔が特徴のさいたま右(男子9番)は能天気で、いつも明るいAA。
彼ら3人が仲良く話している。彼らは2ch(2chとは謎が多い組織で、AAサロン板・・・いやどこの板の住民もその組織の実態を知る者が居ない。と言うほど不気味な組織だ。)の噂話について、面白がりながら語っているようだ。
窓際の一人席に静かにたたずんでいるのは、フェラーチョ(男子17番)パーマが特徴の彼は学校一の不良中学生で、そして、かなりのレイプ魔。そのおかげで過去に何度も警察に補導された事があったからたまったもんじゃない。(最近はやや落ち着いてるようだが・・・)
ちなみに、そんな彼の実際の生活を知る者はほとんど居なく、幼少時代の暮らしについては、まったく謎だ。
フェラーチョとは反対側の窓際の2人席に座っているのは金髪で上品にセットしてある髪が特徴の、1さん(男子3番)その1さんの隣に座っているのは、クラス1背が高く大柄な8頭身(男子16番)が座っている。
彼はとにかく1さん命で、いつもこそこそとストーカーをしつつ、「1さん(;´Д`)ハァハァ」などのキモイ言葉を口に出し、1さんをストーキングするのが趣味。ちなみに彼は1さんには嫌われていた。
そんな二人に偶然。いや神様が悪戯したのか彼らはたまたま同じ席になったのだ。8頭身はとにかく嬉しいらしく、1さんをずっと見つめては(;´Д`)ハァハァしてるようだ。(これだから1さんに嫌われる理由もわかる。もっとも1さん自体はもっと別の理由で8頭身が嫌いらしいが)
「1さ〜ん一緒の席になれてよかったね。(;´Д`)ハァハァ」
「ウワ〜ンキモイヨー」


あの二人はさておき、一番前の席ではガナー(女子4番)ギコと同じくネコ型AAのしぃ(女子6番)を初めとする女子グループが楽しそうに話をしているようだ。
中央の席に座っているのは、なぜかいつも笑顔の山崎渉(男子21番)と「アルェー」が口癖のぼるじょあ(男子18番)の不良二人組。フェラーチョとはまた違う不良連中だ。

「これからも僕を応援してくださいね。」
「アルェーサロン山が見えるYO!」
二人は修学旅行用の荷物から小さなケースのようなものを取り出し、中から煙草を取り出しそれにライターで火をつけた。煙草特有の嫌〜な匂いが漂って来る。
彼らが煙草を吸うのは日常茶飯事の事なので、誰も注意はしない。
いつもと変わらない日常を生徒達は満喫しながら、バスは順調に目的地に向かっていた。

バスが走って30分ほどがたった頃だろうか。

―――うん?・・・何だろう?・・・あれなんか眠いや・・・

突然辺りの視界がどんどんと白くなっていく感じがした。それはまるで、辺りが霧に包まれた感じだ。
さいたま右、いや生徒全員だろう・・・が急に変な空気に包まれ、なぜか眠気が襲ってくるような気がした。
右が耳をすますとブシュ―と空気を送り込むような音も微かに聞こえた。
生徒達はだんだんと自分達の目が無理矢理閉じられていくと感じたのは、妄想なのだろうか・・・
体中の力がすぅーと抜け、だんだんと意識が遠くなっていく中。さいたま右は一瞬運転手の姿が見えたのだ。その顔にはお面のような物を被っている。(まるでガスマスクのようにも見えた)
運転手に違和感を感じたが、もう何も感じることなく右の意識は途絶えた。


9月20日午前9時11分 2ちゃん中学校3年生拉致完了



21 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/24 17:08 ID:mzr4iq8p
【男子20番】モナーはエリアEを南へととぼとぼと歩いていた。
背中に背負っている荷物がやけに重い。
誰かと会って話し合いたいと思っていたのだが、
5メートル先を見ることさえ困難なこの暗闇の中ではそれはできなかった。
耳を澄ましてみたのだが、小さな人の声とタイプライターを叩くような微かな音が風に乗って聞こえただけで、それ以降は何も聞こえない。
ただ、自分の足音だけが響くだけ。
――誰も、いないモナ……
そう考えると、先ほど押し込めていた恐怖がまた蘇った。
そして、先程モララーがニヤつきながら話していた言葉も。

「殺し合い」

モナーは首を強く振ってその言葉を振り消した。
殺し合いなんて、できるわけが無いじゃないか。
ほんの少し前まで皆で授業を受けたり、遊んだりしていた仲間達となんて。
――そう、誰も殺し合いなんてしたくないはずなんだ。
そう考えると少し気が楽になり、モナーはビルの影に腰を下ろした。
「……あ、そうだ」
モナーはふとデイパックの存在を思い出した。
荷物が重かったのはこれのせいだったのか。
とりあえず、モナーは荷物を開けた。
……見るからに味気のなさそうなパン、ペットボトルに詰められた水。
地図に、コンパス。
「懐中電灯が入っていたモナ……」
これさえあればもっと楽に歩けていたはずなのに。
モナーはがくりと肩を落とした。
気を取り直して、懐中電灯を付けてさらに荷物を漁る。
確か、武器が入っていたはずだが。
「……これは」
鞘の中に収められた、小さなナイフ。どうやら果物ナイフのようだった。
それをディパックの中に放り込んで、モナーはぼんやりと空を見上げた。
明かりがないせいか、星がたくさん見える。
それを数えていると、今自分の身に起こっていること全てが嘘だったように感じられる。
――ああ、ずっとこうしていたいな。
モナーの気がふっと緩んだ。
瞬間、何かがモナーの頬を掠めた。
「……!?」
頬を何か生暖かい物が伝う。手で触れると、べとりとしていた。
もしかして、これって……
モナーの頭が混乱してくる。
固まる寸前の頭から滑り込むように一つの指令が下された。
――逃げろ!!
しかし、モナーの体は固まったまま動けない。がくがくと震えながら、闇の彼方を見ていた。
そこには、【男子11番】ショボーンがいた。
手に拳銃のような物を持ち、なにかぶつぶつと口にしている。
その銃口はモナーへと向けられていた。
微かに、煙を出しながら。
ショボーンが一歩こちらに踏み出す。
「……い」
モナーの耳にショボーンの声が届く。まるで囁くような声。
「怖い……怖い怖い怖い怖い、怖いよぉぉおおおおおお!!!」
ショボーンは叫び、そして引き金を引いた。
銃弾はモナーに当たらず、20cmほど離れた壁にのめりこんだ。
モナーの体は、やっとそれで弾かれたように動き出した。
「う、うわああああっ!!」
モナーは叫びながら、荷物を置いて逃げ出した。
ショボーンは尚も何か叫びながら銃を撃ち続けているが、それは幸運にもモナーに当たらなかった。

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 08:25 ID:bQKZ7f5r
ショボーン(男子11番)はモナー(男子20番)がいなくなったのにようやく気付くと、マガジンの弾を全て撃ち尽くした支給武器のワルサーP38に弾を入れ直した。
ゲームの一番始めにエリア51を出たショボーンは、錯乱と恐怖でただ走るしかなかった。そして、やみくもに走り続けた後、とりあえず南の端辺りにあったビルの中に入り、そこで腰を落ちつけた。
10分ほど全力で走り続けた体は、運動が得意ではなかったショボーンを疲労させ、恐怖などを頭の中から少しだが減らしてくれた。
ビルの中は、10年間など放置されていたから当然汚く、部屋一つ一つに段ボールの空き箱やらゴミやらが転がっている有り様だが、汚いものが嫌いだったショボーンは一室のゴミを払い、私物の中に入っていたシートを広げてそこに座った。
ようやく少しばかり冷静になったところでデイパックを開けた。中には支給武器であろうワルサーP38が入っており、おおよそ銃器に無関心だったショボーンは説明書を何度も読んで使い方を理解した。
一通りマガジンに付属してあった鉛弾を詰めたあと、これからどうするかを一人で考え始めた。
―――何で僕が、こんな目に遭わなければいけない。
頭の中はその考えだけが駆け巡り、脱出などの事は全く頭になかった。どうやって「優勝」するかが問題であった。
誰かと一緒に行動するなんて考えるだけでぞっとする。どうせ僕と一緒に行動しようとする奴なんて、僕を利用しようとしか考えていない。
ショボーン自体人と接するのは苦手だったし、友達と言える友達もいなかった。だからこそクラスメイトに対する不信感が大きく、それが恐怖となっていた。
死にたくなかった。生き残るしかない。だから敵を減らさなくては。
今度はその考えだけがぐるぐると頭の中をループしていた。時計を見ると、既に2時を過ぎていた。生徒のほとんどが、既にこの島に出ているはずだった。
死にたくないという考えだけが頭の中を巡っていたが、その考えは一つの物音により強制終了された。
足音が、ビルの中にこだましていた。
ショボーンは心臓が飛び出しそうになり、ほぼ無意識にマガジンを装填したワルサーを右手に掴んだ。足音は小さくなるどころかどんどん近づいてくる。どうする。どうする。どうする。
―――やるしかないだろう。
足音は休むことなくこちらへ向かってきた。ショボーンは武者震いか恐怖からかぶるっと震え、右手に掴んだワルサーをぎゅっと握り締めた。こちらに来たら撃つ。先制攻撃。容赦なくやれる。やれるやれるやれる。
この心とは裏腹に身体は震え、歯がかちかちと、寒中水泳をした後のように、音を鳴らしていた。足音を発する"誰か"がその音を聞いたのか聞かなかったのか、どちらにしろ、声を発した。
「誰かいるの?」
女の声だった。しかしショボーンにはそれが男なのか女なのか関係なく、硬直した体を動かすおまじないのように聞こえた。
「うわあああああああぁあああぁぁぁ!!」
やみくもに叫び、デイパックだけを肩に吊り下げ、ワルサーを右手に握ったままショボーンは部屋を走り出した。相手の返事も待たず廊下へと飛び出し、すぐ左手にいた女子生徒に向けてワルサーを向けた。
その生徒は――誰だっただろう。だが、そんなことは関係ない。誰だろうと敵なのだ。あとはこの銃のトリガーを引けばいい。引けば引けば引けば引けば―――
しかしその生徒の反応が早かった。突然、下腹部に衝撃が来たと思うと、目の前から生徒が消えていた。視界が天井へ行き、そのまま仰向けに倒れた。手からワルサーが離れ、からからと音を立てながら廊下を滑っていた。
体当たりをされたのだ、と理解した。
「わぁああぁぁ!!」
またしてもでたらめに叫び、手から離れたワルサーを探した。獲物を逃したハンターのように、必死になっていた。
体当たりをした生徒はそのまま走り去っていた。ショボーンがワルサーを見つけた時にはもう、視界の中から生徒は消えていた。

【残り41人】

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 08:26 ID:bQKZ7f5r
そしてその後、恐怖感だけが一段と大きくなり、目的もなくビルを出た。
そこで、懐中電灯の光を見つけ、それがモナーだと分かった時には撃っていた。トリガーを絞り続け、弾が切れた時にはモナーはいなくなっていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
ショボーンはモナーが残した荷物には目をくれず、モナーが逃げたと思わしき方向へ向かった。相手は武器を捨てた。丸腰。やれる。殺せる。
敵を減らすことだけがショボーンの行動理念になっていた。モナーを逃がすわけにはいかない。殺さなくては、こっちがやられるだけだ。
恐怖感だけが心を埋め尽くし、叫びながら走るショボーンは善悪の判断もつかなくなっていた。

レモナ(女子21番)は叫びながら走っているショボーンの声を聞いた。
エリア51を出て、とりあえず西に歩いていたレモナは、エリアEに当たるC-7にいた。ここは港になっているようだったが、当然船は一隻もなかった。
レモナは港にあった小屋の裏で腰を落ちつけ、支給武器のボウガンを両手に抱えながらじっとしていた。
殺戮ゲームに投げ出されつつも冷静なレモナであったが、やはり先程近くで聞こえた銃声は少し不安にさせた。しかしそれは、自分のことではない。
―――モナーはどこにいるだろうか。
レモナはこのゲームの中で、モナーを探し出すことが先決であった。もちろんレモナはモナーに好意があったし、モナーの性格上自分が守らねばモナーはすぐ死んでしまうと分かっていた。
モナーが人を傷つけることすらできないお人よしであることぐらい、百も承知である。だからこそモナーは仲間を作ろうとしているだろう。
だからこそ聞こえた銃声はモナーが襲われていないかと不安になっていた。優勝するだけならここで隠れていれば例の「禁止エリア」に引っ掛からない限りほぼ安全だが、特定の人物を守るとなると話は別である。
気にかかったのがショボーンである。いくら恐怖であろうと叫びながら走るなどと言うのは、殺してくださいと言っているのと同じだ。だからこそショボーンのことが気がかりであったし、もしかしたら「やる気」になっているんじゃないかと思った。
不安を抱いていたレモナの耳に、再び銃声が聞こえた。しかもかなり近くだ。
ぱん、ぱん、と数発の銃声が続いていた。さっき聞こえた銃声と全く同じだった。襲っている方、もしくは襲われている方がショボーンである可能性が高かった。
別にショボーンなど助けたくはないがモナーが襲われているという不安があった。近くであるということから、レモナはデイパックとボウガンを抱え、銃声の聞こえる方向へと移動した。

【残り41人】

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 08:27 ID:bQKZ7f5r
「うわああぁああああああ!!」
ショボーンはD-7、廃屋がちらほらと立ち並ぶ場所でモナーを見つけていた。モナーは丸腰で、抵抗もできないまま逃げるだけだった。
モナーは一つの廃屋の周りを走りまわり、弾を避けながら、ショボーンに話しかけていた。
「お、落ちつくモナ、話せば分かるモナ」
「ああぁぁああ!」
しかし、モナーの声も耳に入らない様子で、ショボーンはワルサーを撃ちまくっていた。モナーのすぐ横にあった廃屋の壁が、砕け散った。
―――何なんだモナ。ショボーン君はこんなことをする人じゃないはずだモナ。
疑念を抱きつつも今は逃げるしかなかった。このままでは一方的に殺される。何とか逃げなくては。
ぱん、ぱんという銃声はとどまる気配すらなかった。一時弾が切れたのか銃声が途切れたのだが、すぐにまた銃声が鳴り始めた。モナーは逃げればよかったと後悔しつつも次の弾切れを待っていた。
その時だった。東の方から誰かが走ってきたようだった。銃声を聞きつけた生徒だろうか?丸腰ではまずかった。武器がなければ、とにかくここは、まずい。
話し合いが無理だとモナーは判断した。とりあえず今は逃げて、デイパックを捨てた場所に戻るのが先決だった。話す前に撃たれちゃ何もできないモナ!
「やめなさい」
人影が叫んだ。やめなさい、ということはショボーンに言っているのだろう。しかし、ショボーンは突然その人影に向かって、撃った。ぱん、という音が違う方向に鳴った。
「やめなさい!」
人影がもう一度叫んだが、ショボーンの耳には入っていないようだった。モナーはとりあえず、ここから逃げなければいけないという考えでいっぱいだった。人影のことなど考えずに、ぱん、という銃声を合図に、南へと駆け出していた。
待ちなさい、と誰かが叫んだような気がしたが、モナーは逃げることしか頭になかった。一方的に撃たれた恐怖感で、話合いという考えが、頭からふっと、消えていた。
モナーは南へと駆け出した後、ぱん、ぱん、と連続して銃声が鳴ったのを聞いた。やがてその銃声は止み、聞こえなくなっていた。
ようやく静かになった島で、モナーはデイパックを見つけた。果物ナイフを箱の中に仕舞い、学生服のポケットの中に突っ込んだ。
気持ちが冷めていくうちに、さっきの人影は大丈夫だろうか、という考えが浮かんでいた。
そして、話し合いなんか無理なのか、という絶望感が、しだいに押し寄せて来ていた。モナーは、少し動いた先の茂みの中に、身を隠した。

【残り41人】

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 08:29 ID:bQKZ7f5r
ショボーンは、人影を確認したと同時に撃っていた。ぱん、という音と共におなじみの振動が右腕に伝い、ワルサーから弾丸が発射された。
しかし人影は、静かに腰を降ろし、軽々と避けていた。この反射神経は錯乱していたショボーンにとっても少々驚きのことでもあったが、仕留めていないと分かった時にはもう二発目を発射していた。
また、右腕に振動。しかし人影は右側へと走っていた。そしてその人影は、銃に矢がついたような―――ボウガンを手に持っていた。
ショボーンの目が見開かれた。その時にはもう、ヒュンという空気を裂く音と同時に、左腕にどつっ、という衝撃が来た。すぐに、激痛の波が押し寄せて来た。
「ぐあああああっ」
学生服に覆われた左の二の腕に、矢が刺さっていた。やがて学生服の手首のすそから、ぽたぽたと血が落ちて来ていた。ワルサーを落とした。
人影は、ショボーンにとどめを刺さず、闇へと姿を消した。残ったのは、左腕に矢を生やした、ショボーンだけだった。
何故こんな目にあわなければいけないんだ。何故みんなみんな僕を狙うんだ。何故、何故何故何故何故!!くそくそくそくそくそっ!!
恐怖感だけで覆われた頭では、既に考え自体もよくわからないものへとなっていた。狂気が完全に脳内を多い尽くすのに、そう時間はかからなかった。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・」
左腕に刺さった矢に手をかけた。そして力をこめると、一気にそれを抜いた。同時に血が噴き出し、ショボーンは歯を食いしばった。
「生き残るのは・・・はぁはぁ・・・一人・・・」
ぶつぶつと呟きながら、ショボーンは矢をデイパックの中へと仕舞った。ワルサーを右手でしっかりと掴むと、うつろな目のまま、獲物を探して、歩き始めた。
引き攣った口元からは、笑みがこぼれていた。

【残り41人】

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 15:39 ID:svxUvicW
『泣き虫』として、『弱虫』として、『変態虫』として生活してきた。
いつか,周りから噂が消えると思った。
いつか虐めが無くなると思った。
でも・・・考えが甘すぎた。
何度も死のうかと思った。
それでも僕がここまで生き続けられたのは、 生きる希望を失わずに居られたのは、あの人のおかげ。
だから・・・僕はあの人を探す為に生きる。生き続ける。
・・・このゲームに放り込んでくれたモララーに感謝すべきかもしれない。
僕はまだ教室に何人か残ってるうちに名前を呼ばれた。
あの子はまだ出ていない。教室を出ていない。
話していこうかと思ったけど、周りの兵士がそんな事を許さない。
だから僕はすぐに教室を出た。
それで・・・今もう教室を出たであろうあの子を探している。
あの子だって・・・僕が来るのを待ってる筈だ。
そうだよね・・・?しぃちゃん?

【男子5番】ウワァァァンは、エリアBの荒地を一人歩いていた。
自分の『希望』、しぃを探す為に。
ウワァァァンは学校でいつも虐められていた。
学校に来ては虐められ、休んでは嫌がらせの電話が何通も・・・
彼は、そんな毎日に自殺も考えていた。
いつまで立っても『泣き虫』、『弱虫』、『変態虫』というあだ名は消えない。
いっその事自分の人生ごと消してしまおう・・・そう考えていたのだ。
・・・でも、ある日休んでいた時かかってきた一通の電話が、僕の考えを改めさした。
多量のいたずら電話。送り主は『フェラーチョ』『フェラーチョ』『フェラーチョ』『フェラーtあああああああああああ
・・・何はともあれ、その『フェラー・・・』の羅列の中に一つだけ混じっていた。幼馴染で初恋の相手である『しぃ』の声が。
今でもあの時のしぃの声が頭に焼き付いている。
『ウワァァァン君最近学校に来ないですね。元気を出して学校に来てください。
先生や他のクラスメイトは貴方が来るのを待っています。だから、絶対に来てください。』

・・・しぃ。彼女も虐められていた。
・・・可愛い女の子だったけど、それがいけなかったのか彼女は虐められ、孤立していた。・・・僕ほどではないけど。
自分と同じ境遇の彼女は、いつも『自分だけじゃない』と言い聞かせるためだけの道具だった。
でも・・・あの電話一通で変わった。・・・しぃへの考えが。

好きなんだよ。あの子の事が。
あの顔、あの体、あの性格、全てが一瞬にして好きになったんだ。
可愛い、可愛い、好き好き好き
ねぇ、しぃ。僕と君は同じなんだよ。だから同じ同士つきあおうよ?一緒に傷を舐めあおうよ?
好きなんだよ、この気持ちは日増しに大きくなる。しぃの事を考えるだけで、股間に血が上るんだよ。
好きだ、好きだ、こんな変なゲームに投入されても君への思いは変わらない。むしろ大きくなる。
ねぇしぃ。僕だけを見てよ。孤立してるんだから同じ境遇の僕だけを見てよ。僕だけを・・・
しぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃしぃ
あの顔、あの体・・・すべて僕だけの物なんだ。僕の『希望』なんだ。
頭の中で君の体を触ると、現実の僕の手にちゃんとその触覚が伝わってくるんだ!柔らかい・・・!とても柔らかい。
僕は君の体の感覚をもう知っているんだ。だから・・・一つになりたい・・・身も心も今すgうっ、

僕は、もうこのゲームでの行動目的は決まっている。
そう。『希望』、しぃを探して一つになる為だ。
その後なら死んでも構わない。
・・・だから、僕は僕だけの『希望』を探す。探し続ける。

【残り41人】

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 17:18 ID:svxUvicW
僕は不良。
フェラーチョ親分や、ぼるじょあ、ネーノとつるみ、色々な悪事を働いてきた。
でも、僕は根っからの悪人では無いみたい・・・
・・・クラス内でのいたって『普通』な生徒、さいたま・・・モナー・・・おにぎり・・・君達が・・・眩しい。
ああ、僕も・・・君達と一緒に遊びたい。・・・でも・・・君達は僕を受け入れない。
理由は分かってる。『山崎は不良だ』というレッテルが貼られてるから。
・・・僕は君達の事を遠くから見てる事しか出来ないのかな・・・?

【男子21番】山崎 渉は、エリアEにある一つのビルに立てこもっていた。
右手には、彼の支給武器であるメリケンサックが握られている。
こうして一人になると、何故か「殺せ」過去のことを思い返してしまう。
彼は、親の性格のせいかで学校に入った当初から不良たちとつるんで来た。
教室に入るたびにフェラーチョ、ネーノ、ぼるじょあ、ギコ達がむかえる。
彼らは山崎の事をいっぱしの不良として迎え「殺せ」入れる。
だけど・・・山崎は不良仲間として見てもらいたくなかった。『友達』として見てもらいたかった。
・・・それに、万引きとか緊張して心が張り裂けそうになるのは山崎は嫌いなのだ。
学校では悪事なんて働かずに普通に生きていたい「無理だ」・・・普通に遊んでいたい・・・山崎はいつもそう思っていた。
故に・・・眩しかった。『普通』の生徒達が。(一部の変態虫や引きこもりは除いて
・・・「殺せ」そういえば、ギコは不良と『普通』とどっちとも仲良く付き合っているようだっけ。
・・・そんな芸当が出来る彼も、眩しい。

実際殺し合いなんて「殺せ」出来る筈が無いのだ。
相手は仮にも今まで一緒に釜の飯を食ったクラスメイト達。
そのクラスメイトを殺そう「殺せ」なんて・・・馬鹿げてる。
夜はふけ、視界が闇に閉ざされる。
蛍光灯は、ピシピシっ、とついたり消えたりを繰り「殺しちまえ」返してる。消えてしまうのも時間の問題なのだろうか。
山崎はふと窓の外を覗いてみた。
自分がいるこのビルの他に、幾数ものビルが立ち並んでいる。
このビルの向かい側にある「殺す事なんて出来ないよ」ビルはとても高い。・・・摩天楼という言葉がよく似合っているね。
空に吸い込まれてるかのように雲をつき抜け、天へと背伸びをしている。
このプログラムが実地される前はここでどんな生活があったんだろう。このビルを設計した人はどん「殺せ」な気持ちで設計したんだろう。
山崎は、マドから目を離し、床にへたり込んだ。
・・・尻が「殺せ」冷たい。
でも、そう感じられるのはまだ僕がマトモ「無理だよ」な証拠なのかもしれないね。・・・でもいつまで続く物か・・・

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 17:21 ID:svxUvicW
座っても、窓の外を覗いても、感傷に浸っても抑えきれない。
抑える事が出来ないこの考え。殺し合いゲーム、生き残れるのは一人だけ、モララーの言葉。
ああ、何をしてても考えてしまう。一たび考えるのを止めてしまうと

僕は生き残りたいんだもっと遊びたいんだだからみんなを殺さなきゃ
仲間だって関わりの無い奴らだって不良だろうが引きこもりだろうが
普通の奴らだろうが殺さなきゃ奴らの生活なんて関係ない大切なのは
僕だけそう僕だけだから殺す殺す殺すころすコロスコロスKOROSUkorosu
このメリケンサックでみんなみんな殴り殺して自分だけが生き残るんだ
出来れば殺したくないみんなでここを出たいでも殺さなきゃ僕が僕が
死ぬやらなきゃやられるころされるコロサレルああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああ
違う僕はみんなを殺したくないそうなんだ殺したくないんだよでも僕が、
ああ、どうすればいいんだ僕はどうすればいい何も出来ない何も出来ない
でも殺せばそう殺せば殺せ殺せ殺せ無理だよでも殺せ自分が可愛いんだから
みんなは赤の他人なんだだから殺せ名栗頃背嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼
嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼
嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼アアア嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚
呼嗚呼アアア嗚呼アアア嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!!!
僕は殺したくないんだよ!みんなが・・・クラスメイトが好きなんだ!だから・・・僕は人を殺せないんだよ!
山崎は、右手に握るメリケンサックをちらっと見やった。怪しく滑り輝いてる。
・・・くそっ、こんな物があるからだ!
山崎は、ビルの窓をガラッと開けると手からメリケンを外し、外へと、広大な闇へと投げつけた。
すぐにメリケンは見えなくなり、まもなくコツンという微かな物音が聞こえた。・・・いや、聞こえた気がするだけ?
何故か心の底から後悔が押し寄せてくる。そして・・・死の不安。
蛍光灯はいまだ消えたりついたりを繰り返してる。駄目だよ、まだ消えないで。
暖かい物が目の下を通っていく。
山崎はハッとそのモノを触った。・・・涙。
涙、涙、涙、特に意識はして無いんだけど自然に流れてくる。止めようとしても・・・止まらない。
目を瞑るたびに自分の死ぬ光景
怖い。怖い。死ぬかもしれない・・・死ぬかも・・・しれ・・・な・・・
ええい!もう迷うな僕!
そうだ。僕は殺したくないし死にたくもない。それでいいじゃないか。・・・だから・・・だから・・・?
そうだ。
脱 出・・・?

【残り41人】


29 :ノレ@|゚ ー゚ノ ◆E8Y5gFbllU :04/01/26 19:30 ID:X+OOjhLm
男子13番「ッパ」はエリア51からすぐ出た所。つまりエリアE(6−Dあたり)に居た。
(本当にクラスメイトで殺し合いなんかしなきゃいけないのかな…)
ッパは別にひっこみじあんでもないが特に目立っているわけでもない。いわば、モナーと同じフツウの生徒なのだ。

そのッパの支給武器は、ノートパソコン(FMV)だった。
(どうしようもないよ…)
ッパはなんとなく歩き出した。(こんぺいとうを食べながら。
歩きながら考えていた。
(生き残るための選択肢は三つある。一つはみんな殺してこの大会に優勝する。そんなことできるわけがない…。
 もう一つは脱出。出来るだろうか…きっと兵士が海も空も見張っているのだろう。
 あと一つは本部に特攻することだ。そうすればこの大会を破壊して終わらせる事が出来る。
 でも本部はみんなが出発したあとすぐに禁止区域になると言っていた。おそらくそれもムリ。
 この首輪さえなんとかできれば…)
 ッパは首に付けられた首輪に目をやった。
(あのモララーって人ははずそうとすると爆発するって言っていた。下手な事は出来ない。)
とりあえず外せなくてもいい。なんとか機能を麻痺させることはできないだろうか。
(禁止エリアに入っても爆弾を爆発させないように出来れば、仲間を集めて本部に特攻を仕掛けることができる。)
さらにッパは考えた。
(そのためには何が必要?意外と磁石を近づけるとこわれちゃったりして…。
 まてよ別に首輪をなんとかしなくてもメインコンピューターをなんとか出きれば…
 ウイルスメールを送るとか?どうやって送る?…あ、パソコン!)
たしかにその気になればパソコンでウイルスを送ることは不可能では無いかもしれない。だが、
(アドレスは?)
ッパは近くにあったビルに入り腰を落ち着けた。
(アドレス帳に誰かのアドレスが登録されてるかもしれない。)
フツウありえないが、BRの支給武器なのだからそんなのがあってもいいと思った。
(…あったモララーPC。…PCでいいのかな…?でも…)
なぜそうしたか解からない。PCでも多少のBRデータが入っていると思ったのか、ただモララーにちょっとした仕返ししたかっただけかも知れない。
そのアドレスにさっき探していたウイルスを送った。

しばらくすると、ッパのPC(支給武器)にメールがきた。
「ははは、少しは頭がきれる香具師がいるみたいだね。でもさっきのPCにウイルスおくっても無駄だよ。BRのデータは全てメインコンピューターが管理しているんだ
 そっちにウイルスを送れないと意味ないよ。(藁           モララー」
しかし、ッパにはわかった。確かにそのメールアドレスはさっき送ったものとはちがう。つまりモララーは高い確率でウイルスを踏んでいる。
(AABR担当官っていっても意外とおとぼけなんだね)

ッパがメールを送った頃のAABR本部
「お、久々にメールがきてる〜。なんだろな〜……ウイルスだぁぁぁぁ!!!……あはは…はぁ…」
ちょっと情けない感じのモララーはPCの前に座りメールを打ち始めた。
(ははは、少しは頭がきれるy(略 )

ッパは、ちょっと勝ち誇った気分でビルの中でPCを使いAABRのことを調べ出した。

30 :You must survive ◆QO6xxDyBVQ :04/01/26 19:38 ID:UP1ckEor
ウワァァァン(M5)
クラスの中でも孤立した存在で、毎日のようにいじめられていた(いじめていたのは恐らくフェラーチョ一味)。
仇名は「泣き虫」「弱虫」「変態虫」。
ある出来事が元でしぃに異常な愛情を持つ。
現在エリアBを移動中で、しぃを探している。
所持品は不明。
「・・・だから、僕は僕だけの『希望』を探す。探し続ける。」

ショボーン(M11)★
恐怖により錯乱し、やる気になる。
出発後にエリアEの南側のビルへ身を隠し、何者かの襲撃を受ける。
それからビルを出てモナーを襲い、彼を追いかけた先のD7でレモナと遭遇、左の二の腕を撃たれる。
所持品はワルサーP38と、ボウガンの矢一本。
「生き残るのは・・・はぁはぁ・・・一人・・・」
支給武器:ワルサーP38
某三代目怪盗の愛銃で、日本でも有名。
口径9mm、装弾数8。
既に30発近くは発砲していると思われるが、当たったのは一発、それも擦過傷。
ショボーンがそのまま所持。
資料↓
http://homepage2.nifty.com/flipflopflap/gamers/database/p38.htm

モナー(M20)★
殺し合いを拒み、脱出策を考えようとしている。
ショボーンに襲われるも、何とか逃走。置いてきた荷物も回収する。
現在位置はおそらくエリアD7周辺。所持品は果物ナイフ。
「何なんだモナ。ショボーン君はこんなことをする人じゃないはずだモナ。」

山崎渉(M21)★
不良。フェラーチョ、ネーノ、ぼるじょあとつるんでさまざまな悪事を働くが、根っからの悪人ではない。家庭が原因のようだ。
「普通」の生徒達と付き合う事に憧れている。
ゲーム開始後、エリアEのビルへ立てこもり、死への恐怖と殺人の禁忌から武器を捨て、脱出思考に。
所持品はなし。
「・・・僕は君達の事を遠くから見てる事しか出来ないのかな・・・?」
支給武器:メリケンサック
金属製で結構重量のある、手で握って殴る武器。
プロレスで使用される事があるとか。
山崎渉に支給されたが、彼は立てこもったビルの窓から投げ捨てた。
資料は・・・・これと言った物がありませんでした・・・・。

レモナ(F21)
モナーに好意を寄せている。モナーの性格を理解しており、それゆえに彼を守ろうとしている。
エリアC7で待機していたところ、錯乱したショボーンを発見。彼を追いかけて静止するよう勧告する。
それでも銃撃をやめないショボーンの左腕に、ボウガンを撃ちこんで立ち去る。
所持品はボウガン。
「やめなさい!」
支給武器:ボウガン
国際的にはクロスボウ。銃に弓矢を組み合わせたような武器で、引き金を引くと矢が飛び出す。
主なメーカーは英国のバーネット社。
競技用のものは日本でも購入でき、一般人もスポーツとして楽しむことができる。
支給されたものは恐らく狩猟用。
撃ったのはまだ一発だけで、ショボーンの左の二の腕を負傷させる。
支給されたレモナがそのまま所持しているが、ショボーンが自分自身に撃ちこまれた一本をバッグにしまっている。
資料は・・・・すみません、いいのがありませんでした・・・・。

31 : ◆QO6xxDyBVQ :04/01/26 19:39 ID:UP1ckEor
すいません・・・・。ミスりました・・・・。

32 :流星 ◆XlCwCSrTaU :04/01/26 20:56 ID:UWga8qlf
―――「殺人」・・・「子供虐待」・・・なぜだろう・・・最近は本当に物騒だ・・・
メモラー(男子19番)は、支給武器の拳銃・コルト・ガバメントを力強く握り、まだ建設途中であろうビルが立ち並ぶエリアCの中心部を歩いていた。
彼は日常の生活をいつもビクビクしながら、生きている。それもそのはず・・・彼は幼いころから父親に虐待を受け、いつも冷たい目で見られ、育っていった。
なぜだか自分でもわからない。母さんはいつも父さんが僕を殴るのを、いつも見てみぬ振りをしていた・・・なぜ僕が殴られなきゃいけないの?そんな思考が小さい頃の自分の頭を駆け巡っていたのを今でも覚えている。
メモラーは着ている学生服を脱ぎ、まだ鮮やかに残っている自分の肩の切り傷を見つめた。
―――ああ、この傷は・・・あれだ・・・僕が小学校5年10歳の時だっけ・・・
ちょうどあれは彼が小学5年の時・・・彼は酒で酔った父親にその日今までで、最悪の虐待を受けた。蹴る、殴る、それはいつもの事。しかしその日、父はかなり酔っていたのか、こともあろうかに、果物ナイフで自分の肩を切りつけてきたのだ。
あのときの痛みを今でも覚えている。確か手当ては―――してもらっただろうか?そこらへんはよく覚えていない。
でも、あの恐怖だけは何年もたった今でも覚えていない。彼はこの世界がかならず平和になると思っていた。
しかしその期待は見事に裏切られた。このゲームによって、もう嫌だ・・・
その時彼は思った。
―――殺ってやる!そう言うなら殺す!

彼は狂ったように拳銃を握り、その場を動いた。

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/26 21:37 ID:8+Vv3M/b
【男子2番】アヒャは、ゲーム開始後しばらく走った後、D−6で立ち止まった。

アヒャは、学校ではちょっと変わった奴というキャラだった。
常にアヒャヒャヒャヒャと笑っていて、何を考えているか分からない。
運動はできるし成績も平均的だが、その平均は極端に良い教科と極端に悪い教科の平均の結果。
それが、クラスメイトたちのアヒャに対する認識だった。
だが、彼には裏の顔があった。
最近AAサロンで無差別連続殺人事件が発生していた。
被害者は年齢、性別、種族、職業と全く共通点が無く、犯人に対する手がかりは皆無。誰もがその事件に震え上がった。
分かっていることは、事件は人気の無い裏路地などで起こっていることと、凶器が刃物であるということだけだった。

そう、アヒャ、彼こそがその事件の犯人だったのである。
アヒャは普通に学校に通い、暇になると街に繰り出した。そんな時、誰かと会うと、包丁で殺害していた。そして何事も無かったかのように家に帰り、次の日も普通に登校していた。
理由は、殺したかったからだ。アヒャ族の本能か、それ以上の理由はなかった。
そんな日々を続けるうち、この殺人ゲームに放りこまれたのだった。

アヒャはしばらく呼吸を整えた後、考えた。これから何をすべきか?
考えるといっても、彼の頭の中では意味不明な映像が言葉が渦巻いているに過ぎないが、大体以下のようなことを考えた。

敵は41人。いくら俺が刃物の扱いが得意だからといっても、この人数は無理だ。
俺は死ぬな。間違いなく。万が一生き残れても、俺が殺人犯だということは確実にばれる。そうしたらブタ箱行きだ。
ならば、楽しむまでだ。自分が死ぬまでに出会った奴は皆殺しだ。殺す殺す殺す殺す・・・。

その狂った頭の中で、どうにか考えをまとめたアヒャは、自分の鞄を開いた。
(ちなみに、支給された鞄はエリアEに入ったあたりで開いてみた。中にはロケットランチャーが入っていた。
勝利を確信したが、弾が見つからない。必死で探すと、紙切れが一枚入っていて、こう書かれていた。
『こっち攻撃されたら話しにならないから、弾はありません。まぁ、脅したり殴ったりはできるからな!頑張れよ!』
腹が立ったのでロケットランチャーは投げ捨ててきた。)
取り出したのは、牛刀だった。これは彼がネオむぎ茶に憧れて使い始めたもので、今までの犯行には全てこれを使ってきた。
秋の月をその刃に映し、鈍く輝く牛刀を握ると、彼は狂った笑みを浮かべ、笑い出した。
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
甲高い奇声はかなり遠くまで響き渡るはずだが、最早彼にはどうでもよかった。
最早彼の頭には「殺す」と言うこと以外、クラスメイトへの情や、死への恐怖さえ、無かったのだから。

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/27 06:39 ID:wRte9iOs
腕時計を見た。安物のデジタル時計は「AM 3:40」で点灯していた。もう全員が出発した後であり、島にはどんな奴がいるかわからない。
そろそろ夜も明ける。昼になったら更に人目につくことになるだろう。だが、気にしてはいられない。しつどこで、彼女が襲われているかわからないからだ。
廃屋だけが転々と立ち並ぶエリアA、地図で言うとおおよそB-3辺りになるだろうか。廃屋の中にいるのなら厄介だが、今まで特に生徒は見つけられていない。
スポーツバッグの中から修学旅行で必要になるであろうと持ってきた煙草の箱を取り出し、ライターで慎重に火をつけた。
もちろん彼は未成年なのだが、煙草ぐらい、どうでもいいだろう。人目がつかなければ他人に害はないのだ。
煙草をふかしながら廃屋の玄関先に座った。丸見えだが、その間に彼女がここを通過してしまったら厄介だ。
彼はクラス内では「不良」というレッテルを貼られていた。それも合っているだろうが、フェラーチョ(男子17番)の軍団に入っているわけではなかった。
入っているという勘違いを抱く生徒もあるが―――結局喧嘩とか一般とはズレた行動をよくやるので不良には間違いないのだが。
クラス内でもレッテルのためか話しかけてくる生徒は少なく、彼自身も生徒達に興味はなかった。友達というのも欲しいわけではなかったし、かえってそれは好都合だった。
だが、一人の生徒だけは違った。名前はモナー(男子20番)と言う奴だ。いきなり話しかけてくるんで驚きもしたが。
噂話などで人の評価を下さないらしく、それは彼にとって唯一の男友達となっていた。話が合うとかそういうのではなかったが、こちらの愚痴や何やらは一生懸命聞いてくれる、いいやつだった。
モナーはどこにいるんだろうか。あいつのとこだから、味方でも捜してるのだろうが、今は無事を祈るしかない。
もちろんできれば一緒に行動したい。間違ってもモナーは人を殺すようなタイプではないから、信用できるだろう。だが今は、違う人物を探すのが先だ。
短くなった煙草を地面におしつけ、靴底で踏み潰した後、再び彼は歩き始めた。
―――彼女のことを今思い出すと、どこかで怯えていないかという心配がある。誰かに襲われていないかという心配がある。
彼女も他人を傷つけるような女ではない。狂い出すような女でもない。これでも幼稚園からの腐れ縁だ。
家も近かった、一緒に遊んだこともよくあった。それは彼にとって、たった一人の女友達であり、たった一人の大切な人だった。
こんな広い島の中で、会えるだろうか。いや、会ってみせなければいけない。今なら言える。そして彼女を、命にかえても守らなければいけなかった。
エリア51を出た後、もしかしたら彼女が待っているという思いもあったが、そこには誰もいなかった。混乱しているのか、はたまた自分のことなど頭に入っていないのか。それはどちらでもいい。
支給武器の日本刀をベルトの横にはめて、来たる敵が来たらいつでも倒せるように集中しながら歩いた。こんな所で、彼女に会うまでは死ねない。
学校内でも彼女は孤立していたし、友達はあまりいなかっただろう。だからこそ怯えている、震えているはずなのだ。
優しく、美しく、まさに彼にとっては花のような存在だった。彼にとってのすべてだったと言っても、過言ではない。彼の目的は、彼女に会い、思いを伝え、そして彼女を生き残らせる。
ギコ(男子7番)はしぃ(女子6番)を探すため、北上して行った。

【残り41人】

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/27 15:23 ID:CYHe7uJ2
女子1番】あめねこは、エリアCのF4エリアをさ迷い歩いていた。
あめねこは、クラスでは、特に目立たず特に成績がいいわけでもなく特に運動が上手いわけでもない普通の女学生だった。
しかし、彼女は別にそれをなんとも思わず、ただただ楽しく生きていければいい、と思っていた。
不良ども・・・目立ちたがり屋・・・変態蟲・・・そんな奴らとは一切関わりを持っていない。
あめねこは、自分と同じような立場の生徒と毎日同じように遊び、話していた。
毎日が同じ事の繰り返しで、そのまま学生生活が終わると思っていた。というか、終わってほしかった。

・・・そしてこのゲーム・・・だ。

支給武器は拳銃・・・説明書は長ったらしくて読む気がしない。(H&K MP5K という種類の拳銃だ。
生き残れるのは一人だけなのだ。他の生徒達と、仲の良かった生徒と生き残るのは無理だということである。
・・・つまり、いやでも人を殺さなければいけないという事だ。・・・そんなことできるはずが無い。
彼女はただの目立たない生徒。彼女は分かっていた。自分が目立たない事くらい。
家の中で読んでる漫画の中には、目立つキャラが一番活躍している。それは当たり前の事だ。
当たり前のように、脇役は、目立たない者は最後まで脇役で、目立たないでその役を終えている。
つまり、単なる目立たない自分が生き残る事は無理なのだ。
もしこれが映画かなんかだったら『目立たない』私は真っ先に殺されるであろう。・・・セオリーだ。

・・・でも、いやだ。殺されるのはいやだ。
痛い事は嫌いだ。大嫌いだ。
だから死にたくない。出来ることなら痛みを味わわずに死にたい。でもそれも無理だ。
だからってこんな武器ではどうすることも・・・ああ・・・
私はどうする事も出来ないの・・・

あめねこは、石段に腰掛けながら一人泣き濡れた。
時刻は4時。季節が夏ならばもう日は上がっている頃だ。
しかし、季節は冬。夜の風があめねこを叩きつける。
怖い・・・寂しい・・・せめて・・・誰かがいてくれたら・・・誰か・・・

「そこにいるのは・・・あめねこ・・・じゃねぇの?」
あめねこはビクっ、と体を振るわせた。
そして、声のする方向に身なりだけでも銃を向けた。引き金には手がかかっていない。
「だ、だれにゃ?う、うう、撃つわよ!」
あめねこは声を張り上げた。
そして、銃を上下にブンブン振った。
それを無視して人陰がこちらに近づいてくる。
一歩一歩近づいてくるたびに心臓の鼓動が早くなる。
「大丈夫。・・・僕だよ。あめねこ。」
あめねこは、その声で、その人陰が誰なのか理解した。
ああ、彼は・・・この透き通った声の彼は・・・
フェラーチョ一味の子分の・・・ネーノ?
そう。そこにいた彼は【男子15番】ネーノその人であった。

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/27 15:24 ID:CYHe7uJ2
ネーノとあめねこは、とある廃ビルの中で腰を落ち着けていた。
そして二人楽しく談笑している。
「・・・ネーノ君がいてくれるなら安心にゃ。だってネーノ君性格もよさそうだし・・・
それに噂によれば空手とか凄いらしいじゃん?」
あめねこが笑いながら言った。
「うん。そうなんじゃねぇの?・・・お・・・いや、僕は子供の頃から格闘技を習わせられてたんだ。
空手、柔道、テコンドー。」
「テコンドー?」
あめねこが目をぱちくりさせる。
「そう。親の友達にテコンドーの師範がいてね・・・親のツテで通うようになったんだ。そのテコンドー教室に。」
あめねこが関心したように「へぇ」と唸る。
「それで、柔道は県大会レベルまで上達したし、テコンドーもそれなりに・・・それで空手は全国大会に出場出来る位になった。」
ネーノがさらっと言う。
「え、え、え、全国大会!?ネ、ネーノ君すごいっ!」
あめねこが目を輝かせながら言った。身内にそんな凄い人がいる、という事に驚き、興奮していた。
ネーノは照れたように「そ、そうなんじゃねぇの?」とだけ言った。
「で、ネーノ君今も続けてるにゃ?空手とか、テコ・・・とか。」
「続けてないよ。・・もう必要無いと思ったから。」
ネーノがあっさり言うと、あめねこは「そうなんだ・・・」といって顔を俯かせた。
しばらく沈黙が流れる。
「・・・でも、俺はフェラーチョが怖い。」
ネーノが呟くように言った。
「え?」とあめねこが言う。
「もしこのゲームであいつに出会ったら・・・僕はすぐに殺されるちまう。あいつは・・・とにかく怖い。」
ネーノが自嘲気味にハハ、と笑う。
あめねこには分かった。・・・本当にこの人はフェラーチョを怖がっているんだと。
ネーノの横顔。
闇でよく分からないが、寂しげな・・・表情。
「大丈夫。」
あめねこが言うと、ネーノは「え?」といってあめねこの方を向いた。
「大丈夫だよぉー。もしフェラーチョなんかに出会ったら私が守ったげる!」
あめねこが勇気をありったけ振り絞りながら言った。
・・・実際フェラーチョは怖いんだけど・・・
「・・・ありがと。」
ネーノは口元に笑みを浮かべながら照れくさそうに言った。
あめねこはそのネーノの横顔をじっと見る。
と、ネーノが突然あめねこの方を向いた。
目が合う。ちょっとドキドキ。
「そういえば、あめねこの支給武器、何?」
ネーノが静かに言った。
あめねこは、「これだよー」と言ってネーノに武器の拳銃を差し出した。
ネーノのが拳銃を掴む。そして撃つ真似事をしてみせた。
「これ・・・私よく使い方分からないし・・・ネーノ君が持っててくれない?」
あめねこが照れくさそうに笑いながら言った。
「使い方分からないの?」
ネーノが言う。
「うん。」
あめねこがきょとんとした表情で頷いた。
ネーノが自嘲気味にハハ、と笑う。
「これは・・・たぶんこうやって使うんじゃない?」
ネーノはそう言うと、安全装置をパシッとはずし、そのままあめねこの腹部へと銃を向けた。
「え?」
ドン

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/27 15:25 ID:CYHe7uJ2
あめねこの腹部を銃弾が貫通した。
あめねこは、「ぐふっ」と唸り、そのまま地に突っ伏した。
そして、ネーノがそのあめねこの眉間に再び銃口を合わせる。
「な、なんでなの・・・?ねーの・・・くん・・・!こんなことするならなんで私にわざわざせっしょくしたの・・・よ!」
あめねこが苦しそうに言う。いや、苦しそうにじゃなくて苦しいんだ。
あめねこの口からガボガボと血が漏れる。
「いや・・・ちょっと自慢がしたかったし、それに手の平サイズの銃がほしかったんだ。
・・・もし君があの時銃を構えてなかったら僕はそのままどこかへ言ってたんじゃねぇの?」
あめねこはそれを聞いた途端とても悔しい気持ちになった。
くそっ・・・このまま・・・馬鹿みたいに死んじゃうなんて・・・それに、それに、
「あなたを一瞬だけでも好きになった私がばかだった。」
「全くだね。」
そして、また 銃声。

ネーノは、腹部と眉間に穴が開いたあめねこの死体を見据えながら呟いた。
「あめねこ・・・俺はフェラーチョが怖いって言ってたけどそれは真っ赤な嘘だよ。
・・・ただ、俺はあいつが憎かったんだ。・・・色々な意味でね。」
ネーノはそう呟くと、返り血をふき取り銃を腰にすえ、また何処かへと足を進めた。

【残り40人】

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/27 15:36 ID:CYHe7uJ2
>>35の23行目は冬じゃなくて秋に脳内変換しておいてくらはい。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/27 17:24 ID:CYHe7uJ2
何か優遇気味だから微妙に修正voidddddddddddd

ネーノとあめねこは、とある廃ビルの中で腰を落ち着けていた。
「・・・ネーノ君がいてくれるなら安心にゃ。だってネーノ君性格もよさそうだし・・・
それに噂によれば空手とか凄いらしいじゃん?」
あめねこが笑いながら言った。
「うん。そうなんじゃねぇの?・・・お・・・いや、僕は子供の頃から格闘技を習わせられてたんだ。
空手、柔道、テコンドー。」
「テコンドー?」
あめねこが目をぱちくりさせる。
「そう。親の友達にテコンドーの師範がいてね・・・親のツテで通うようになったんだ。そのテコンドー教室に。」
あめねこが関心したように「へぇ」と唸る。
「それで、柔道は県大会レベルまで上達したし、テコンドーもそれなりに・・・それで空手は全国大会に出場出来る位になった。」
ネーノがさらっと言う。
「え、え、え、全国大会!?ネ、ネーノ君すごいっ!」
あめねこが目を輝かせながら言った。身内にそんな凄い人がいる、という事に驚き、興奮していた。
ネーノは照れたように「そ、そうなんじゃねぇの?」とだけ言った。
「で、ネーノ君今も続けてるにゃ?空手とか、テコ・・・とか。」
「続けてないよ。・・もう必要無いと思ったから。」
ネーノがあっさり言うと、あめねこは「そうなんだ・・・」といって顔を俯かせた。
しばらく沈黙が流れる。
「・・・でも、俺はフェラーチョが怖い。」
ネーノが呟くように言った。
「え?」とあめねこが言う。
「もしこのゲームであいつに出会ったら・・・僕はすぐに殺されるちまう。あいつは・・・とにかく怖い。」
ネーノが自嘲気味にハハ、と笑う。
あめねこには分かった。・・・本当にこの人はフェラーチョを怖がっているんだと。
ネーノの横顔。
闇でよく分からないが、寂しげな・・・表情。
「大丈夫。」
あめねこが言うと、ネーノは「え?」といってあめねこの方を向いた。
「大丈夫だよぉー。もしフェラーチョなんかに出会ったら私が守ったげる!」
あめねこが勇気をありったけ振り絞りながら言った。
「・・・僕は不良だよ?なのに君は何でそんなに怖がらないで入れるのかな?」
ネーノが怪訝そうにたずねる。
「だってぇー、不良の中でもネーノ君は大人しいし・・・煙草も吸わないじゃん?
いや、だからそれだけって訳でも無いんだけど・・・まぁ、その・・・ねぇ。
それに完璧に悪い奴だったら私を見たとたんに殺すだろうし・・えと・・・何なんだろう。」
あめねこがしどろもどろになりながら答えた。
「・・・ありがと。」
ネーノは口元に笑みを浮かべながら照れくさそうに言う。
あめねこはそのネーノの横顔をじっと見る。
と、ネーノが突然あめねこの方を向いた。
目が合う。ちょっとドキドキ。
「そういえば、あめねこの支給武器、何?」
ネーノが静かに言った。
あめねこは、「これだよー」と言ってネーノに武器の拳銃を差し出した。
ネーノのが拳銃を掴む。そして撃つ真似事をしてみせた。
「これ・・・私よく使い方分からないし・・・ネーノ君が持っててくれない?」
あめねこが照れくさそうに笑いながら言った。
「使い方分からないの?」
ネーノが言う。
「うん。」
あめねこがきょとんとした表情で頷いた。
ネーノが自嘲気味にハハ、と笑う。
「これは・・・たぶんこうやって使うんじゃない?」
ネーノはそう言うと、安全装置をパシッとはずし、そのままあめねこの腹部へと銃を向けた。
「え?」
ドン


40 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/27 17:30 ID:CYHe7uJ2
二つ目

あめねこの腹部を銃弾が貫通した。
あめねこは、「ぐふっ」と唸り、そのまま地に突っ伏した。
そして、ネーノがそのあめねこの眉間に再び銃口を合わせる。
「な、なんでなの・・・?ねーの・・・くん・・・!こんなことするならなんで私にわざわざせっしょくしたの・・・よ!」
あめねこが苦しそうに言う。いや、苦しそうにじゃなくて苦しいんだ。
あめねこの口からガボガボと血が漏れる。
「いや・・・ちょっと自慢がしたかったし、それに手の平サイズの銃がほしかったんだ。
・・・もし君があの時銃を構えてなかったら僕はそのままどこかへ言ってたんじゃねぇの?
・・・あと、あめねこ・・・僕はフェラーチョが怖いって言ってたけどそれは真っ赤な嘘だよ。
・・・ただ、僕はあいつが憎かったんだ。・・・色々な意味でね。」
あめねこはそれを聞いた途端とても悔しい気持ちになった。
「あなたのいった事、どこからどこまでが嘘なの・・・?」
あめねこが擦り切れた声で言う。
「ほとんど嘘。僕は空手なんて習ってない。柔道もだ。テコンドーは本当だよ。」
ネーノが言う。
・・・こいつ、私をずっと騙してたんだ・・・まったく、私って馬鹿みたい・・・
くそっ・・・このまま・・・馬鹿みたいに死んじゃうなんて・・・それに、それに、
「あなたを一瞬だけでも好きになった私がばかだった。」
「全くだね。」
そして、また 銃声。

ネーノは、腹部と眉間に穴が開いたあめねこの死体を見据えた。
しばらくして、ネーノは返り血をふき取り銃を腰にすえ、また何処かへと足を進めた。

【残り40人】


41 :ノレ@|゚ ー゚ノ ◆E8Y5gFbllU :04/01/27 20:51 ID:4ryEqMAJ
>>29の続き。やばかったら29もろとも却下してください。

ッパはAABRの事をインターネットで調べていた。
しかし、でてこない。ググッっても、どこで探してもだめだ。出てくるのは漫画、映画のBRだけだ。
ちょっと焦っている自分を感じ取り、おちつくお菓子をたべる。

ッパは、無意識の内に既にゲームに参加する気がうせていた。彼にあるのは、「脱出」「特攻」の二つしかなかった。
別に堅く決心した訳ではない。もうゲームを潰すこと、ゲームから逃げることしか考えていない。

今回モララーにメールを送ってみて何も収穫がなかったわけじゃない。
メインコンピューターをなんとかすれば首輪が作動しなくなることがわかったし、ついでにモララーがおとぼけってことも解かった。
でも…
(メインコンピューターってどうすれば壊せるのだろう…)
やっぱりこの首輪をなんとかする方がいいのか…
しかし「爆発します。」というモララーの声が頭の中を駆け巡った。
ッパにはここまでが限界だった。元々機械に強い方じゃないし、頭が良い方でもない。ッパはだれか機械に強い人を思い出そうとした。
しかし、先輩の流石兄弟しか出てこなかった。当然兄弟は同じクラス、学年ではないので、このプログラムには参加していない。

どうする…。もしものすごいメカオタがいても、このゲームにやる気になっているなら意味がない。自分の身が危ない。
(やっぱり信じられるのは自分だけなんだろうか…)
と、いっても、自分だけでは何もしようがない。それは解かっている。本当に心の底から信頼できる人。そんな人はいないだろうか。
別に機械おんちでもいい。信頼できそうな人は…。
モナー、ギコ、しぃ、ショボ、イマノウチ、右。思い当たる人は全て考えてみた。しかし、誰も心の底から信頼する、ということができない。
それがこのゲームの恐ろしさである。周りの人間はすべて敵。すべて殺人対象なのだ。
「信じなければなにも始まらないよ」
声にだして自分に言い聞かせた。

これからどうするここにずっと隠れていれば、優勝することはできるかもしれない。だが、ッパの目的は優勝ではなく、できるだけ多くのクラスメイトといっしょに帰ることだ。
しかし、この廃ビルから今でるのは危険すぎる。自分の支給武器はパソコン。それなりに役にたつかもしれないが、武器としては役立たずだ。
これでも足の速さには自身がある。あいての武器がナイフとかだったら逃げることができる。しかし、銃をもってたりしたらかなり危ない。
ここは早めに行動を起すべきか、ここで待機すべきか、ッパは迷った。そして決めた。
「ここを出よう…」
自分と同じ考えの人に会えるかも知れない。そうゆう考えだ。
するとッパはノートパソコンをデイバックに入れ、立ち上がり、廃ビルをあとにした。

【残り40人】

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/28 08:33 ID:srhN4zNG
みるまら(女子13番)は会場の北、D-2にいた。Bエリアは荒地になっているというのは地図に書いてあったが、このD-2辺りは少々地形が高くなっていて、木が幾つか生えていた。
しかし、会場を仕切る高圧電流の柵はちゃんと隙間なく設置されていて、ここからの脱出は無理だということは明らかであった。
―――逃げられないのか?私は死ぬのか?
学校内でも不良と言われ、フェラーチョ(男子17番)のグループに入っていていじめなどを繰り返してきたみるまらにとっても、殺人という壁くらいはあった。
逃げられないという絶望感に浸りながらも、脳内では別の考えが入ってきていた。優勝。優勝だ。優勝できればここから抜けられる。
―――いやダメだ。いくら命賭けとは言え、人殺しなどできるものか。次の策を考えなければ―――
ふと、デイパックをまだ開けていないことに気付いた。
みるまらは武器が入っているというデイパックをごそごそとあさった。パン、水などを掻き分け、ごついものが手に当たったのはその時だった。
それを引っ張り出してみると、なかなかの重量で、黒い箱に取っ手をつけたような無骨な何かであった。何だこれは?
もう一度デイパックの中をあさると、説明書らしき折り畳まれた紙と、もう一つ、何かの袋が入っていた。中には、金属製の質感のものが、いくつも入っていた。
まさかこれは、銃――――
そう思ったみるまらの頭の中に、優勝という二文字がまた入ってきた。銃だ。銃さえあれば―――
しかし、またも殺人という壁がみるまらの頭の中に立ちはだかった。このままでは同じ事を繰り返すだけだ。
何とか、仲間を見つけて恐怖をなぎ払わなければいけない、とみるまらは考え、その黒い箱に弾も入れずに歩き出した。

【残り40人】

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/28 08:35 ID:srhN4zNG
地図の扱いは苦手なので高圧電流の柵を目印に、みるまらは歩いていた。自分の予想通りなら、ここはB-2かB-3辺りになるはずだ。
道中に人はいなかった。まず歩いて、人を見つけなければ―――
みるまらの目に何かが留まった。何かが動いた。しばらくして、がさっという草を鳴らす音がみるまらの耳に届いてきた。
心臓が跳ね上がると同時に安心感もあった。一緒に行動できるという仲間が必要だったからだ。誰でもいい。男子でも女子でも―――
みるまらは懐中電灯を取り出して音がした方に向けた。すぐに、セーラー服の人影が見えた。女子だ。
「誰?」みるまらが聞いても、人影は何も言わなかった。おかしい、とは思ったがもう一度念を押した。
「誰?あたしはみるまらよ。一緒に行動しない?」
よくいじめているしぃ(女子6番)やでぃ(女子9番)だったら少々厄介だと思ったが、この際わがままは言っていられない。
返事はなかった。変わりに人影は近づいてきて、懐中電灯にその顔が照らされた。あれは―――ぁゃなみレイ(女子3番)だろうか?
いつも無口で、友達なんていないような生徒だった。というかぁゃなみ自体生徒には無関心なのかも知れない。まあ成績優秀ということで名は通ってる方だろうが。
誰でもいいのだ。仲間が欲しかった。
「ぁゃなみ?」
念を押した。返事はなかった。みるまらは変な感じを抱きつつも、近づいてくるぁゃなみレイは了承したんだ、と思った。安心感が出てきたその時―――
既に1m前くらいの所にいたぁゃなみが、急に走りだし、みるまらに突進した。いきなりのことで何が何だか分からなかったが、胸に襲ってきた激痛で、何が起こったか分かった。
「ぐうっ」
みるまらはうめくと、体をくの字に折り曲げた。左胸にはどこにでもあるような文化包丁が突き刺さっていて、セーラーを染めていった。
―――何なんだ、何なんだあれは、無抵抗の人間にいきなり刺すなんて―――
こんなことを思っている間に、急激に胸が苦しくなっていくことが分かった。致命傷だという事は、自分でも分かっていた。みるまらが咳き込むと、口から赤い霧が噴き出した。
視界がかすんで行くのが分かった。自分は死ぬのか、もうダメなのか。ゆっくりと視界を動かすと、ぁゃなみの顔が視界に入った。ぁゃなみは奇妙に、無表情のまま、立っているだけだった・
声も発することもできないまま―――みるまらの意識は落ちた。ぁゃなみは、ずっと無表情のまま、みるまらが動かなくなったのを見ると、横に落ちた黒い箱を取った。少々血がついていたが、ぁゃなみはみるまらのデイパックから弾を取り出し、自分のデイパックに移し替えた。
彼女は感情をあまり持たない人間だったし、言われたことをやることしか頭にはなかった。学校に行けと言われたら学校に行く。勉強をしろと言われたら勉強をするような、ロボットのような生活だった。
ぁゃなみはその生活の中で不満を感じることがなかったが、同時に喜びなどというものも感じなかった。ぁゃなみ自身でも、その辺りはよく分かっていないことであった。
とりあえず今の目的は、殺し合いをしろと言われたから殺し合いをするだけ―――それだけであった。
みるまらの体に突き刺さった包丁を抜き、デイパックに包丁を仕舞うと、弾を入れた黒い箱―――イングラムM11を持ち、その場を後にした。

【残り39人】

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/28 17:24 ID:+Kl9q0Gk
ガナー【女子4番】は迷っていた。
ガナーの手にはサバイバルナイフが握られている。
銃を持った相手には敵わないだろうが、近くにいる相手に対しては十分殺傷能力があるような、大振りの刃物だ。
ブレードの部分は黒く塗られ、光を反射しないようになっている。
ハンドルは革製になっており、もし雨が降っても滑らないようになっているのだろう。
実用的なナイフ。
人殺しのための、ナイフ。
ガナーはハンドルをきつく握り締めながら、前方を見た。
闇の中に見え隠れする、小さな背中。
癖のある歩き方は、小さな時に患った病気の後遺症だと聞いている。

――いじめられっこのでぃ【女子9番】だ。

でぃはふらふらと何もない荒野をデイパックを重そうに背負いながら歩いていた。
ガナーはその背中を睨みながら地図を取り出した。
片手で苦労して広げる。
……現在地。
高層ビルが立ち並ぶエリアは先ほど通り過ぎた。
それからまだ数分も歩いていないから、ここはD-4かE-4なのだろう。
耳を澄ますと波の音が聞こえることから考えると、E-4の東の方だというのが正しいのだろうか。
もっと早くに地図を広げておけばよかった。
ガナーは地図を畳むのももどかしく、脇にはさんで再びナイフを両手で構えた。
ガナーの頭に再び先ほどの迷いが蘇る。
――彼女に話し掛けるか、否か。
ガナーは会場に出てすぐ、仲間を集めようと考えた。
しかし、入り口でづー【女子8番】に話し掛けそびれ、その後姿を追っているうちに見失ってしまったのだ。
見失い、当てもなく歩いているうちにでぃの後姿を見つけたのだ。

――どうする?どうすれば……

でぃは不良グループに属しているわけではない。
寧ろ大人しすぎて、みるまら【女子13番】あたりに苛められているほどだ。
積極的に人を殺そうなどと思うような娘ではないはずである。
でも。
ガナーはでぃのことを何一つ知らなかった。
苛められても、何一つ言い返さない少女としか認識していなかったのだ。
しかし、彼女がそれだけの、大人しいだけの人間であるかということは分からない。
ひょっとしたら、裏では相当悪いことをしているのかもしれないし、
苛められる腹いせに猫や犬を殺すような残虐な奴かもしれない。
そうでなくても、このゲームに参加させられたことによって日頃の恨みを晴らそうとしているのかもしれない。
自分を苛める本人達や、苛めを知っていても助けすらしてくれないクラスメート達への恨みを。
……そう考えると、でぃに仲間になってもらおうと考えるのは止めておいた方がよいような気がしていた。
このままでぃを見送り、づーを探そうか。
そう思い、ガナーは立ち止まった。
突如、激しい風が吹いた。

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/28 17:25 ID:+Kl9q0Gk
「……きゃあっ!」
地図が風に巻き上げられそうになり、ガナーは思わず声をあげてしまった。
しまった。
そう思い、口を抑えたがもう遅かった。
闇の向こうの影が、こちらを振り向くのが分かった。
苛めや、病気のせいで傷だらけの顔がこちらを向く。
「……誰?」
「……い、いやぁあああああっ!!」
ガナーは踵を返し、駆け出そうとした。
踏み出した足が石ころに躓く。
あっと叫ぶまもなく、ガナーは足首を捻りながらこけてしまった。
足首の痛みに顔をしかめる。
ひょっとしたら捻挫してしまったかもしれない。
さくっと固い砂のような土を踏む音が聞こえた。
でぃだ。
「や、やだっ!来ないでよー!」
「……」
ガナーは立ち上がれないまま、ナイフを振り回して叫び続けた。
早く何処かに行ってよ。
しかし、でぃは立ち去るどころか尚も近づいてくる。
「来ないでって言ってるじゃない!」
ガナーはナイフをでぃに向かって突きつけた。
その手に、何か小さな抵抗を感じる。
「痛……」
でぃの小さな声に、ガナーははっと目を見開いた。
見ると、ガナーのナイフがでぃの腕に傷をつけている。そこからは少量ながら血液が流れていた。
「ご、ごめ……」
「……いいけど」
真っ青になるガナーにあっさりとそう言い放ち、でぃはしゃがみ込み、ガナーの目を見た。
でぃは顔に何の表情も浮かべていない。いつも教室で見る顔。
それを見てガナーは少し冷静さを取り戻した。
「なんで、私の後をついてきたの?」
初めて聞くようなでぃの長い言葉に――いつも精々「はい」だの「いいえ」だの言うだけだった――少し驚きながらも、ガナーは答えた。
「仲間が欲しかったの。一人は色々と怖いし」
「そっか……。確かに怖いね」
ガナーは少し意外に思った。
でぃも矢張り、一人が怖いのか。
ガナーの胸にもやもやと何かが広がっていく。
安堵のような、不安のような、それらが入り交ざった暖かい気持ち。
怪我を負わされても文句一つ言わないなんて、この娘は悪い子じゃないのかな。私が難しく考えすぎていただけだったのかもしれない。

気付いたら、口を開いていた。
「あのね、もし良かったら仲間になってくれない?」
でぃは少々呆気に取られたような顔をしている。
当然だ。いきなり友人でもない奴にこんなことを言われたんだから。
「……迷惑、かな」
ガナーはやっとそれだけを言った。
迷惑だろう。怪我を負わされた相手から、こんな虫のいいことを言われるのは。
でぃの口が数度何か言いたげに動く。顔がほんの少し高潮しているようにも見えた。
それは、錯覚かもしれなかったけれど。

「……いいよ、仲間になるよ。一緒に行こう」

でぃはそう言った。
これこそ錯覚かもしれないが、ほんの少し笑って。

【残り39人】

46 :◆HWJJFVYzzY :04/01/28 21:19 ID:kPxNM/8W
「い、今の音はいったい何!?」
【男子16番】八頭身がE−7のビル街を歩いていたとき、爆竹を破裂させたかのような音が耳に飛び込んできた。しかも、わりと近くから。
銃声・・・?だったら誰が・・・。いや、そんなわけないよね。クラスメイト同士で殺しあうなんて、あり得ないよ。
とにかく、音がした場所に誰かがいるって事は確かだ・・・もしかしたら、1さんかも・・・。よし、行こう!!
ああああああ、待っててね1さん。今行くよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜&harts
聞こえてきた音を1さんの合図だと勝手に思い込んだ彼は、モーリス・グリーンもビックリするほどの速さで音の鳴った方へと走っていった。
(第5レーン八頭身選手、独走です!世界新記録樹立なるか!?残りあと20メートル、どうだ?)
「1さぁ〜〜〜ん、待っててねえ〜〜〜〜〜〜(;´Д`)」

――――同じころ、D−7の廃屋の中、真っ暗な部屋の隅でショボーンはワルサーを握り締めて泣いていた。弾は完全に撃ちつくしてしまい、
モナーにも逃げられてしまった。そのうえ肩に怪我まあで負わされて・・・最悪だ。クラスの奴全員が僕を殺そうとしている。
どうすればいい?どうすればいいんだ?このままじゃ殺されてしまう!嫌だ、そんなの絶対に嫌だ!!生きていたいんだ!!
死にたくない・・・怖い・・・怖い・・・怖い・・・死にたくない・・・・・怖い・・・・・・・・・嫌だ・・・・・・・・。
ショボーンは泣き続けた。ただひたすら泣き続けた。泣きでもしなければ、恐怖に押し潰されそうだった。
声がかすれ、涙もかれ果てたそのとき、玄関の方で何か音がした。そう・・・ドアを開ける音だ。
誰かが来た。ああ、もうだめだ。僕は死ぬんだ。この真っ暗な部屋の中で殺されるんだ。頭を砕かれ、内臓をのぞかせた死体に
変わり果ててしまうんだ・・・・・嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!頼む、来ないでくれ!誰だかわからないが、僕を殺さないでくれ!!
しかし、ショボーンの必死の願いも空しく足音はだんだんと大きくなってゆき、それと同時に懐中電灯の光も近づいてきた。
いよいよだな・・・僕は死ぬ。でも・・・・・そんなのは嫌だ!このまま死んじゃうなんて、絶対に嫌だ!!怖い・・・怖いよぉぉぉぉ!!
ショボーンは恐怖に駆られ、デイパックの横に置いてあったボウガンの矢を手に取ると同時に叫び声をあげて侵入者へ飛びかかった。
「うわあぁぁああぁぁぁぁああぁああ!!」
ところが、侵入者は叫び声を聞いて逃げ出すどころか、逆にショボーンの方へ走ってきた。しかも、なぜか嬉しそうに。
「1さぁ〜〜ん、そこにいるの〜〜〜〜〜〜?」
ショボーンはその声を聞いたときには、もう気絶していた。八頭身の強烈なタックル(ただ単にぶつかっただけだが)をくらって
吹き飛ばされ、壁で頭を強打してしまったからだ。
「1さぁ〜ん、隠れなくてもいいよ〜。もう大丈夫だよ〜」
八頭身は自分のすぐそばで倒れているショボーンには全く気付かず、懐中電灯の光を頼りにして部屋の中を捜しだした。
本棚の裏からベッドの下、クローゼットの中やタンスの引き出しまでくまなく捜したが、1さんの姿は見当たらなかった。
しかし、その代わりに暖かそうなコートやライター、10徳ナイフなどの役に立ちそうな物が見つかったので失敬して立ち去ることにした。
「1さん待ってて、今すぐ行くからね!」
そう言って部屋を出ようとしたそのとき、八頭身はショボーンが倒れていたことに初めて気が付いた。しかも、口から血を流して。
「ショ・・・ショボーン君!?ねえ、大丈夫?いったいどうしたの?何があったんだい?とにかく・・・大変だ!!」
まさか自分がショボーンを気絶させたとは夢にも思わず、八頭身はあわてて救急箱を探し始めた―――――

【残り39人】

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/29 21:49 ID:Q4/lE1++
坂田師匠はエリアAの廃屋に隠れていた。
廃屋はまさに廃屋の中の廃屋といってもいいほど、ひどいものだった。
ガラスの破片が散らばり、1つある窓は変形し、泥や土が災厄のようにこべりついていた。
せいぜい6畳半といった小屋だ。ただひとつ、忘れさられたように、1枚板の
がっしりとした机が、ごろんところがっていた。
坂田師匠は机を横にして、楯のように裏に隠れた。
そして、荒い息を静めた。殺し合い?冗談じゃない。俺はここで隠れていよう。
と言っても、足が動かないんだけども。
そういえば、このデイパック、ナニはいってんだ?
ム・・・パンと水、地図に懐中電灯、コンパス・・・
ヌンチャク!?バカにしてんじゃねえ! と坂田師匠は投げ捨てようとした。
しかし寸前で彼の手はピタリととまった。 マ テ ヨ ?
いくらここにいるっつったって、せめてなにか欲しい。
使うわけじゃないけど、この俺の恐怖を静める、なにか確かな存在がほしい。
ヌンチャク。手にとって、まじまじと見つめた。円筒形の硬い木と、鎖。
ヌンチャクに関する話を昔、親父から聞いたっけなぁ。
振り回して殴ったり、棍棒のように殴ったり、鎖で首をしめることもできる。
首しめは、てこの作用で強くしめられるし、振り回せば、恐るべきパワーと
スピードを持つ。銃以外ならなんでも勝てる。接近戦よ。わかるか?
瞬間圧力750キロだぜ。
うん、持ってよう。だけど、コレを使ってぶん殴る奴は一人。モララー。
俺はいずれ死ぬだろう。だけど。一泡ふかしてやる。仲間探しだ。
坂田師匠はゆっくり立ち上がり、机を思い切り蹴った。






48 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/29 23:16 ID:SSLsIkGf
【男子9番】さいたま右は、エリアA(B-3)にある民家の中で腰を落ち着けていた。
エリア51からここまで走ってきたせいか、足が棒のような感覚になり、息は激しく切れていた。
しかし、数時間座り色々な事を考えていると、疲れもほとんど取れ息はいつも通りの速さになった。
しかし、彼はいまだに頭の整理はついていなかった。
彼は、このゲームを現実だとは思っていなかった。思いたくないのでは無く、思っていなかった。
なにせ、何か現実と夢の狭間をふわふわと浮いているような感覚なのだ。そう。狭間の世界だ。
麻痺し、混乱している彼の脳は、現実をそう捉えていた。

モララーの話・・・確か国民テストだとか何とか言ってた。
現実的な話なんだろうけども、どこかおかしい。・・・あいつの言ってる事は。
若者を戦わせて、データを収集し、自衛隊などの国防に役立てていこう・・・彼はそういっていた。
・・・データだって?一体何のデータを集めるというのだろうか?
・・・具体的に言って生徒に信憑性を持たした方が色々得だと思うのに。それとも、奴の言ってる事は嘘なのか?
いや、わざと具体的に言ってないのかもしれない。・・・だとしたら何で?そんな事知るもんか。
・・・時間が無かった?それも無いよな。・・・言うのが面倒くさかった?・・・そんな事あるはずが無い。
・・・それとも、もっと他に理由・・・が?
・・・・・・ええい、考えてたらキリが無い。どーせ僕には関係ない事だ。考えるのやめー!

さいたま右は、近くのベッドに倒れこんだ。
羽毛の柔らかい感触がさいたまを包む。
・・・ああ、思い出したくなかった。でも、思い出しちゃったよ。
・・・普段の学校内での生活。
モナー・・・にぎりくん・・・ッパ・・・乱太君・・・ショボ・・・僕の友達。
毎日が充実してて楽しかった。・・・みんなと暮らす学校生活・・・楽しかったよぉ。
そういえばクラスの女子達僕の事可愛いなんて言ってたっけ!?
女子達は僕の事を『童顔でかーわいいー!』って言ってた。
で、僕いつも帰る度に鏡を見て、「・・・そんな可愛いかなぁ・・・?」なんて考えてたっけ。

駄目だ。考えるな。考えちゃいけない。考えちゃいけないんだよぉ。
考えるたびに・・・涙が・・・溢れてくるんだ。
だから・・・考えちゃいけないんだよ。
・・・あれ?・・・僕は・・・僕?ここは・・・家・・・?・・・殺し合い・・・武器・・・?
そうだ。これは現実なんだ。夢じゃない。狭間の世界じゃない。
こ こ は 現 実
そうとしか言いようが無い。
違うなら・・・この悲しみは何なんだ・・・?

誰も 教えてくれない

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/29 23:19 ID:SSLsIkGf
古びたCDレコーダーは何故か動かなくなっていた。
叩いても、叩いても、動かない。キュルキュルという擬音だけがさいたまの耳の中に流れる。
ちゃんとCDは中に入ってる。電池もある。なのに、ナゼ?
さいたまは、CDレコーダを床にたたきつけた。
ガシャン、という音と共に床に転がるCDレコーダー。端っこが欠けている。だけどそんな事はどうでもいい。
さいたまは、私物を漁るのを止め、支給されたディパックを覗いてみる事にした。
黒くてゴワゴワしてる。厭な感触。僕はこういう感触は嫌いだ。
ディパックの中には、あの変な奴が言ったとおりに食料、飲料、コンパス、地図、懐中電灯が入っている。
懐中電灯を手に取り、当たりを照らしてみる。特に抵抗は感じない。
・・・え?それだけ?
ディパックの中には他に何も見当たらない。あの変な奴は言ってた。・・・武器が入ってるって。
なのに、無い。何で?
懐中電灯でディパックの中を照らす。
ディパックの中が黄色に染まる。ああ、こういう色だったのか。違う。これは懐中電灯の色か。
よくよく覗いてみると、隅っこの方に何があるのが見えた。
ただのゴミに見えなくも無いが、このディパックの状況から見るとこれが武器なのだろうか。
さいたまはそのゴミを手にとってみようとした。
痛・・・!
指先に細い痛みが走る。
指に血が付いている。いや、小さい穴が開いている。
・・・?これは・・・?
さいたまはその小さい物をよーくみてみた。
小さく丸いボディから薄くて見にくい針が沢山突き出ている。
ゆーびきーりげーんまーんうーそつーいたーらはーりせーんぼーんのーますー
そうか。これを飲ますわけね。実物ははじめてみたよ。
飲んでみようか。痛いかな・・・血とか出るかな・・・?・・・僕は何を考えてるんだ?
はりせんぼんを手で掴んで握り締めてみる。手から血が吹き出た。
痛いような気もするけどそんなの僕の知った事じゃない。
・・・時刻は5時50分。
もう夜も明けてるから放送聴いたら寝ます。おやすみなさい。

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/30 09:42 ID:oxFyepQz
アナログ時計が、六時を指した。既に東の空は明るくなっており、朝が来たのだと分かった。そして6時の放送では、死亡者と禁止エリアとやらが発表されるはずだった。
ギコ(男子7番)は島から軽快な音楽が聞こえてくると同時に、目が当たる場所で腰を降ろし、地図に共についていた名簿と地図、シャープペンシルを取り出した(これは私物だ)。
結局B-3から北上し、B-2、B-1を探してみたが特に人はいなかった。今はB-1から南下してB-2にいる。日が照ると厄介だがしぃ(女子6番)はどこかで襲われるかも知れないのだ。
ゲームが始まって四時間程立ち、銃声らしき音が何度か響いたこの島で死亡者の一人くらいは出ているはずだった。
「えーおはようございます。朝の六時になりました、今日も一日頑張りましょう」
島のどこかからモララーの能天気な声が聞こえてきた。島のどこかに拡声器か何かが取り付けられているのだろう。
「まずはこれまでに死んでしまった友達を発表します」
ギコは何も言わず名簿を取り出した。もちろん、そこでしぃの名が呼ばれたらギコの計画は全てご破算になる。だがギコはしぃを信じていた。いくら何でもこんなに早く死ぬわけないと。
「死亡者は三人です。まず男子16番、フェラーチョ君」
フェラーチョが死んだ―――ギコには少々驚きであった。学校一の不良と呼ばれるフェラーチョがこんなにも早く脱落してしまうとは思っていなかった。ギコは特にフェラーチョ達とは交流はなかったが。
(ただしくっついていたことはよくある。その時は金がなくてフェラーチョ軍団が盗んだ煙草をかっさらいに来ただけだったが。この手口でギコの煙草代は浮きまくっている)
まあフェラーチョもギコを嫌っていたようだし、自分も特に興味はなかった。それで思考を止め、次の死亡者の名前を耳にいれた。
「女子1番、あめねこさん。女子13番、みるまらさん。以上です」
特に交流があった女子ではなかった。しぃがまだ生きていることに、ギコは胸を撫で下ろし、死んだ生徒の名前にバツをつけると、デイパックに仕舞った。代わりにポケットから地図を取り出した。
「次は禁止エリアです。聞き逃すなよ。まず、七時からD-5が禁止エリアになります。七時までにはD-5を出てください」
D-5はゴミ捨て場となっているらしかった。ギコがいる場所とはかなり離れている。
「次、九時から、A-6」
A-6は西南端辺りのエリア。これも関係ない場所だった。
「そして十壱時からE-2です。禁止エリアは以上ー」
E-2も関係なかった。ギコがいる場所の周辺は特に関係ないようで、地図に禁止エリアの場所を書き込むとポケットに仕舞い、煙草を吸い始めた。
「ちょっとペースが遅いかなー、十二時までに何人死んでるか楽しみだー、また十二時に会いましょー、では」
そう言って音声は切れた。ギコはしばらく煙草を吸っていたが、そこで異変に気付いた。左側の茂みが動いていたのだ。
ギコは気付かないフリをしながら荷物をまとめはじめた。煙草をくわえたまま。誰だ、誰がいるんだ―――
がさがさっと茂みが揺れた。一瞬、誰かの顔を確認したギコは、後ろを向いて一気に走り出した。その軌道を追うように、ぱららららと言うタイプライターのような音が響き、草がちぎれる音が続いた。
ギコには当たらず、ギコはそのまま東へと走った。やがて高圧電流の柵が見え、そこで止まった。予想通りならここはC-2だろう。
あの襲撃者―――ぁゃなみレイ(女子3番)はマシンガンを持っていた。しかも容赦がない、気をつけなければいけない。
運動不足のせいかぜえぜえと息をしながら、ギコは落ちつける場所を探して移動した。

【残り39人】

51 :修正:04/01/30 17:37 ID:oxFyepQz
アナログ時計が、六時を指した。既に東の空は明るくなっており、朝が来たのだと分かった。そして6時の放送では、死亡者と禁止エリアとやらが発表されるはずだった。
ギコ(男子7番)は島から軽快な音楽が聞こえてくると同時に、目が当たる場所で腰を降ろし、地図に共についていた名簿と地図、シャープペンシルを取り出した(これは私物だ)。
結局B-3から北上し、B-2、B-1を探してみたが特に人はいなかった。今はB-1から南下してB-2にいる。日が照ると厄介だがしぃ(女子6番)はどこかで襲われるかも知れないのだ。
ゲームが始まって四時間程立ち、銃声らしき音が何度か響いたこの島で死亡者の一人くらいは出ているはずだった。
「えーおはようございます。朝の六時になりました、今日も一日頑張りましょう」
島のどこかからモララーの能天気な声が聞こえてきた。島のどこかに拡声器か何かが取り付けられているのだろう。
「まずはこれまでに死んでしまった友達を発表します」
ギコは何も言わず名簿を取り出した。もちろん、そこでしぃの名が呼ばれたらギコの計画は全てご破算になる。だがギコはしぃを信じていた。いくら何でもこんなに早く死ぬわけないと。
「死亡者は三人です。まず男子16番、フェラーチョ君」
フェラーチョが死んだ―――ギコには少々驚きであった。学校一の不良と呼ばれるフェラーチョがこんなにも早く脱落してしまうとは思っていなかった。ギコは特にフェラーチョ達とは交流はなかったが。
(ただしくっついていたことはよくある。その時は金がなくてフェラーチョ軍団が盗んだ煙草をかっさらいに来ただけだったが。この手口でギコの煙草代は浮きまくっている)
まあフェラーチョもギコを嫌っていたようだし、自分も特に興味はなかった。それで思考を止め、次の死亡者の名前を耳にいれた。
「女子1番、あめねこさん。女子13番、みるまらさん。以上です」
特に交流があった女子ではなかった。しぃがまだ生きていることに、ギコは胸を撫で下ろし、死んだ生徒の名前にバツをつけると、デイパックに仕舞った。代わりにポケットから地図を取り出した。
「次は禁止エリアです。聞き逃すなよ。まず、七時からG-5が禁止エリアになります。七時までにはD-5を出てください」
G-5はゴミ捨て場となっているらしかった。ギコがいる場所とはかなり離れている。
「次、九時から、A-6」
A-6は西南端辺りのエリア。これも関係ない場所だった。
「そして十壱時からE-2です。禁止エリアは以上ー」
E-2も関係なかった。ギコがいる場所の周辺は特に関係ないようで、地図に禁止エリアの場所を書き込むとポケットに仕舞い、煙草を吸い始めた。
「ちょっとペースが遅いかなー、十二時までに何人死んでるか楽しみだー、また十二時に会いましょー、では」
そう言って音声は切れた。ギコはしばらく煙草を吸っていたが、そこで異変に気付いた。左側の茂みが動いていたのだ。
ギコは気付かないフリをしながら荷物をまとめはじめた。煙草をくわえたまま。誰だ、誰がいるんだ―――
がさがさっと茂みが揺れた。一瞬、誰かの顔を確認したギコは、後ろを向いて一気に走り出した。その軌道を追うように、ぱららららと言うタイプライターのような音が響き、草がちぎれる音が続いた。
ギコには当たらず、ギコはそのまま東へと走った。やがて高圧電流の柵が見え、そこで止まった。予想通りならここはC-2だろう。
あの襲撃者―――ぁゃなみレイ(女子3番)はマシンガンを持っていた。しかも容赦がない、気をつけなければいけない。
運動不足のせいかぜえぜえと息をしながら、ギコは落ちつける場所を探して移動した。

【残り39人】

52 :流星 ◆XlCwCSrTaU :04/01/30 19:03 ID:yMHqmDX7
山崎渉(男子21番)は先ほどの放送を聴いて、絶句した。
あの自分達のボスこと、偉大な存在である、フェラーチョ(17番)が死んだのだ。
「まさか、フェラーチョ親分が・・・」
山崎はがくっと、肩を落とした。悔やみきれない事だ、彼はフェラーチョ組に一番最初に加入した身。
親分の事は何でも知っている。そして、フェラーチョとは一番の信頼関係を持っていた。だから自分はフェラーチョ親分にグループ内で、とても信用されていた。
山崎自体フェラーチョに会って、少し変われた。(あくまで、自分の考えだが)だからフェラーチョの存在が惜しい。
「フェラーチョ親分・・・一体誰が・・・」山崎は自分の拳を強く握り、少し涙し、考えた。―――一体誰が・・・
言うまでもないが、不良グループのボスであるフェラーチョは一般生徒に恐れられていた。それゆえ、他の普通生徒が彼を殺す可能性は低い。
山崎はさらに自分の思考を巡らせた。―――もしかして僕たちのグループの誰かが?
「いや、まさか・・・流石に同じグループ。あいつらが親分を殺すわけない・・・」
―――でも、本当にそうなのか?中には親分に恨みを持っているかもしれない。

山崎は同じグループの連中を挙げてみた。まずぼるじょあ・・・いや奴は違う。あいつはグループでは一番下っ端だし、親分に忠実。
そして、自分の信用できる存在。モネーはどうだろう・・・彼女の性格を山崎はあまり知らない。
となると、ギコかネーノか?ギコはいつも生意気で、フェラーチョにはあまり忠実ではない存在。ネーノはフェラーチョに忠実で、いつも側に居た。
ネーノは違うよな・・・じゃギコだと言うのか?でも―――
山崎は一度考えを改めた。
「まず仲間だ!ぼるじょあを探そう。」山崎は不良グループの身。普通の生徒は信用できない。
だから一番信用できるぼるじょあを探す事にしたのだ。山崎はそれを決意し支給武器のメリケンサックを強く握り、荷物をまとめ、その場を後にした。

【残り39人】



53 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/30 19:42 ID:7PjlrxdN
坂田師匠は、B地点を歩いていた。
坂田師匠は、馬鹿だった。馬鹿だけど、正義感があった。
フェラーチョなどの不良と対峙したのも1度や2度じゃない。
そんな彼に、クラス同士の殺し合いなんて、できるはずがなかった。
心が弱くなるたび、ヌンチャクを持って父親を想った。
彼は、殺し合いをしない完全無血大作戦、なるプランを考えていた。
私物のペン2本(赤と黒)と、録音のできるMDウォークマン。
これがあれば、ソク大会中止だ・・。大丈夫・・・・。
まず俺がするのは、武器回収だ。こんな極限状況におかれてちゃ、
狂うヤツだってでる。現に、死人が出てるのだ。
時計を見ると、6時12分をさしていた。やれやれ、俺はたいして歩いちゃ
いない。怖い。だけど・・・大丈夫・・俺には誰にも負けない能力があるから。
彼の能力というのは、高度なハッキングでも、サバイバルでもない。
1つは、世界全ての国とその首都、場所を言えることだ。
記憶力。それは彼の誇ることのできる(本人はそう思っている)少ないモノの
ひとつだ。(しかしAABRに役立つかどうかは疑問。本人もそう思っている)
2つめは、視力だった。
彼の家にはテレビとパソコンがない。携帯電話も社会人の姉だけ持っている。
テレビとパソコンがないわけは、彼の両親が1度テレビ無しで生活すると
快適だったから、である。パソコンは単に皆いらないからである。
彼も別にテレビやパソコンを求めているわけではなかった。
食卓はラジオをかこみ食べる。夜は9時に寝る。ブルーベリーは好物だ。
彼の視力がいいのは、ごく自然なことだ。彼の視力は2をゆうに超える。
4。それが彼の視力だ(これは関係あるかも、と本人は思っている)
大丈夫、俺は大会をぶっ壊す。例えこの命が尽きようとも。
どんなワルだって殺させない。ひとりでも多く生き延びてくれ。
彼は私物のリュックからレモン・ドロップを出し、ポケットに突っ込んだ。
神様、俺に勇気と仲間を。
まるで映画の文句だな、と彼は苦笑し、それからため息をついた。
それは今日最後のため息となるはずだった。


54 :流星 ◆XlCwCSrTaU :04/01/30 19:42 ID:yMHqmDX7
山崎渉(男子21番)は先ほどの放送を聴いて、絶句した。
あの自分達のボスこと、偉大な存在である、フェラーチョ(男子17番)が死んだのだ。
「まさか、フェラーチョ親分が・・・」
山崎は口をあんぐりさせた。信じられない事だ、彼はフェラーチョ組に一番最初に加入したのだ。
親分の事は何でも知っている。もちろん強姦容疑やカツアゲなどのことも、さらに、自分はフェラーチョ親分にグループ内で、とても信用されていた。
しかし、山崎自体フェラーチョの事をあまり良いとは思っていなかった。彼の行為についていけないからだ。だからフェラーチョが死んだ事を、あまり深くは考えなかった。
でもやはりフェラーチョの死については、気になる。
言うまでもないが、不良グループのボスであるフェラーチョは一般生徒に恐れられていた。それゆえ、他の普通生徒が彼を殺す可能性は低い。
山崎はさらに自分の思考を巡らせた。―――もしかして僕たちのグループの誰かが?
「いや、まさか・・・流石に同じグループだしな。あいつらが親分を殺すわけない・・・」
―――でも、本当にそうなのか?中には自分みたいに親分に憎悪(自分はそれほどではないけど)を持っている奴が居るかもしれない。

山崎は同じグループの連中を挙げてみた。まずぼるじょあ・・・いや奴は違う。あいつはグループでは一番下っ端だし、親分に忠実。
なにより、自分が一番信用できる存在。モネーはどうだろう・・・彼女の性格を山崎はあまり知らない。
となると、ギコかネーノか?ギコはいつも生意気で、フェラーチョにはあまり忠実ではない存在。ネーノはフェラーチョに忠実で、いつも側に居た。
ネーノは違うよな・・・じゃギコだと言うのか?でも―――
山崎は一度考えを改めた。
「まず仲間だ!ぼるじょあを探そう。」自分は先ほど考え直した。絶対に脱出すると、とはいえ、山崎は不良グループの身。普通の生徒は信用できない。いや信用されないと言うべきか
だから一番信用できるぼるじょあを探す事にしたのだ。絶対だ―――絶対にこの戦場を生きて帰る。そして、変わろう自分の生きる力のために―――
そう心に決めた。山崎は実際の状況がわからないが、ぼるじょあに誓った。お願いだ。ぼるじょあ!!こんな糞ゲームに乗るな。絶対に乗るなよ。
山崎はそれを決意し荷物をまとめ、その場を後にした。(ちなみにメリケンサックは放置する事にした。)

【残り39人】




55 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/30 20:37 ID:q8oRlnQt
【女子6番】しぃは、G-2の辺りにある建物で腰を落ち着けていた。
建設途中のビルなどが立ち並ぶエリア・・・等と地図には書いてあるが、今自分がいるこの建物はほぼ完成している。
ビルというよりかは、工場。何を運んでいたのかはまかり知らぬが、ベルトコンベアーが至る所に配置され、枝分かれしている。
そして、段ボール箱が何個も置いてある。何が入ってるのかは確認していない。
とにかく、ここは工場であるという事だけは間違いなかった。
彼女は、そのいくつかの段ボール箱の一つに座っていた。
支給武器はスタンガンだった。殺傷能力は低いかもしれない。
しかし、もう殺したい人が消えてしまって人を殺す事は考えなくなった彼女にとっては、殺傷能力等は関係が無かった。
今の彼女は、とりあえず誰か仲間を探す事を考えていた。一緒に戦う仲間では無く・・・共に死ねる仲間を。
いじめられっ子である彼女に信頼できる人は少ない。しかし、本当に僅かに信用出来そうな人はいる。
・・・幼馴染のギコとウワァァァン。
彼ら二人は、幼稚園の頃からの付き合いである。彼女とウワァァァンとギコは皆同じクラスだった。
そして、彼ら二人以外は皆自分の知らないところに居る。・・・とにかく幼馴染と言えば彼らしかいない。
ギコは、自分の事を守ってくれたような気もする。彼には感謝の気持ちでいっぱいだ。
ウワァァァンは、自分と同じくいじめられっ子。
自分と同じ境遇の彼を、『自分だけじゃない』と言い聞かせるために見ていた時期があった。・・・今思えば私って結構悪い子だ。
とにかく、彼は何故か私にとって必要な存在なんだと思う。今まで私が自殺をしなかったのは・・・彼のおかげなのかもしれない。
それに、彼は私と境遇が全く同じ。虐められてる。孤立してる。・・・フェラーチョを殺したがってる。(私ほどでは無いかもしれないけど
だから、私は学校へこなくなった彼に電話をかけた。何故かって?自殺すると思ってたからだ。
私だったら彼みたいに虐めで学校に行かなくなったら、いずれ自殺する。・・・だから彼もしてしまいそうで不安だった。
彼はもう一人の私であると言っても過言では無かった。とにかく、色んな意味で彼は私の『希望』でもあった。
あとは、さいたま君かな・・・?可愛かったし私の事を気遣ってくれたような気もする。
あと、席が隣の今乃内乱太君・・・なぜか知らないけれど彼は私を色んな面でかばってくれたような気がする。
そのくらいかな・・・?信用出来そうな人。
あ・・・もう一人いた。・・・ネーノ君。
彼はフェラーチョグループだったような気がするけど、彼は間接的にかばってくれていた。
フェラーチョが私を虐めようとして、(奴は私を口で虐めてくる。劣等感に悩まされる。)こっちに向かおうとすると、
ネーノ君がフェラーチョを引き止めて、上手く言いくるめてた。
「ちょっと待てフェラ。お前またあいつを虐めに言ってくるのか?
そろそろ止めた方がいいぞ。いくらお前が面白いと思ってても、あっちはいい迷惑だ。
あいつはとても精神的に追い詰められてる可能性がある。
・・・言いたい事は分かるよな?フェラ。・・・もしかしたら、だぞ。・・・あいつが自殺したらどうする?」
「・・・それはそれで関係ない顔をしてればいい。」
「そうかな?それで通用するかな?もしかしたらあいつは遺書を書くかもしれない。
・・・お前の事をびっしり書いた遺書を、だ。それが親に見られたら、お前、いや、お前の家庭に多額の慰謝料が請求されるだろうな。
いや、場合によっては新聞沙汰になるかもしれない。そうすれば、ニュースでお前の事が大々的に取り上げられるだろう。
・・・そうなったら、どうする?ましてやお前は他の犯罪も沢山してるんだから、やばい事になるぞ。」
「・・・そ、そんな事にはならないだろ・・・!」
「いや、そういう可能性もあるだろ。だから、それを考慮してあいつへの虐めはもうよした方がいいって事だ。」
「・・・分かった。ネーノ。お前にはかなわないよ。」
確かこんな風な事を言っていた。・・・あれ、何で私ったらこんなに内容を覚えてるのかな・・・?
確かネーノ君はウワァァァンをフェラーチョが虐めに行く時とかも同じようなことを言っていたような気もする。何でだろう。
とにかく、彼は何処と無く信用が出来そうな気がする。容姿もクラス内ではトップクラスだ。
・・・そういえば、彼をはじめて見た時に、もっと昔に顔を合わせた事があるような気がした。・・・気のせい・・・だよね。
・・・とにかく、信用出来る人を探そう。・・・だからこんな臭い所は早く出よう。
しぃは工場を出て、朝の光が差す外へと身を出した。【残り39人】

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/30 22:35 ID:9PDQOUbo
A-3の廃屋の一つに、・【女子12番】は隠れていた。
膝を抱えながら、涙をこらえて。
心臓が痛いほど激しく脈打ち、手足が小さく震える。
・は緊張すると、何時もこんな具合になる。
中学に入ってからはましになったが、小学校の頃はそれが元でからかわれたりもした――。
とても嫌な思い出だが、それが元で出会った人もいる。

・は自分の荷物をあけ、生徒手帳を取り出した。
そこに挟まれてある写真を摘み出す。
……>>1さん。
写真の中でにっこりと笑んでいる男子。
緊張している所をからかわれた時、助けてくれた人。
そのときから、・はずっと>>1さんのことが好きだった。
小学校のうちも、中学校に入ってからもずっと。
一年のときも、二年のときも、友人のいない生活は寂しかったが>>1さんのことを思うと頑張れた。
三年生になると、初めて友人が出来た。
そして、>>1さんと同じクラスになって。

……とても、楽しかったのです。

・の瞳から涙が溢れた。大粒の涙が頬を伝ってスカートにしみこむ。
写真を握り締めながら、・は声を押し殺して泣いた。
会いたい、会いたい。

会いたいのです、>>1さん……。

【残り39人】

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 10:19 ID:GhwFjxIO
坂田師匠はエリアDをレモン・ドロップをなめながら歩いていた。
そのかすかな甘味は、彼の心を静め、穏やかなものにしていた。
不思議なことに恐怖や狂い、殺意を感じなかった。
やるべきことがしぼられたから。死んでもいいとさえ思っているから。
絶対に俺は誰も殺さない。そんなことはヤツラの思い通りだ。
―やつらは心音を読み取っている。そして、間違いなく、盗聴してる。
ヤツラはこのゲームを楽しんでいる。俺たちの悲痛な叫び、波打つ鼓動を聞きながら。
盗聴するのも考えれば当然のことだ。AABRは俺たちがはじめてじゃない。
いままで、大会本部襲撃を考えたヤツだっているはずだ。それを防ぐには、
盗聴だ―――。冷静に落ち着いて考えれば、馬鹿の俺でもわかること。
・・・えっと6時52分。そろそろ誰かに会ってもいいはずだけど。
そのとき、彼の視界の彼方で、人影が動いた。
あれは・・ドクオ!あいつ、ナニやってんだ?相変わらず不気味だよ〜。
うーわっ、コエーなぁー。あいつが作戦の獲物第一号かよ・・
すーっとかれの心に恐怖が忍びよってきた。それは夜の海に似ていた。
やるしかねえ、と彼は細い赤ペンと黒の油性ペンをにぎりしめた。
ドクオ、振り向くなよ・・ 彼は物音をたてないよう、ドクオに向かっていった。
あと10メートル・・・・・・あと5メートル・・
ドクオはかれに気付かず、歩いていた。
坂田師匠はすばやく背後をとり、ドクオの首すじに赤ペンと、ケツの穴に油性ペン
を軽く差し込んだ。ドクオはひっ、と声をあげた。
「動くな、すこしでも変な真似をしたらお前の首とケツに銃弾をぶち込む。」
それは彼の耳には嘘としか聞こえなかったが、ドクオはそう聞こえなかったようだ。
かたかたと震えていた。
「お前の武器をよこせ、ゆっくりと取り出して、後ろ手で落すんだ。」
ドクオはデイパックからもそもそと何かを取り出し、それを落とした。
それはベレッタとマガジン2つだった。
「頭のうしろで手を組み、ひざまずけ。」 ドクオは言う通りにした。
坂田師匠はデイパックにべレッタとマガジンをしまい、しばらく後ろ向きに歩いて
ドクオの様子を見てから、一気に走り去った。
「上出来だ、坂田師匠」と彼はつぶやくようにそういった。
彼は馬鹿ではなかった。勇気ある馬鹿だった。


58 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 13:12 ID:ez6R/NNs
坂田師匠は順調に武器回収をすすめていた。
アサピーとザーボンの武器を同じ手口で回収し、(アサピーの武器・ひとさじの
粉末毒 ザーボンの武器・消火器)時間もたいしてかかっていなかった。
時計を見ると、7時25分だった。現在地点は、エリアC。
これで少し殺しが減るといいんだけれども、と彼は思った。
だいぶ荷物が重いので、私物のリュックからスポーツ・タオルと500ミリリットルの
スポーツドリンクと板チョコ2枚をだしてあとはリュックごと捨てた。




59 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 13:29 ID:F1+f4usB
   ____
   / ------/| 
   |  ̄ ̄ ̄ ̄| .| >>40
   |_____|/


60 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 13:39 ID:ez6R/NNs
坂田師匠はタオルとドリンクとチョコをデイパックにしまい、
ロールパンと水をだして、食べることにした。
ちょうど建設途中の小さいビルを見つけたので、そこに入り、もそもそと食べた。
食欲はあまりなかったけれど、食べておかないといつ食べられるか。
彼はロールパンをかじりながら、考えごとをしていた。
武器回収ももう少ししたいけど、大会本部襲撃の時間もほしい。
仲間も必要だ。やれやれ、やるべきことがいささか多すぎる。
水を半分ほどのみ、ロールパンを食べきると彼は立ち上がり、ビルを出た。
そしてレモン・ドロップを口に放りこみ、歩きだした。
しかし、彼はすぐ歩くのをやめた。彼方に、人影が見えたからだ。
ネーノ!?あれはネーノだ!まずい。ネーノは常に冷静な不良、しかも空手
とかそういう系スゴイんじゃなかったっけ?まずい、あいつはまずい。
彼は出てきたビルに戻り、がらんとしたフロアの数少ない柱の後ろに
身を隠した。
殺したくない、という気持ちとは裏腹に、彼はベレッタをにぎりしめていた。


61 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 13:52 ID:FElfQMrC
【男子14番】ドクオは、後ろに坂田がいなくなってるのを確認すると、組んだ手を解き、安心したように溜め息を漏らした。
殺されると思っていたが、何はともあれ殺されなくてよかった。
ドクオは、修学旅行の日も家に引きこもっていた。
あんな糞どもと修学旅行なんかに行ったって面白くないしマンドクセ。そう思っていたからだ。
そして、ドクオは深い眠りについていた。アパートの隣から聞こえる擬音がうるさかった。
・・・そして、起きたら変な教室の中に俺は居た。
周りには糞どもが座ってる。
そして、教壇には謎の男・・・確かモララーとか名乗っていやがった。
・・・殺し合いだって?ふざけるな。
糞どもを殺すのには別に抵抗は無いが、殺されるのは怖い。
だってそうだろ?みんな自分だけが可愛いのは当然だよなぁ。
だから糞どもをみんな殺して早々におさらばしようと思っていた。
・・・でも、だ。奪われた。俺の命綱が。
坂田とかいう糞どもの一角にだ。
ちっ。何だよあいつは!ブッサイクな顔をしてる癖に!糞が。糞が。
こうなったら生き残る術は一つしかない。・・・隠れる事。
そうだ。適当な場所にずっと隠れてればいい。
死人状況は放送が教えてくれる。そして、一人や二人になったらベルトかなんかで首を絞めて殺せばいい。
ふふふ。そうだな。それがいい。糞どもが阿鼻叫喚しながら馬鹿みてぇに殺しあってる中、俺だけは優雅に寝てるとしようか・・・
ドクオは、そう決めると、エリアCに向かう事した。
エリアCには,建設途中のビルがあると言っていた。その中の一つでも身を潜めればいいか。
よし・・・行くか・・・

「おっと。そこを動くんじゃないぞ。」

またか。

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 13:58 ID:FElfQMrC
首筋にナイフを押し付けられている。怖い。またかよ。誰だよ。
「お前ぼるじょあとモネーを見なかったか?」
後ろに居る何者かが呟く。
「み・・・見て無いです・・・」
そういうと、後ろに居る奴はチッ、と言って、ナイフを外し何処かへと行ってしまった。
またもへたり込むドクオ。
後ろに居たあいつは・・・間違いない。【男子15番】ネーノじゃなかったか!?
・・・くそっ。運が悪いぜ俺って奴は・・・

「あとはぼるじょあとモネーか・・・直接的には関わってなかったけど・・・お前らも参加してたよな?
山崎は参加してなかったから・・・いいか・・・とにかく、あと・・・二人。」
ネーノは呟いていた。呟きながら、ディパックの中にしまってあるロケットを覗き込んだ。
・・・あいつらを殺せばお前の妹は救われるはずだよな。お前の死に関わった奴らと、その仲間は・・・みんな殺してやる。

【残り39人】

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 14:01 ID:FElfQMrC
ぎゃあ、ネーノが二人・・・
すみません。坂田がネーノを殺さないなら62はスルーの方向で。

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 14:49 ID:FElfQMrC
間違えた。
坂田がネーノを殺すなら62はスルーの方向で・・・

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 15:17 ID:ox2mUuWb
太陽の光に刃が光る。
拭いても拭いてもこびりついて取れない血液だけが光を跳ね返さない。
アヒャ【男子2番】はうっとりとその様を眺めた。
昼の太陽とは違って、早朝の光は何処か神々しい。
初めて浴びる朝日に、牛刀が喜んでいるように見えた。

アヒャが今潜んでいるのはB-2の民家の一つ。
夜中獲物を探して歩き回った末に、ここで体を休ませていたのだ。
いくらアヒャ族が丈夫だからといって、夜通し歩き回れるほど頑強ではない。
「……それに、急がなくたって時間はたっぷりあるアヒャ」
アヒャはそう呟くと、にたっと笑った。
刃物がアヒャの笑顔を映し出す。その笑みは、どの笑顔よりいやらしく、また無邪気だった。
「さあ、そろそろ出発するアヒャ」
アヒャはそう言うと、荷物を背負った。
牛刀を手にしっかりと握り締める。
これからこの刃物がどれだけの血液を吸い込むか。
アヒャはそれを想像するだけで笑みが顔に上るのを感じた。

とりあえず、エリアAを探して見るか。
まだ体を休めている人もいるかもしれないし。

【残り39人】

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 15:52 ID:FElfQMrC
【女子6番】しぃは、E-2の辺りを歩いていた。
特に理由なんて無い。ただ、心中できる仲間だけを求めて歩いていた。
彼女は、何故かずっとネーノの事を考えていた。
ネーノ・・・彼の事を考えると、何故か自分の死んだ姉の事を考えてしまう。
彼女には姉がいた。
自分より二つ年上で、今の私の歳だと高校2年生・・・の筈だった。
姉には、年下の彼氏がいた。
確か、私と同じ歳だと言っていた様な気がする。
直接その彼を見た事は・・・あったっけ?・・・覚えていない。
で、姉が高校1年生に上がった時に、私は中学2年生だった。
その時から・・・私はもう虐められていた。
虐めてたのは・・・フェラーチョ。モネー。みるまら。
相当陰湿な虐めを受けていた私は姉に相談した。・・・ような気がする。
姉は、すぐにその不良たちに物を言いに家を出た。
姉にはフェラーチョ達の住所を教えておいた。
その夜、姉は帰ってきた。随分深夜だったような気がする。
姉は、下を向いていた。下を向いたまま部屋に入った。
その翌日。姉は首を吊っていた。
見開かれる目。光が無い目。虚ろな目。霞んでいる目。何処を向いてるのか分からない目。厭な目。暗い目。寂しい目。目玉。眼。眼。

姉は死んでいました。

すぐに親が救急車を呼んだ。けど、姉はもう死んでいた。処置も手遅れだった。
遺書は、姉の部屋から見つかった。というより、見つけた。
遺書にはこう書いてあった。
「生きる希望を無くしました。フェラーチョを殺してやりたいです。呪い殺したいです。でも無理です。だから死にます。」

葬儀の時、姉の遺体に泣きついている男が居た。
たぶん姉の年下の彼氏という男だ。
と、突然その男は私の方を向いた・・・ような気がする
「君はじぃさんの妹さんかい?」
私はウンとだけ頷いた。
「君を虐めてたのは誰だい?」
と彼は聞いた。私は名前を全部出した。
「そうか・・・有難う。ところで、お姉さん遺書か何かは無かった?」
丁度姉の遺書を持ってた私はその人に差し出した。
その人は、しばらく睨みつけるような眼で遺書を見た後、すぐに私に手渡した。
「・・・ありがとう。君とはまた何処かで会えるかも知れないね。・・・その時は、君を助けてあげるよ。」
その人は、それだけ言うと何処かへ行ってしまった。
顔は・・・覚えてない。姉が死んだショックで、その人の顔なんてロクに見なかった。勿論覚えなかった。
で、中学3年生になると、新たにぼるじょあも私への虐めに加わった。
でも、虐めは2年生の時よりもぐっと減った。新しくフェラーチョ軍団に加わったネーノ君と、クラスが一緒になったギコのおかげで。
・・・年下の彼氏?私と同い年?・・・まさか。それは・・・ない・・・よね。そんな偶然があるわけがない。
・・・とにかく考えるのをよそう。もうよそう。頭が壊れそう。

【39人】

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 16:47 ID:ox2mUuWb
カタン、と小さな物音がA-3辺りを彷徨っているアヒャの耳に届いた。
微かな音だったが、アヒャ【男子2番】はそれを聞き逃さずに立ち止まった。
音がした家を見定めて、足音を殺して窓に歩み寄る。

――いた。

アヒャはにやりと唇をゆがめた。
・【女子12番】が床に倒れこんでいるのが見える。
その目は閉じられていた。眠っているのだろうか。
微かに肩が上下しているのを見ると、死んでいるわけではないようだった。
窓に鍵がかけられているのを確認して、アヒャは窓から離れた。
家の周りをぐるりと回る。出入り口は、裏口と玄関と先ほど覗いた窓だけのようだ。
他の窓は小さく作られていたり、格子が嵌ったりしていて中に入ることは出来ない。
アヒャはまず玄関のノブを慎重に捻った。
予想通り、かちりと音がして途中までしか捻られない。
鍵がかかっているのだ。まあ、当たり前なのだが。
続いて裏口に回る。その扉も鍵がかかっている訳ではなさそうだが開かなかった。

――どうしようか。

アヒャはほんの少し考え、窓の方へ向かった。
持参した荷物からタオルを数枚取り出し、右手に作ったこぶしに巻きつける。
ほんの少し窓から離れて、助走しながらこぶしを繰り出す。
窓ガラスが大きな音を立てて砕けた。


68 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 16:48 ID:ox2mUuWb
・は大きな音に驚いて飛び起きた。
「きゃっ! な、何なのです……?」
起き抜けの上に、驚愕が加わったことで・の頭は正常に動いてくれない。
言い知れぬ恐怖だけが身を支配して、体を動かすことも出来ない。
じゃりっと砂を踏むような音で、やっと・はそちらの方を見た。

ガラス片で切ったのか、体中に小さな傷を刻んだアヒャがそこにいた。

恐怖で口を聞けない・に、アヒャが歩み寄る。
粉々になったガラスが、彼に踏まれてさらに砕けた。
アヒャの手に牛刀が握られていることを確認した・は、小さくひきつった悲鳴をあげて立ち上がった。
立ち上がりかけたところをアヒャに足元をすくわれて、再び床に倒れこむ。
肺付近を強打して、空気全てを吐き出してしまう。瞬間的に息が出来なくなる。
あまりの苦痛に・は涙ぐんだ。手足が震え出す。
「アヒャヒャ……」
アヒャが気狂いじみた声で笑っている。
・は自分の荷物を引き寄せた。あれがあれば、あれがあれば。
……あった。
その感触を指先に感じて、・は震えが少し収まるのを感じた。
首を無理矢理捻じ曲げて背後を見ると、アヒャが牛刀を振り上げようとしていた。
・はそれを掴み出した。それをアヒャに向かって構える。
アヒャはそれに気付かないのか、牛刀を・に向かって振り下ろした。

――っ!?

ぱっと赤い液体が散る。血液だ。
それは床やガラス片の上で光を受けてキラキラと輝いた。
大好きなそれを見て、しかしアヒャは呆然としていた。
その液体は、アヒャ自身の物だったからだ。
アヒャは続いて目の前にへたり込んでいる女子を見た。
その女子――・はアヒャに向かって黒い物を構えている。
それは銃――ブローニング・ベビーという名前である――だった。その銃口からは煙が一筋流れている。
アヒャが呆然としている間に、・は小さく叫びながら裏口から出て行った。
どうやら、鍵がかけてあったわけではなくつっかえ棒をしていたようだ。
「痛いアヒャ」
アヒャは小さく呟いた。アヒャ族は、苦痛等にはかなり強く出来ている。
とりあえず傷を確認する。右腕を撃たれた様で、学生服が破けて血液が流れていた。
肉が数ミリ抉られていて、アヒャはほんの少し恐怖した。
しかし、その傷よりもガラス片で傷つけた右のこぶしが痛かった。
タオル数枚では防ぎきれなかったらしい。
アヒャは荷物からばんそうこうなどを取り出しながら先程の女子のことを思い返していた。
アヒャは『獲物』に傷つけられたことは初めてだったのだ。
傷つけられて、その上逃げられるなんて。

アヒャはほんの少し苛立たしさを覚えた。
ただ、それだけだった。

【残り39人】

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 16:54 ID:72OiY+wQ
坂田師匠はじっと、柱の裏に隠れていた。
それはとてつもなく長い時間に思えたし、一瞬の刹那にも思えた。
カッ。回転ドアを開ける音が聞こえ、誰かが近づいてくるのがわかる。
出来上がっていない天井からは空が見えた。音は響いた。
マガジンを差込み、ベレッタをいつでもつかえるよう身構えた。
足音は近づいてくる。うわあ、まずい。そうだ、消火器。
めくらましくらいにはなるかも・・
彼はあわててデイパックから消火器をとりだし、柱から身を出して
消火剤を噴射した。ブシューーーーーー。
もくもくと白い煙が出る。彼は消火器を投げ捨て、ベレッタを構えた。
しかし、その煙の中から現れたのは1さんだった。



70 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 19:37 ID:2iLAD5OH
モネー(女子16)番は、銃声やら何やらが聞こえ、殺し合いが続いているこの島の中、木と茂みに覆われた場所で身を隠していた。
東の空には既に日が昇っている。時計を見ると、午前7時前を指していた。
このエリアはA-5エリアだが、すぐ下のA-6は九時から禁止エリアになるらしかったので、少々北側にいた。南側に行きすぎると、いつA-6に入っているか分からない。
モネーは右手に持っていた錆びた金属棒(エリア51からここに来るまでに拾ってきたやつだ)を地面に置き、足を伸ばした。
このエリアは島でも一番端、あまり人は来ないんじゃないかと考えた。
―――もちろん、このゲームでは絶対に優勝しなければいけない。
自分のような中学三年生の女の子がこんな場所で死ぬなんて考えるだけでも嫌だった。もちろんここでは、最後の一人になるまで生き残らなければならない。
ただこんな金属棒だけで一体何ができるだろうか?
―――いや、大丈夫だ。大丈夫、デイパックから出てきた時は首をかしげたが、この支給武器は生き残る上で便利だ。
そう思ってモネーはセーラーの腹を、その支給武器―――防弾チョッキの感触を確かめるように触った。
武器が乏しい今は、隠れに徹することだ。他の奴らが殺し合って、最後に自分が出てきて相手を倒せばいいのだ。とにかく今は、隠れなければ。
ふと、フェラーチョ(男子17番)のことを思った。
彼は朝の放送で名前が呼ばれた、つまり死んだということだ。もちろん彼女にとってそれは以外であった。最後まで残りそうな人間の中にフェラーチョが入っていたからだ。
放送で名前が呼ばれた時は「あら、ちょっと早すぎるわね」と鼻で笑った。
彼女はフェラーチョ軍団とつきあいがあったし、彼女自身自覚するほどの不良だった。万引きは日常茶飯事、時には恐喝や、そう売春もやったことがある。
フェラーチョも同じような人間だった。だからって特別好きなわけでもなかったが。
フェラーチョ軍団は他のクラスか下級生までも集めた不良集団だ。いじめとか喧嘩とか恐喝とか―――まあ基本的なことをやる。
このクラスはいじめられっ子が結構多いなと、思ったことがある。
みるまら(女子13番)とかがよくしぃ(女子6番)やでぃ(女子9番)などをいじめていたが、モネーはそんなものに興味はなかった(そういえばみるまらも放送で死んだと言っていた。フェラーチョ軍団の中でも希少な女子だったので話したりすることはあった)。
―――しぃ、そういえば彼女の姉はあの後自殺したんだった。
去年のことだった。まだ幼かったモネーは、いじめという子供の遊びを楽しんでいた。今ではもう飽きてやっていないが、あの時の標的は主にしぃだった。
あの日、いつものように嫌がらせをして帰った後、突然しぃの姉と言う女がフェラーチョの家にやって来た(この時モネーはぼるじょあ(男子18番)と共にフェラーチョの家にいた)。
「ちょっと、あたしの妹のしぃをいじめてるらしいわね」
「あ?ああそうだけど」
「妹が私に相談してきました。そうとうひどいらしいわ、やめてもらえないかしら」
「何だよめんどくせ」
「妹が自殺するかも知れないでしょ!」
じぃが声を挙げてそう言った直後に、フェラーチョはじぃを殴り飛ばし、じぃの体が壁に押しつけられた。
―――あとの説明は特にいらない、まあフェラーチョがじぃを強姦したという話だ。モネーは女だったので何もしていなかったが、特に止めることもしなかった。
翌日、そのじぃが自殺したという話が耳に届いてきた。フェラーチョは少し驚いた顔を見せたが、それでも「大丈夫だろ、証拠はねえんだ」と言って教室を出て行った。
三年になり、いじめの標的が増えたことや、しぃをいじめることを同じグループのネーノ(男子15番)やグループにいるのか一匹狼なのか分からないギコ(男子7番)が引き止めたため、しぃに対するいじめは少なくなって行った。
特にあの事件に対しモネーは何も思っていなかった。自業自得だろう、喧嘩を売る時は相手を見てからの方がいい。
そこまで考えて、モネーは足を折り曲げた。今はとりあえず、待つことが先決だった。

【残り39人】

71 :ノレ@|゚ー゚ノ ◆E8Y5gFbllU :04/01/31 20:08 ID:a2tVhHR1
なんでだろう…

男子3番「ッパ」はエリアBに入っていた。(4-Dあたり
放送を聞いて既に3人の死を知った。しかし、落ち込んでる場合ではない。
ッパはいっしょに脱出(または特攻など)をできる仲間を探していた。
(このエリアBだと、銃を持っている人が有利だね)
ッパの支給武器はノートパソコン。支給「武器」とは違う気がする。
つまり、銃を持っている。やる気。この二つがそろった人間にあったら危険だ。

ッパは歩きながら頭を回していたが、目にうつったあるものに、思考はさえぎられた。
男子6番「おにぎり」だ。
あれが支給武器なのだろうか、あまり靴をはかないAA達だが、靴をはいている。
鉄の、とがった物が裏についている。スパイクだ。
「けられると痛いかも…」
そんな事も考えたが、やはりここで考える事は、話かけるべきか否か。
「おにぎり君なら仲間になってくれるかもしれない。」
おにぎりはクラスの中ではとてもいい印象がある。フェラーチョ組にいじめられていた子を助けたこともあったらしい。
いつも明るくて、わっしょい、わっしょいしていることが多かった。(意味は解からないが
そうゆうことで、ッパはおにぎりにはなしかけてみることにした。

ッパは少しずつおにぎりにちかづいた
おにぎりのすぐ後ろにきたとき、おにぎりが振り向いた。
「!!!」
おにぎりは突然のことにただびっくりした。そんな、おにぎりにッパは
「や、やぁおにぎり君…−−−」
ッパは突然言葉につまってしまった、
「あ、あのさ…」
こうゆう時はこうゆうしかない…
「いっしょにお菓子を食べませんか?」
おにぎりは少し驚いていたが、
「え、あ、…う、うん。」
と答えた。
別に仲間になろうといったわけじゃないけど、これで一応仲間ができたわけだ。
「ワ、ワショーイ!」
おにぎりはあくまで明るくしていた。

【残り39人】

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 20:36 ID:RSEDTwVy
坂田師匠は目を疑った。でも、その姿は1さんその人だった。
セットされたはずの髪はすっかり崩れ、体じゅうは真っ白だったが
それは見まごうことなき1さんだった。
1さんはしばらくゲホゲホとせきこんでいたが、やがて
「ウウ、ナンナンダヨウ」 と苦しそうにうめいた。
1さんのその声には殺意や狂人じみたところは少しもなかった。
平和な学校の平和な生徒、1さんだ。
坂田師匠はそのまま力なくへたりこんだ。よかった。
「ごめん、あまりにコワかったから、つい」 
「ダレカ人影ガミエタモンダカラサ」 と1さん。
!!!!「1さん後ろーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
坂田師匠はさっと立ち上がり、ベレッタを構え撃った。
バン、と渇いた音がして銃弾は1さんの後方の人影のほおをかすめた。
人影の正体、それはネーノだった。ネーノは手にした銃を1さんに向けていたのだ。
「1さああん、早く逃げてくれぇ!!!」 と彼は大声で叫んだ。
「エエ?」 まだ事情が飲み込めていない1さんはそういった。
「いいから早く!!そこの裏に俺の荷物がある!!持って逃げろ!」
1さんはしばらくとまどっていたが、やがて荷物をとってから
走って逃げた。
「ネーーーーーーノ!お前の相手は俺だ!」 そして3発をつづけざまに撃った。
一発はネーノの右腕に当たった。
ぱららららららららっ
彼はとっさに柱の裏に隠れた。マシンガンだ!
無血は守れなくなった。恐怖が彼を支配した。それでも彼は逃げなかった。
あと残弾が少しと、手つかずのマガジンがポケットにひとつ。
彼は柱から手を出し、残弾をやみくもに撃った。 当たらなかったようだ。
そしてマガジンを入れ替え、柱から体をだし、ネーノに向かっていった。
「うわあああああああああああああああ!!!!」 
連続で銃声が響き、彼はネーノに突進していった。ああああ。
ぱららららっ
渇いた連続音が響き、沈黙が生まれた。
あと1メートルというところで、坂田師匠はずるりと崩れた。
血がプッ、と吹き出た。
「違ったか」 とネーノがつぶやき、背をむけて歩き出した。
薄れゆく意識のなかで、坂田師匠は彼の銃をみた。
2つ銃を持っている。右手にマシンガン、左手に拳銃。学生服に俺のじゃない返り血がついている。
誰かを殺したんだ。ゆるさねえ。
ネーノはなにか足にひっかかった感じがした。
見ると、坂田師匠が右足をつかんでいた。
そして一気にがばっと立ちあがり、ネーノの首輪をつかんだ。
「くた・・ばれ」 血まみれの坂田師匠がうめいた。
ぱららっ
坂田師匠はごほっと血をはき、どさっと倒れた。
血が水たまりのように広がった。
坂田師匠は穴だらけの体で手を少しうごかしたが、やがてとまった。
ネーノはしばらく死体を見つめていたが、やがて歩いていって
ベレッタを拾い、坂田師匠の手にしっかりと握らせてやった。
そして彼は背をむけまた歩きはじめた。
それは猛獣が殺したものの力を認めたときに見せる、わずかばかりの慈悲と
弔いだった。

  【残り38人】



73 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 20:39 ID:O6eAFIN5
     ___
    /     \     ________
   /   ∧ ∧ \  /AAバトルロワイアルとか言ってるくせに
  |     ・ ・   | <AA1つもねーじゃねーか 氏ねよおめーら
  |     )●(  |  \________
  \     ー   ノ
    \____/


74 : ◆gmMfgRH7tY :04/01/31 20:42 ID:j3rog9sR
>>73禿同

75 :セブンティーン ◆6iW04TobYw :04/01/31 20:49 ID:usXMomSD
>>73-74
>>1を嫁。AAは付加だ。

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 21:26 ID:K/TebuGI
まるで消費者金融のコマーシャルみたいにわかりにくい様ですね

77 :◆HWJJFVYzzY :04/01/31 21:36 ID:TF0kQB9i
とりあえず>>73>>74は消えろ。

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 21:45 ID:f8xIW8jo
アヒャ【男子2番】は傷を治療し、廃屋の谷間をうろついていた。
さっき、・を取り逃がしたのは、彼を苛立たせ、考えさせることとなった。
一体俺は何をしているんだ?獲物を取り逃がすなんて・・・。
そうだ、俺は一瞬痛みを気にしたからだ。銃に撃たれるのは初めてだったからな。
そうと分かれば、次はこうはいかない。
どうせ死ぬこのゲーム、楽しんだ者勝ちだ。相手がどんな武器を持っていようが、次はこれで殺す。
そう言うと、アヒャは牛刀を恍惚とした表情で眺めた。が、それは一瞬で終わった。
彼の野生の本能が、誰かの気配を感じたからだ。
廃屋の窓ガラス越しに気配の主が見えた。
黒光りする銃を持ち、歩いているのは、【男子8番】キユだった。
【男子8番】キユ。たしか数ヶ月前、
「中学生で漫画家デビューだー!キユ!キユ!キユ!」
などと騒いで、みんなに週刊誌を配っていた覚えがある。
だが、数週間前に気まぐれでその雑誌を買ってみたが、彼のマンガは載っていなかった。
・・・いや、そんなことなどどうでもいい。
アヒャは牛刀を振りかざすと、雄叫びをあげながらキユの後姿目掛けて猛進した。
一撃で、仕留める。

【男子8番】キユはゲーム開始後、地図を見てとりあえずこのエリアにやってきた。
支給された武器である拳銃、警察官が使うようなそれは、彼に多少の安心感を与えてくれた。
全く、ついていないな。せっかくの連載していた漫画が打ち切られたと思ったら、こんなものに放り込まれるなんて。
ゲームを発案した、痛みを忘れた大人が嫌い。そしてあの放送だ。既に三人も殺されている。心を無くした子供が嫌い。
やっぱり優しい漫画が好・・・!?
キユは何か冷たいものが首輪の下辺りを通り抜けていくのを感じ、次の瞬間に浮遊感を感じた。
だが、その原因に思いを馳せる暇も無く、意識は急速に遠のいていった。

どさっ

地面にキユの生首が転がり落ち、主を失った身体は紅い噴水へと変貌した。
「アーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
アヒャ勝利の叫びをあげると、切れ味が落ちる原因となる血と脂を拭き取り、キユの生首を眺めた。
恐らく自分の死さえ自覚していなかったであろう彼の表情は、間抜けなほどあっけらかんとしていた。
その時だった。彼のアヒャ族の本能が目覚めたのは。
「豆豆まめ豆まめ豆まめ豆豆豆豆まめ豆!!!」
アヒャはキユの生首を掴むと、まだ血の滴るそれを喰い始めた。
「アーヒャヒャヒャヒャヒャ!!!うめぇ!豆うめぇよ!!!」
アヒャは狂っていなかった。正気だった。ただ、アヒャとしての自分に目覚めただけだった。
僅か10分足らずでキユの首を白骨にすると、アヒャは拳銃も、残った首輪も拾わずに、その場を後にした。
死ぬまでに、少しでも多くの『豆』を喰うために。






79 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 23:26 ID:ox2mUuWb
>>1さん【男子3番】はがたがたと震えながら膝を抱えていた。
先程の坂田師匠の叫び声が何度振り払っても脳裏に蘇る。
そして、彼の言うままに逃げ出した後ろから聞こえた銃声。
あの銃声は坂田師匠の言葉を信じるならばネーノ【男子15番】の物だ。
ということは。>>1さんはぐっと唇をかみ締めた。
彼は、やる気になっているのだろうか……?
>>1さんは震えた。震えながら坂田師匠の無事を祈った。
「生きて帰ってきてくれよ、坂田師匠……」
その想いは、彼の本心だった。
自分を逃がしてくれたという恩や自分のせいで彼が死んだらという恐怖もあるにはあるのだが、
それらを除いても>>1さんは坂田師匠のことが心配だったのだ。
ようは、彼はお人よしだったわけである。それも重度の。
暫く膝に頭をうずめていた>>1さんだったが、ふと思いついて自分の荷物を開けた。
赤いカバーの手帳を取り出す。几帳面な彼は、予定などは全てこの中に書き込んでいた。
>>1さんは用心深く、といったほうが良いような手つきでカバーを剥がした。
そして、剥き出しになった拍子を見て微笑んだ。
そこには一枚の写真が貼り付けられていた。
「……リル子さん」
きりりとした目元の少女が数人の女子に囲まれて小さく笑っている。
口元に上るのは歳には合わない大人びた笑みだ。


80 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/01/31 23:27 ID:ox2mUuWb
>>1さんはリル子【女子19番】が好きだった。
いつも大人びた笑みを浮かべ、何処か達観している彼女が。
時には教師さえも揶揄するような毒舌家だったが、なぜか女子には人気があった。
いわゆる「姐御」的存在だったのだろうと、>>1さんは思っている。
……そんな、クラス全員が知っていることしか知らない自分が>>1さんは歯がゆかった。
しかし、それも無理はないことなのだ。
出席番号が離れていたので日直で一緒になることもなかったし、背丈も違うので――リル子のほうが何センチも高かった――行事などで隣り合うこともない。
ただ、遠くから見るだけの片思い。

――彼女は今どうしているのだろう。

>>1さんはカバーを元に戻しながら考えた。
彼女のことだからこのゲームに参加しているとは思えない。
何処か安全なところに隠れている可能性のほうが高いような気がする。
「でもなぁ」
>>1さんは先程の銃声のことをまた思い出していた。
不良グループの良心だと思っていたネーノがこのゲームに乗ったのだ。
人間、きっかけさえあれば誰だって狂気の渦に引き込まれるのかもしれない。
勿論それは、>>1さんだって例外ではないのだろうが。
「……」
>>1さんは荷物を纏めた。
もし彼女がこのゲームに乗っているのならば止めなければならない。
また、彼女が危機に瀕しているならばそれを助けなければならない。
>>1さんは地図を広げた。ここはG-2付近だろう。
高圧電流とやらが張り巡らされている。

――ここは、エリアAの方に行ってみるかな?

エリアAには廃屋があるという。
廃屋――といってもその程度は分からないのだが、もし調度品などがあれば女子はそちらに行くだろう。
得体の知れないビルの一室で眠るのなんて、女子でなくたって嫌だ。
それは潔癖症ゆえの偏った考えであるのだが、>>1さんはそれに気付かなかった。
彼はビルの瓦礫から身を起こすと西の方を見た。

――リル子さんは僕が守るんだ。

彼の背中は朝日に照らされ、金色に光っていた。

【残り38人】

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/01 12:26 ID:uvhGH6vL
坂田師匠死んじゃった(つД`)

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/01 20:44 ID:nXMBfGgD
シナーはD地点をとぼとぼと歩いていた。
「授業妨害王」の称号を持ち、24時間365日うるさく明るいシナーといえど、
こんな状況に放りこまれては、いつもの元気もででこなかった。
安物のデジタル時計を見ると、7時ぴったりを示していた。
私物のバッグからは、1リットルのコーラと焼きソバパン1つだけをデイパックに移し、
バッグごと捨てた。
彼は放送を聞き、いろいろな所へ移動することで接触を防いでいた。
 デイパックの中に、彼の支給武器はしまってあった。
プラスティック爆弾とリモコン。それが彼の武器だった。
ああああ、ふざけんな、ちきしょう。俺はただの中学生だ。殺し合いなんて
やってられっかよ、ボケのカス野郎どもめ。
と、そのとき彼は道に何か落ちているのが見えた。
ん?何だ?なんか光ってる・・・
彼はその光るモノに近づいていった。
「これは・・・」  彼は実際に口に出して言った。
MDウォークマンじゃないか?イヤホンがまだついてるな・・・
落とされてあんまり時間はたってないな・・・
彼はそれを手にとってしげしげと眺めた。
・・ディスクが入ってる・・・ちょっと聞いてみよう・・・
彼はイヤホンを耳にぴったりと当て、1曲目から聞いてみた。
「んん、ゴホン・・・マイクテス・・」 その声は、坂田師匠の声だった。
「えーと、コレを聞いてるヤツ、イヤホンをつけてくれ。」
彼はイヤホンがしっかりついていることを確認した。
「・・・つけたか?次は音をなるべく小さくしてくれ。」
一体、坂田師匠は何がしたいんだ?疑問を胸に感じながらも、彼は
ボリュームを絞り、なんとか聞きとれるくらいの音まで下げた。
「ああ、あー、音小さいな?よし、じゃ本題に入る。」
彼はつばを飲んだ。坂田師匠は一体なにを伝えようとしているんだ?
「これはカンに過ぎないが、首輪には盗聴器がついてる。おそらくだが。」
鼓動が強く打った。さかたししょう。
「説明はしない。なにしろカンなもんでね。そこで、コレを聞いているお前に
頼みがある。大会をぶち壊してくれ。盗聴されてることをふまえて、な」
「あとなるべく人を傷つけないでくれ。仲間を探せ。じゃあ、頼んだぞ」
坂田師匠・・・彼は涙がこぼれた。そのMDのむこうには、いつもと
変わらない、正義感ある坂田師匠がいたからだ。懐かしさがこみあげてきた。
そこでMDの録音は終っていた。その後に、彼が好んだ落語が流れてきていた。


83 :サンライズdream♪:04/02/01 21:10 ID:zdYD3iIk

                  , """ ,      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                  ,' ■■ ,     < 私もいれてくれ
                  ,'     ,     \__________ 
                 ,'      ,      
            ,,' ""","        """"`,  
            ,'                 ',
           ,' ,'''" `,    ▼▼  ,'"`,   ',
           ,'  '    '   〓● ,'  ',   ',
            `,  ',  ',   〓  ,'   ,'  ,"
             `, "  ,      '   ," ,"
            , ' , '  ,       '   ',  ' ,
           ,,',,,,,'   ,    ,,   '   ', ,,,,,'
                ,   " "  "
                ,   "  "   "
               ,  "    "  "
               ,  "     "  
              ,  "      "  "
             ,  "        "  "
            , '  '          "  ",,,,, ,,
        , '' ''' "  '            ",,, ,,,,, ,, `
       ' """""""       
        
        バトル・ロワイアルか・・・、おもしろそうだな


84 : ( ・∀・)⊃ ◆HP7743lu6Q :04/02/01 23:07 ID:CAYOwBSG
ッパ【男子3番】はおにぎり【男子6番】と出会った後、エリアB(4-D)から南下していた。
ッパはとりあえず仲間が出来たのがうれしかったらしく、
先ほどからしきりにおにぎりにお菓子をすすめている。
当のおにぎりも一人は心細く、仲間を探していたらしい。

「ところでおにぎり君、バッグの中身はもう見たのかい?」
ふとッパがたずねた。
「そういえばまだ開けてないような・・・」
おにぎりはデイパックを開けた。ッパもそれを覗き込むようにして見ている。
なるほど、やはり自分と同じように地図、コンパス、懐中電灯、食料と水は入っていた。
そして肝心の支給武器、おにぎりがバッグの中をごそごそと探している。
(スパイクは武器としてではなく、登山用に彼が自宅からはいてきたものである。)
するとおにぎりの手になにかごつごつしたものがあたった。
それを取り出して見てみる。太陽にてらされて鈍く光っている。

「拳銃・・・」
おにぎりの手に冷たくそして重量感が走る。
おにぎりにとって初めての感覚。
彼はいたって普通の中学生だったため、
拳銃など持つことはおろか映画やテレビなどでしか見たことがなかった。
「拳銃か・・・」
ッパが小声で呟く。これはいわゆる「当たり」だ。
ッパは考えた。これがあれば戦闘力は大幅に増加するし、特攻を仕掛けるにしても大いに役に立つ。
ッパはこれでさらに脱出の可能性が大きくなったと感じた。

「ねぇ」
おにぎりがいきなり声をかけた。
「どうしたんだい?」
「こんなの使い方が分からないよ・・・。なにより物騒だし・・・」
普段「ワッショイ!ワッショイ!」と叫んでいる人物とは思えないほど彼の声は暗かった。
それほどこのゲームが恐ろしいものだと各々が思い始めているのだろう。
「とりあえず説明書を読んでみよう。」
もちろん説明書は入っていた。
「S&W取扱説明書」
「!!」
―S&W―拳銃にほとんど興味のない彼でもこの名前は知っていた。
「これどうする?」
ッパがおにぎりに聞く。
「とりあえず君が持っててくれよ。僕は怖いから・・・」
「そうか。じゃぁこれは僕が持っておくよ。」

その後ッパとおにぎりはふたたび歩き出した。
その心の中にかすかな希望を信じて――――

【残り38人】

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/02 14:40 ID:wEH9xT3y
【男子14番】ドクオは、エリアCのビルに身を潜めていた。
ホテルだったのだろうか?部屋が沢山あり、ベッドもある。
ドクオは、その一つに寝転んでいた。
羽毛の感触がドクオの体を包む。
ああ、気持ちいいぜ畜生・・・俺の住んでたボロアパートとは全く違うな・・・
ボロアパート。あの糞ボロアパートだ。
壁はボロボロ変なにおいがするし、布団は滅茶苦茶固ぇ安物だ。
しかも、毎夜隣の部屋から擬音が聞こえてきやがる。ギシギシアンアン
毎晩そんな事して楽しいか?毎晩毎晩ヤる奴ってのは決まって醜男、醜棲だ。
しかも学校まで歩いて50分もかかるとくらぁ。ありえねぇよな。
はっきり言って歩くのマンドクセし、苦労して行った所で糞どもがいるだけで面白い事なんて何もねぇからな。
だから、行かなかった。引きこもってやった。
独りのほうが気楽に生きてける。飯は糞ババァが勝手に運んできてくれるしな。
・・・という事で俺は入学式と、2年生、3年生になった当日以外はずっと家に引きこもってた。
・・・自分でも引きこもりって自覚してるよ。ああ?文句あるかコラ。
・・・だから俺はこのゲームでも引きこもってやる。武器がねぇんだよ。悪いか?

ト・・・ト・・・

・・・足音?
誰かが入ってきやがったか?そうか。当たり前だけど俺以外の奴がここに来る可能性もあるんだな。
ドクオは、ズボンからベルトを引き抜き、ドアの横の壁に体を貼り付けた。
何もその『誰か』がこの部屋に入ってくるとは限らない・・・けど、その可能性も・・・ある。
いや、あった。
ガチャリ

「・・・誰も居ないわよね・・・?」

ドクオは、開いたドアを体当たりで閉め、その人陰の後ろに回りこんだ。やるべき事はもう決まってる。
その『誰か』が、肩から反応しながら、後ろを向こうとする。
遅いよ。遅いんだよぉ。
首を捻る事は出来ねぇよなぁ。だって

ホラ。ベルト。
きつーく締まってんだろぉ?


86 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/02 14:40 ID:wEH9xT3y
それが誰なのか分からない。分かりたくも無い。
とにかく、俺の手で握ってるそれを、その誰かの首に締まってるそれを、引っ張るだけ。
前の誰かがもがく。手をばたばた。髪をぶんぶん。蟲みてぇだ。蟲。蟲だな。
声を出したいらしいな。でも出せねぇだろ。首をきつーく絞められて。
だから、出るのは隙間風のような嗚咽だけ。
すひーすひーひゅうるりひゅうるりひーっすひーっす
苦しいか?辛いか?痛いか?そんなの俺の知ったこっちゃねぇよな。
ギリギリ、という首とベルトが擦れる音だけが部屋中に響く。
もう、もがくのは、止めろ。もう、死にたいんだろ?なら、もがくのは、やめにして、おとなしく、死んじまえ。
ドクオは、なお、首を絞め続けた。
首を絞められてるその誰かも、もがき続けた。
永遠のような時間が流れる。
もう何分も経っただろうか。いや、何時間?
時の流れが妙に遅く感じる。
次第に、その誰かの動きが緩くなって来た。
最初の方は激しくもがいてたのが、今は小さく、踏み潰されたがまだ生きている蟲のような、ささやかな抵抗。
無理だと分かっていても抵抗し続けている。
その姿を見ていると、引っ張るのを止めたくなる。
でも、それは無理だ。もう・・・もう・・・!

いつしか、その誰かは床に力なく崩れ落ちていた。
その顔は、ドクオは誰なのか全く覚えていない。(ちなみに、そいつは【女子17番】モナカ。
顔は、血管が浮き上がり、薄紫色に変色している。
眼は完全に白目を向いている。そして、口から大量の泡。
・・・人を殺しちまった。・・・俺は。
ドクオは、その『誰か』のディパックから、食料とブッシュナイフを抜き取り、自分のディパックに仕舞った。
人を殺してしまったという罪悪感が、ドクオに重くのしかかる。

もう、もう、後戻りは出来ねぇよな。

【残り37人】

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/02 16:01 ID:S65qqXGG
モナー【男子20番】は眠そうな顔をしながら茂みの中から這い出た。
放送を聞いたあと、すぐ眠ってしまったのだ。
腕時計を確認すると、眠っていた時間は十分程度のようだ。
眠い目をこすりながら、欠伸をする。
殆ど疲れは取れていない。体中がだるかった。
「……もうひと眠り、するかな?」
一瞬そんな甘い考えが浮かぶが、無理矢理それを振り払った。
ここで眠ったら、先程のように襲撃されるかもしれない。
モナーは頬に手を触れた。
ショボーン【男子11番】に夜のうちに撃たれた傷が固まっている。
本当はバンドエイド等を傷に貼っておけば良かったのだろうが、モナーは生憎持ち合わせていなかったのだ。
モナーは溜息をつき、項垂れた。
こんなゲームの中でとはいえ、クラスメイトと話し合いが出来ないとは、思いもよらなかった。
どんなに恐怖に襲われていても、それでも皆武器を取るようなことはしないと思っていた。
それなのに。
「……」
モナーは無理矢理その考えを隅に押しやった。
これ以上考えて何になるというのだ。
今モナーが考えるべきなのは、「これからどうするか」ということだ。
モナーは普段あまり使わない脳をフル回転して考えた。
考えて出た結論。それは、やっぱり話し合うべきなんじゃないかというものだった。
ショボーンだけではなく、クラスにはまだ生徒がいる。
ギコ【男子7番】やさいたま【男子9番】、おにぎり【男子6番】辺りならば話を聞いてくれるかもしれない。
よし、やれる。
モナーは微かに希望を見出した。
早速出発しようと荷物を纏め始めたとき、微かな物音を聞いたような気がした。
この辺りは茂みが多く、どれだけ慎重に動いても音がしてしまう。
自分の物音かなあと手を休めてみたが、物音は尚も続いている。
しかもその音は少しずつ大きくなっているようだった。
「……!」
モナーの胸裏に再び恐怖の二文字が過ぎる。
誰か殺る気になっている奴が自分を狙いにきたのだろうか。
モナーはポケットから果物ナイフを抜き出した。
がたがたと震える手で握り締める。


88 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/02 16:01 ID:S65qqXGG
「だ、誰かいる……モナ?」
モナーはやっとそれだけのことを言った。
物音がぴたりと止まる。ひょこりと茂みから耳がのぞき、そして顔がのぞいた。
「め、メモラー君……モナ?」
モナーがそう声をかけると、メモラー【男子19番】はがさりと茂みから身を起こした。
そのままメモラーが近づいてこなかったので、モナーは少し安心した。
殺すつもりなら、こちらに向かってくるだろうし。
モナーは笑顔を作った。
「驚いたモナ。まさかメモラー君とは思わなくって。ところで、メモラー君……」
モナーはそこでふとメモラーの視線が一点に集中して動かないのを知った。
その一点とは、モナーの手に握られた果物ナイフだった。
ああ、とモナーは声をあげた。
メモラーは果物ナイフに怯えて近寄って来れないんじゃないか。
そして、不用意に刃物を持ち出した自分を恥じながら、モナーはナイフを鞘に収めた。
「ごめんごめん、こんな危ない物持ってちゃ近づけないモナね」
「……」
それでも何も答えないメモラーに、さすがのモナーも不信を覚えた。
「メモラー君?」
「……」
何も答えないまま、メモラーは一歩モナーに近づいた。
反射的にモナーは後退さってしまった。何故だかはモナー自身にも分からない。
ただ、メモラーが恐ろしく感じられたのだ。
それは、ショボーンに感じた恐怖とはまた違った。
メモラーがすっと右手を上げる。その手に握られている物を見て、モナーはやっと事の異常さを知った。
メモラーの手には銃が握られていたのだ。
モナーはメモラーの顔を見て、悲鳴をあげた。
メモラーの顔には何の表情も浮かんでいない。恐怖も、怒りも、何も。
「め、メモラーく」
「君も」
メモラーは呟いた。
「君も、僕を傷つけるんだろ?殺すんだろ?」
それは小さな声だったが、いやにモナーの耳にはっきりと届いた。
モナーは予想だにしていなかったメモラーの問いかけに驚いた。
「そんなわけ、ないだ」
「嘘だ!」
モナーの言葉をさえぎるようにメモラーが叫んだ。
「だって君は、果物ナイフを握ってるじゃないか」
「今は刃を鞘になおしてるだろう?」
「違う!君は僕が気を抜いた途端に切りつけてくるつもりなんだ。君は僕を傷つけようとしている!」
「メモラー、君は」
「近づくな!絶対君は僕を切りつけるつもりなんだ。そうなんだろ!?」

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/02 16:02 ID:S65qqXGG
メモラーは狂っていた。
表面上では分からないところで、思考の歯車がちぐはぐになってしまったのだ。
原因は、モナーが握り締めていた果物ナイフだ。
あの日幼い彼を切りつけたナイフと同じ形の刃物。
彼はそれを見て、あの時と同じように、自分が傷つけられるのではないかと思ってしまったのだ。
機から見れば小さな、呆れるほどのどうしようもないことではあるが、このゲームに放り込まれた彼にとってはそれは大事な「きっかけ」だったのだ。
本当に狂ってしまう、きっかけ。


モナーは本気で恐怖していた。
話は通じているはずだ。ショボーンの時とは違い、彼はちゃんと応答してくれる。
しかし、その答えは何処かちぐはぐで、自意識過剰で狂っているような印象をモナーに与えた。
モナーは荷物を抱えて後退さった。
メモラーはそれを見て、さらに叫んだ。
「隙を見せようって言う寸法か?!やっぱり君は僕を殺そうとしてるんだ!」
メモラーは銃を両手で構えた。
指が引き金にかかるのを見て、モナーは叫びながら走り出した。
大きな音が一つして、モナーの腕に痛みが走る。
弾が当たったのか。
痛みに体がバランスを崩しそうになるのを堪えて、モナーは走り続ける。
「……!」
もう一度大きな音とともに、腕に走ったよりは小さな痛みが右のふくらはぎに走った。
思わず転んでしまう。
走ってきたらしいメモラーが、息を乱しながらモナーの前に立った。
「こ、殺してやる、殺してやる……」
モナーは観念してめをつぶった。
もうだめだ。
メモラーが薄く笑いながら引き金を引いた――

ドンッ

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/02 16:03 ID:S65qqXGG
確かに銃声が響いた。はずだ。
その証拠に耳が痛く、じんじんと痺れている。近くで大きな音が起こったせいだ。
なのに、何故体が痛くないんだろう。
「い、痛っ……!」
メモラーの呻き声に、モナーはやっと目を開けた。
メモラーの手に握られている銃からは確かに発射されたという煙が出ているのだが、
モナーの体には銃弾は掠っていないようだった。
こんな至近距離ではずした?
モナーが混乱していると、メモラーががばっと顔をあげた。
思わず体を強張らせたモナーの、さらに後ろの方を睨みつけている。
モナーはそこでやっと気付いた。
メモラーの二の腕からなにか細い棒のようなものが出ている。
「お前、お前……」
「動かないで!」
意志の強そうな、耳に馴染んだ声。
はっとして、モナーは背後を振り返った。
短めのスカートと長い髪が、弱い風にひらひらと揺れている。
「モナー君」
銃に弓矢を取り付けたような物を手に持ちながら、その女子――レモナ【女子21番】が笑った。
武器を構え、メモラーを睨みつけたまま。
「大丈夫?怪我は無かった?」
「お、お前!僕を、僕を!!」
メモラーがそう叫びながら、矢が刺さったままの手で銃を構えた。
レモナが舌打ちを一つして、武器を構える。
シュッと小さな音がして、次の瞬間メモラーの腕にもう一本矢が立つ。
今度こそ、メモラーは銃を取り落とした。
「モナー君、走れる?」
レモナがモナーの腕を取った。
モナーは慌てながらも頷き、痛む足で立ち上がった。
モナーを引きずるように走り出したレモナの後姿を、メモラーは呆然と眺めていた。
その目に、狂気と怒りの光が宿るのに時間はかからなかった。

【残り36人】(>80で残り人数を間違えていた)

91 :流星 ◆XlCwCSrTaU :04/02/02 17:17 ID:YhkIuNuE
さいたま右(男子9番)は、放送の後、すぐにベットに体を横たえた。
放送で、名前が呼ばれたのは、フェラーチョ(男子17番)、あめねこ(女子1番)、みるまら(男子13番)の3人だった。
特に親しくはない生徒たちなので、右は胸を撫で下ろした。また禁止エリアも自分の居るエリアAのB-3には関係がない。
右は横たえた体を起こして、ふと、思った。

もう人が死んでるんだ・・・それも3人・・・なのに、何で僕はこんなに安心しているんだ?
いつ死ぬかもわからないこの状況で――ああ、僕はここで死ぬんだ・・・でも生きて帰りたい――嫌だよ死ぬのは・・・

右はそう思うと、少し小腹が空いたと感じ、すぐ隣の机に置いてあった自分のデイパックを漁った。
中から、ナイロン袋に密閉された、丸いパンとペットボトルに入った水(ラベルにはマターリの水なんて、馬鹿らしいネーミングが書かれていた)を取り出した。
右はパンのナイロンをビリッと開け、いかにも味気なさそうな、それを一口かじった。やはり、まずい。それは自分の手についた血の味も少し混ざっていたような感じもする。
でも貴重な食料だ大切に食べなければ。右は食料をきちんと、デイパックに詰め込み、またベットに横になった。

これからどうしようか?信用できる仲間を探す?モナーやッパ達なら信用できるかな?でも・・・自分にそんなことができる勇気があるのか?
もしかしたら、完全にゲームに乗ってる奴が居るかもしれない。だから外を歩くのは危険だ。
勇気を出してがんばってみようか?でも、体がだるい。少し休むか・・・また起きたら何か考えよう。

右はまた、ベットに体を横たえ、柔らかい毛布に身を包み、少しの間眠ることにした。
眠れば少し気も良くなる。――モナーや他のみんなは大丈夫かな?
最後に右はクラスメイトの事を心配し、ゆっくりと目を閉じ、睡眠した。

【残り36人】


92 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 00:09 ID:r9fH9y5T
モナエ(女子15番)は、建設途中のビルが立ち並ぶエリアCにいた。多分ここは地図で言うとF-3の真中辺りになる。
あちこちに放棄されたビルの骨組みと散らばっている建設材料らしきものが目につく場所であった。政府支給の時計に目を落とすと、その時刻は九時四分を指していた。
この時計が正確なら、もうA-6エリアは禁止エリアとやらに入っているだろう。
金属の棒や錆びた建設機材などに囲まれた場所に、モナエは腰を下ろしていた。出発してからまだ誰にも会っていないのはこのガラクタで作ったバリケードのおかげでもあるだろう。
エリア51を出発した後、モナエは一度E-6の高層ビルの影に身を隠し、デイパックを開けた。そこに入っていた支給武器は何の変哲もない斧であった。物足りない気もするがこれしか武器はなかった。
その後デイパックに私物から必要なもの(鉛筆や必要のだけの服やタオルなど、それと隠して持ってきた菓子類だ)だけを取ると、私物のバッグはその場に捨てた。
中に携帯電話もあったが、通話をしてみると「残念、電話は使えません」と担当官モララーの声が聞こえてきた。モナエは携帯電話は使えないと判断してこれも私物と共に捨てた。
(ちなみに、ッパ(男子13番)が何故インターネットに繋げることができたのかと言うと、このすぐ近くの電話局は政府が押さえており、電話は使えない状況だったが、ダイヤルアップ接続だけは状況を見て接続を許可していた。
即ち政府の判断でッパのインターネットは機能しているわけである)
その後、デイパックだけを持って、このF-3に来たのだ。
夜のうちにバラバラに置いてあった建設機材を集め、そこに守られる形で身を隠した。これならば一応見つかりにくいし、いざという時は多少の銃弾を防げる。
夜、そして朝、銃声が何度か聞こえていたが、特にこの近くで鳴ることはなかった。そのことに多少は安著をしたが、放送で呼ばれる退場者の名前を聞くたびに、気分が悪くなった。今も順調に殺し合いは進んでいるのだろう。
モナエはクラスメイトを殺すということは無理であったし、優勝する気もまんざらなかった。しかしはいそうですかとやられる気も毛頭なく―――つまり、脱出。この会場からの脱出を考えた。
その事に関してモナエはいろいろ考えた。高圧電流と海に囲まれた会場で、更に海には見張りの船が浮かんでいる(これはエリア51の窓から見た)。つまり四方は完全に固められているということになる。
そして大事なのはこの首輪であった。政府の思考で、いつでも爆破できる―――この首輪をどうにかしないと、脱出は到底不可能だろう。
まず考えたのは首輪そのものを外してしまうことだった。「はずそうとすると爆発します」とモララーは言っていたけれど、これはブラフなのではないかと考えた。
しかし、このゲームの安全性を考えると、やはりはずすと爆発するという機能はつけているだろう。危険な橋は渡らない、これは諦めた。
次に考えたのは首輪の機能自体を無効化するということだった。エリア51を出るときに他の部屋に目を通すと、何台もの大きなコンピューターが髪の毛のようなコードを何本もつけていたのが目に入った。
多分首輪を操作はコンピューターでやるのだろうと想像はついていたので、首輪のコントロールをしているサーバーを壊せば、首輪の効果はなくなるということだった。
しかし電話は使えない上に、そのために必要なものは持っていない。パソコン、そしてハッキングやクラッキングのスキルだ。いや、スキルに関しては問題ないか―――?
モナエは思った。冷たい壁、銃、運動、勉強。「我らが立たねばならん」聞き飽きた父親の声、射撃場、コンピュータ、暗い室内、簡易ベッド―――
ため息をつき、そのことについて考えた。モナエの父親は、この国の政府に異議を唱えていた集団の結構上の立場だった。そして政府との話し合いが無理だと判断し―――
いつものように、モナエは小学校から帰ってきた。ああ、あれは確かあたしが小学校五年生のときだ。
比較的大きな家の玄関の扉を開けると、いつもなら誰もいないはずだった。両親は共働きだったし、今日も友達の家に遊びに行こうかと思った。
しかし家の中には、両親がいた。二人ともいつもとは違う、暗い、鎮痛な表情だった。いや両親は元から頑固で明るくはなかったが、今日は何かが違うと、わかった。
赤いランドセルを玄関に置いて両親のことを不安にしつつも外に出ようとしたその時―――父親の、威圧のある声が、静かに言った。
モナエはびくっとしてドアノブにかかっていた手の動きを止めた。
「モナエ、お前は今日から―――」

【残り36人】

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 00:11 ID:r9fH9y5T
その日から、地獄のような日々が始まった。まずは運動しろと、両親に言われた、毎日マラソンや腕立て伏せなどをして体を鍛えた。あまり体力がなかったモナエにとって、この日々は辛かった。
すぐに拒絶したのだが、両親から返ってくる答えは平手打ちだけだった。「そんなことを言う前に練習をしろ!」何度も、部屋の片隅、涙を流すだけの日々が続いた。
小学校に行かなくなり、集中的な訓練が続いた。世界の知識などもどんどん頭に詰め込まれ、空手などもしこまれた。自殺しようと何度も思ったが、できなかった。自分は弱虫だと思いながら、同じ日々だけがどんどんすぎた。
そんなことをやっている間に中学生になった。中学生になると射撃まで教えられた(自宅を増築して地下に射撃場ができた)。毎日銃、そして的と向き合い、地下に設置された簡易ベッドで眠った。その冷たい感触は、今も続いている。
中学二年生、ようやく学校に通い始めた。彼女は成績抜群で運動も――しかし手を抜きながら学校生活を楽しんでいた。普通の女の子として生きるのは、こんなに楽しいものなのだと思い、また一人涙を流す日々だけが延々と続く。いつ終わるのだろう、これは。
一年後?五年後?あるいは永遠か?
訓練は絶えず続けられた。中学三年生になって、ようやく父親の訓練もやさしくなった時―――このゲームだ。確かに自分の実力があれば優勝も可能かも知れない。だがそれは出来ない。友達を殺すほどあたしは馬鹿な女ではない。
その考えは、テロリスト候補生として何度も訓練を受けてきた彼女の中で揺るぎないものだった。今このゲームで自分がやるべきことは、この豊富な知識を利用してみんなを脱出させる。馬鹿な自分には、それしかできない。
しかしどうやってそのことを伝えようか迷った。大声で叫んでもそれは「やる気」の奴に撃ってくださいと言ってるだけだろう。とりあえず、今は隠れながら対策を練ることだ。
ハッキング、エリア51のコンピューターに、ハッキングをかける手腕はあるだろうか?エリア51にはコンピューターを管理している人間がいるのだろう。その者達に気付かれず、ハッキングを行えるだろうか。
いくら訓練を受けてきたとは言え、コンピューターの扱いの訓練は彼女が中学三年生になってからのことで、もちろん実践なんてしたこともない。戦闘もそうだ、いくら自分が訓練を受けたとは言え、襲ってくる相手から素早く逃げれるだろうか?
―――大丈夫だろう、自信はある。自分が受けたあの地獄は、少なくともこのゲームで役に立つものくらいは与えてくれたようだ。あの世界で一番嫌いな父親に、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ感謝した。
パソコンくらいなら家で徴収できるか、電話はどうする?どうする、ハッキングのためのツールはどうする?問題は山積みだったが、今はただ行動を起こすしかないようだ。可能性が一パーセントでもやる。いやはや、うさんくさい台詞である。
あたしはベストを尽くす。これまで見続けた悪夢で、このゲームを壊すことができたら、悪魔に感謝してやろうってもんだ。
結果は努力についてくる、精一杯努力はした。あとは結果がどうなるか。どう転んでも、ベストを尽くすのみだ。
とりあえず今は行動しなければいけない、そう、まずはパソコンを探して―――
からん、という金属が転がる音、そして、ざっという靴が地面を滑る音が聞こえた。モナエは思考を中断し、身を低くかがめた。

【残り36人】

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 00:12 ID:r9fH9y5T
―――誰かがいる!
デイパックを掴んで、斧を右手に持った。もちろんこちらはやる気はないのだけども、相手が撃ってくるなら―――逃げないといけない、もし相手が襲ってくるなら―――どうする。
クラスメイトを危険に晒さないためにはやる気の人間を減らすのが一番効果だ。しかし、もし相手が混乱していただけならどうする?それにさっき自分でクラスメイトを殺す覚悟はないと言っていたじゃないか、決断力がない、優柔不断。あたしの悪いところ。
唇を結び―――考えた。時間は少ない。何故ならその誰かは、既にモナエの作ったバリケードが見える場所にいたのだ。ざっ、ざっという音は続いているが、止まる気配はない。気付いていないのだ。
どうする、いや待て、まず、誰なのかを確認するのが先だろう、親しい友達(不良とかではない普通の女の子とは比較的仲がよかった)なら安心できる、いつもは悪ぶっている生徒も、こんな状況だとどっちに転ぶかわからないものだ。
モナエはバリケードの隙間から顔をちらっと出し―――誰かがわかった。ドクオ(男子14番)だろう。いつもはおとなしくて目立たない、ただしパソコンは得意らしく(モナエほどではないが)、コンピュータの授業だとよく目立つ生徒だった。
彼はまっすぐ前方を見据えており、モナエから見て手前にある右手に、先が丸みをおびたナイフを持っていた。
(ブッシュナイフだ、と分かった。父親はナイフの種類も念入りにモナエに叩きこませた。ブッシュナイフ、先が丸みをおびているナイフだ。ツタや木の枝を切るのに適しているんだ。ああ、そうなんですか)
話し掛けるかどうか迷ったが(何せ、普段おとなしい人は何をするかわからない。これは偏見かも知れないが)、その考えはどうやら必要なさそうだった。ドクオの方から、モナエがいる場所に振り向いたからだ。
「あ…」とドクオが言った。モナエは何も言わず体を起こした。さい、これからどうなるか、組むことになるのか、それとも襲ってくるのか(挑発しないため斧は素早く左手に持ち替え、バリケードに隠れるように持った)?
―――十秒くらい経った。動きはなかった。ドクオは、バリケードに隠された左手の辺りをまじまじと見つめていた。そして次の瞬間、ブッシュナイフを振りあげ、こちらに襲いかかってきた(斧の端が見えたか?)!
モナエは左手に掴んだ斧を利き腕の右手に持ち替え、ドクオの動きをよく見た。縦に振り下ろすか、それとも突き刺そうとするか、もしくは―――
ドクオはモナエの二メートル先まで近づき、次の瞬間、ブッシュナイフを突き刺す動きに変わった。まっすぐ胸の辺りを狙っていた。モナエは体を横はして避けると、すぐさま見えたドクオの横顔にパンチを入れた。
「うがっ」とドクオがうめき、地面にくずおれた。ブッシュナイフが右腕から落ちて、地面を少しだけ滑った。モナエはドクオがそれを拾おうとする前に、右足でブッシュナイフの柄を踏みつけていた。ドクオがゆっくりと顔を上げた。

【残り36人】

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 00:13 ID:r9fH9y5T
「やる気充分のようね」
「あいててて…何て女だ」
ドクオはそう言って、顔の辺りを押さえながら起き上がった。ドクオの鼻から血が少し出ていた。我ながらいいパンチである。ドクオの表情に、焦りの色が出ている気がした。
「お、俺を殺すのか」
ドクオがそう言って、すまない、という顔になった。いやはや変わり身が早い、それとも、混乱していただけなのか?
「怖かったんだ、た、助けてくれ」
そう言ってドクオは哀願するように腰を降ろした。こうなっては殺すことは無理というものだろう。恐怖で錯乱していただけなら、仕方ないものだろう。
「ちょっとデイパックを調べるわよ」
そう言ってモナエはドクオのデイパックを拾い、自分の近くへと寄せた。
ジッパーをはずし、中身を見た。ブッシュナイフを右足から拾い、斧を自分のデイパックに仕舞うと、ブッシュナイフを右手に持ったまま、ドクオの動きに警戒しながら持ち物を物色した。これじゃあ荷物検査だ。
武器はこれ以上入っていなかった。つまりブッシュナイフは支給武器なのだろう。安著してデイパックのジッパーを閉じ、ドクオに一緒に行動しないか話し掛けることを考えた時、あるものが目に止まった。
支給された食料のパンであった。これは各生徒のデイパックに二つずつ入っているのだろうが、おかしかった、何かがおかしかった。そして、考えるまでもなく結論を出した。
「お、おい――」
ドクオが慌てた口調でモナエに話しかけた。モナエはため息をつくと、ドクオのデイパックのジッパーを閉じ、デイパックだけをドクオの方に置いた。今度は自分のデイパックの中に置いた斧を取り出し、ブッシュナイフをスカートの中に差し込んで、斧を再び右手に持った。
「殺すつもりはないわ。ただし、すぐにあたしの前から移動して。このナイフは残念だけど没収よ」
「あ、ああ」
ドクオは震える声でそう言うと、デイパックを掴み、走り去っていった。モナエはその後ろ姿が見えなくなるまで見つづけ、ようやく景色の中にドクオの影が消えると、さっきのバリケードの中に再び移動した。
―――ドクオのデイパックには、パンが四個あった、つまり―――誰かのデイパックからパンを持ち出したということだ。ということは既に彼は、誰かを殺している可能性があった。そんな生徒とは、もちろん組むことは、できなかった。
ちなみにそのパンはドクオがビルの中でモナカ(女子17番)を殺したときにデイパックから持ち去ったものだったので、モナエの推測は当たっていたことになる。
やはり、慎重に行動しなければいけない―――
そう思い、モナエはバリケードの中で再び夜を待った。行動するのは、暗くなってからでよさそうだった。

【残り36人】

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 17:38 ID:Lk58Z3Wz
でぃ【女子9番】は窓から、地上を見下ろしていた。
壁が全てガラス張りになっているという、悪趣味としか思えないような部屋なので、
見通しだけは良かった。
ただそれは、外から自分たちの姿が丸見えだということでもあった。
夜のうちに入り込んだビルだったので、窓の事情が分からなかったのだ。
「……」
でぃは、部屋にかかっている壁時計を見た。
先ほど見た時からあまり針は進んでいない。
時間が長く感じられた。
でぃは、しかし少し微笑みながらガラスに視線を移した。
ガラスには、ぼんやりと自分の背後が映っている。
散乱した仕事机などがごろごろと転がっている中で、その存在は異質な物に思えた。
部屋のどこかからか引っ張り出してきた毛布に包まって仮眠を取っている背中。
ガナー【女子4番】だ。
夜のうちに知り合い、いろいろあって結局仲間になった。
仲間になるといった時のガナーの嬉しそうな顔が、今でもはっきりと思い出せる。
「……仲間、か」
ほんの少し擽ったそうに、しかし嬉しそうにでぃは笑った。
仲間。青臭い言葉であるが、でぃにとっては馴染みの薄い言葉。

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 17:39 ID:Lk58Z3Wz
でぃには昔から仲間なんていなかった。
それは体中に刻まれた傷や、根暗な性格がそうさせているのだろうが。
幼少の時はまだ仲間に入れてくれようとする女子もいたのだが、でぃは矢張りその輪にも馴染むことが出来なかった。
皆と違う見た目や、その他のさまざまな理由がでぃに引け目を感じさせていたのだ。
そのうち誘ってくれる者もいなくなり、でぃは本格的に独りぼっちになっていった。
傷だらけで独りぼっちの根暗。
でぃがイジメのターゲットになるまでに、時間はかからなかった。
かばってくれる者は、いないという訳ではなかった。
しかし、それでもでぃは苛められ続けた。
一番酷く苛めてきた相手は、みるまら【女子13番】とづー【女子8番】だった。
みるまらには、見た目で。づーには、ある理由――でぃの親のことらしい。でぃはあまり知らない――で。
みるまらはともかく、づーには確固たる理由があるのだから、あまり抵抗してはいけないとでぃは思った。
それは結局、「苛めても反応しない薄気味悪い女」としてでぃの苛めを悪化させる要因となったのだが。
それも、全部自分が悪いのだとでぃは耐えていた。
勿論でぃだって寂しかったが、
このゲームでも、自分は独りぼっちで死んでいくのだと思っていた。
それが。

でぃは自分の腕を見た。
ガナーに切りつけられた――まあ、それは偶然だったのだが――傷に包帯が巻かれている。
清潔なガーゼが、真っ白な包帯で留められているのをでぃは人差し指でなぞった。
ガナーが、謝りながら手当てしてくれた物だ。
初めて他人に巻いてもらった包帯だ。
でぃは、小さく上下する「初めての仲間」の肩を見ながら、心の中で誓った。
この人だけは、何があっても自分が守るのだ、と。

【残り36人】


98 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 17:39 ID:Lk58Z3Wz
私のお父さんはお医者さんでした。
家族が住む所と診察する所が隣り合っているような家で診察をしていました。
特に腕が良かったわけではなかったそうですが、誰にでも親切で優しい、「町のお医者さん」みたいな感じだったそうです。
私はお父さんが大好きでした。尊敬していました。
でも、お父さんはもういません。

づー【女子8番】はC-2を高圧電線沿いに歩いていた。
手には支給武器の金属バットが握られている。
がりがりと地面をバットで引っかきながら、づーは東へと歩いていた。
その顔は、憎悪にまみれている。

私のお父さんは殺されました。
患者さんに殺されました。
その患者さんはアルコール中毒で、その日もかなり酔っていました。
意識が朦朧としているその患者さんをお父さんは治療しようとしました。
でも、

づーは地面を思い切りバットで殴った。
振動がびりびりと手に伝わる。
づーの頬に涙が一筋流れた。

でも、治療の途中で意識を取り戻したその男は、
錯乱していたのか、お父さんの首を、

首を


づーは地面にしゃがみ込んだ。
涙が後から後から溢れてくる。
乾燥した土に、涙がしみこんでいった。
「……お父さん」
今でも思い出す、その夜を。
物凄い音がして、眠っていた幼いづーは目覚めた。
隣で寝ていたはずの母の姿が見えず、づーは起き上がった。
父の所か、と診察所へのドアを開けたづーの目に飛び込んできたのは、
暴れる男とその男を取り押さえている近所のおじさん。泣き叫ぶ母と、

お父さんの死に顔は、本当に苦しそうだった。

「……」
づーは涙をぬぐった。
唇を思い切りかみ締める。血がにじんだけれど構わなかった。
バットを引きずり、再び歩き出す。

やがてその男がアルコール中毒で死んだということが私の耳に入りました。
父を殺した男に子供がいるということも、同時に知りました。
それからはその男の子供を父の敵として、私は苛めて苛めて苛めて。
そして、このゲームに放り込まれました。
その子供と一緒に。

「絶対に殺してやる。……でぃ」

【残り36人】

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 17:48 ID:SAYhkP7S
ドクオ(男子14番)は、エリアCの辺りをまだうろついていた。
手には既に武器は無い。あの怪物女に奪われてしまった。
――くそっ!何て奴だ!
ドクオは、その事を思い出しながら足元の石を蹴った。
・・・これからどうしよう。武器がまた無くなってしまった。
そう都合よくベルトで殺せるはずが無い。・・・という事はまた何処かに身を潜めるしかないか・・・
ドクオはそう考えると、近くの建設途中のビルに入る事にした。
瓦礫がそこら中に散らばっている。随分荒れているビルだ。
・・・ちょっと待て。
ドクオは、そのビルに一足踏み入れた途端、はるか前方に何かが横たわっているのが見えた。
死体だろうか。
ドクオは、妙な緊張感と興奮感を覚えながら、その死体へと近づいた。
そして、間近まで来てその死体が【男子10番】坂田師匠である事が分かった。
・・・坂田?
そうだ。あの俺の武器を奪いくさりやがった坂田の野郎だ。
ケケケ、こんな目になりやがって。ざまぁみろ。
ドクオは、床に蹲る坂田を嘲笑した。
・・・待てよ。
と、ドクオはその坂田が何か握っている事に気付いた。
ドクオは、その何かを坂田の手からもぎ取った。
死後硬直が始っているらしく、取るのには時間がかかった。
・・・間違いない。それは、元はドクオの支給武器であるベレッタM92であった。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドクオは叫びだそうになるのを必死でこらえながら、笑った。笑い続けた。
くくくくくくく、何て俺は運がいいんだろうか!まさか奪われた支給武器が戻ってくるなんてよぉ!
ドクオはベレッタを腰にすえつけ、坂田の死体を一蹴すると、そのビルをすぐに立ち去った。
もうこんな所には用は無い。後は・・・獲物だ!俺の獲物!!
ドクオの顔には、歓喜と狂気に満ちていた。

【残り36人】


100 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 18:23 ID:r9fH9y5T
黒い、チョークの跡がいくつも残った古い黒板が前方の視界に写り、茶色い木の教壇、その奥に眼鏡をかけた―――ああ、あれは社会科のムスカ先生だ。
目の前に広がった光景は、まぎれもなくいつもの教室、いつものみんなが生活している教室そのものだった。
―――あれ?
今は殺し合いの最中では、なかったのだろうか?
左に目を転じた。すぐ左は窓になっている。自分の席は、席順で言うと一番左側の列だった。そして、その窓越しに見えたのは、これも見覚えがある校庭のグラウンドだった。
数人の生徒が、体育の授業でもやっているのか、運動着姿で走りまわっている。いつもの、窓から見る光景にそっくりだった。
右に目を転じた。自分の隣の席、いつも隣に座っているねここ(女子11番)が目についた。いつも見る横顔。少し可愛げのある、普通の女の子だ。これもいつもと同じ光景。
下を見ると、茶色い木の板が張られた机が見えた。そしてその机には、ところどころに落書きされている社会化のノートと、社会化の教科書が広がっていた。これも―――同じだった。
全てがいつもと同じだった。静かに教壇と黒板を見据える生徒、後ろの生徒と何か話している生徒、使い古したシャープペンシル、先が削れた消しゴム――
ようやく、頭に一つの思考が戻ってきた。―――夢―――
夢を、見ていたのだ、と理解した。それはあまりにも非現実的な夢だった。ばかばかしい、いくらこんな国でも、生徒を殺し合わせるってのはないだろう。それは、馬鹿げているだろう。
いつも思う、夢というものは、目覚めた時にようやく非現実的だったことに気付く。夢の中で必死に銃をもって、ごくごく温厚なモナー君を撃っていた自分が恥ずかしかった。そういえばレモナさんにボウガンで撃たれたな―――
左腕を見た。傷なんて、どこにもなかった。やっぱり夢だ、悪夢、そう、あれはまぎれもない悪夢だったのだ。
ほぅ、と小さくため息をついた。殺し合いなんて―――あるわけがないだろう、ひどい夢を見てしまったものだ。このことをごく親しい友達に話すと、笑ってくれるのは間違いないだろう。
そうだ、今は勉強に集中しないと。高校受験もそろそろ控えている。家庭用ゲーム板高校。偏差値は突破していたけど、油断してはいられない。勉強に集中しよう。
黒板を見た、そこには、何故か何も書かれていなかった。おかしいな、と感じた。「ハハ、見ろ!今川義元がゴミのようだ!」とか言って熱心に指導しているムスカ先生が、黒板に何も書かないのはおかしかった。
ああ、今は授業が始まったばかり―――いや、黒板の上に設置された時計は、既に二時間目の授業開始から三十分も過ぎているじゃないか―――
何かの映像が、フラッシュバックした。ホワイトボード、暗い室内。スーツの男、奇妙な笑み、そして、黒板に書かれた「BR法」の文字―――
まさか、そんな、ことが、あるのだろうか―――
頭がおかしくなりそうだった。これは現実なのか、夢なのか?それともあのゲームが夢で、これが現実で、夢、現実、ん、何がなんだか。銃、モナー、レモナ、ボウガンの矢――
っぱりこの現実は夢で本当はゲームはまだ続いているのだろうか、もしくは、自分が―――死んだ?
うそだ、嘘だ嘘だ、死んだならこんな回想を思いはしない、これは現実だ!殺し合いなんて―――
教壇の奥にいたムスカ先生が、いつの真にかスーツを着ていた。あの男と同じスーツの色だった。後ろ向きに立ち、黒板に何かを書き始めた。
ビー、アール、法律の法。
そんなまさか―――
その男がこちらを振り返った。その口元、にやりと笑みを浮かべ―――
「わああああっ!」
腹の奥から声を振り絞った。気がおかしくなりそうなのを、拒絶するように、叫んだ。叫ぶことしかできなかった。
突然、場面が変わった。古びた木の天井が視界に映り、どこかから射し込んだ光が、自分の体を照らし、まぶしかった。
「よかった、気がついたかぁ」
ショボーン(男子11番)は、奇妙に背の高いその男―――八頭身(男子16番)の言葉にも返事をせず、ただ、ようやく判明した現実に、絶望感だけが膨らんでいた。

【残り36人】

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 20:07 ID:xrClhWUX
シナーはMDウォークマンを止め、それをデイパックに入れた。
ー坂田師匠を見つけなくちゃ。もし見つからなければ、別なヤツを探して
大会本部襲撃だ。やってやる。何だってやってやる。
この爆弾も使える。大会本部襲撃にはうってつけだ。
説明書らしきものを読んで見ると、使用方法も思いのほか簡単だった。
セットして、リモコンの電源いれて、スイッチ、オン。はい死んだー。
さて、と彼は思った。彼は歩こうと足をふみだしたその時、
「オイ」と背後から声がした。

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 21:57 ID:Ql8PdM7Z
ちょっと死ぬペースが遅すぎるような気がするな。
やはり泥沼化した殺し合いがもっとないと引き込まれない。

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 21:58 ID:ofDDnWRG
シナーは驚いて振り返った。そこに居たのは・・・ドクオだった。
手に銃をもっており、目が明らかに狂気に満ちていた。
「あ、あ・・・」シナーは恐怖のあまり腰を抜かしていた。
「獲物、俺の獲物だぁぁ!!」ドクオが引き金を引きかけたその時・・・。
パン、パンと銃声が響いた。
シナーには何が起こったのか、サッパリ分からなかった。
ドクオはうめき声を上げ、バタついていたが、動かなくなった。死んだようだ。
「な、いったい何が・・・?」呆然とするシナー。
後ろから「危なかったな」と言う声が聞こえた。

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 22:35 ID:Ql8PdM7Z
ついでに
場面が飛ぶ場合はどのレスの続きか表示したほうがわかりやすい

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/03 23:18 ID:SAYhkP7S
>>103
狂ってるドクオがわざわざ「おい」なんて声を掛けないと思われ。
よってキャラを変えるよろし。

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 01:12 ID:17HuF5lZ
さいたま右(男子9番)はみじろぎした後、目を開けた。目をこすり、毛布を払いのけた後、腕に巻かれた時計に目をやった。九時四十分。
眠ったのは放送のすぐ後だったので、三時間程眠っていたのだろう。G-5とA-6は禁止エリアというものに引っ掛かっているようだった。
支給武器のはりせんぼんで傷つけた両手の傷は既に血が止まり、赤い点々がまばらに手の中に広がっていた。
ぎゅっと手を結んでも、痛みはさほどのものではなかった。大丈夫だった。
腹が小さく音を鳴らしたが、政府から支給されたパンはたったの二個だったので、節約してここは我慢することが大切だった。優勝する時には長い時間を耐え抜くため食料が―――
いや待て待て。優勝なんか考えている場合じゃないぞ。僕がすべきことは、友達を探してここから逃げることだ、モナー(男子20番)とかごくごく親しい人間を探して行動しなきゃ。
朝までの狂気はどこへやら、さいたまは正常な思考に戻っていた。眠ったことで頭の中が整理されたのかも知れない。
「とにかくここを出よう」
そう言ってさいたまははりせんぼんをデイパックの中にしまった。机の上に置きっぱなしにしていた地図と名簿も学生服の右ポケットに突っ込んだ。
毛布を持って行こうかと考えたが、やめた。大きすぎるし、私物が入ったバッグはここで捨てた方が身軽にできると考えたので、ここで毛布を持っていくと再び私物を持つことになる。
私物が入った黒いスポーツバッグを部屋の隅に置き、デイパックだけを持ってさいたまは玄関に向けて歩き始めた。
きちんと脱いであった靴を履き、閉めていた鍵の摘みを捻り、長細い銀色のドアノブに手を掛けたまさにその時―――
ぱららららら、とタイプライターのような音がさいたまのすぐ近くで響いた。心臓がどくんと波打った。
何だ、誰か、だ誰かいるのか?もしかしてぼ僕を―――
あの音は―――聞き覚えがあった。朝の放送のすぐ後、北の方で少しだけ聞こえた音だ。あの音は何だろう、銃声だろうか?
自分を狙っているという不安があった。そして、恐怖、そして狂気がぶり返してきた。慌てて鍵を掛け、その場にへたり込んで、がたがたと震え出した。
どうしたさいたま右!ここまで覚悟を決めたのに、それなのにこんな時に―――こんな時に―――
「いやああっ」と言う女子のものらしき悲鳴が聞こえた。また、ぱららららと言う音。その後、ぱん、という、単発の銃声。銃撃戦だった。
―――女の子が襲われている!
ふと、ある場面が、蘇えった。
さいたま右はさいたまトリオの(さいたま太陽大佐とさいたま左は別クラスだった)一員であり、その中で一番勇気がないと言うか、臆病というか、そういうものだった。
だが、尊敬するさいたま太陽大佐(彼は本当にすごい。正義感も立派だし、拳法を習っていてケンカも強かった。何よりさいたま右を友達だと認めてくれたことが、とても嬉しかった)が、こう言ったことがある。
あれはさいたま左が塾でいなくて、二人でさいたま右の部屋の中、テレビゲームをしていた時だ。
「なあ」
さいたま太陽大佐が、ふと言い出した。視線はテレビゲームの画面に集中し、コントローラーのキーを叩いていた。
「なんだ?」
「お前って、守るもんってのはあるか」
「なんだ、それ?」
プレイしていた格闘ゲーム、さいたま右が使っているキャラクターが、必殺技を出していた。
「だから、好きな女とか、親とか、守りたいもんくらい、あるだろ?」
「好きな女でもできたの?」
「そんなのじゃねーよ」
さいたま右の使っているキャラクターがK.Oされた。すぐに第二ラウンドが、始まっていた。
「要するに、誰かが襲われていた時、それが大事な人や、女だったら、覚悟を決めれるかってことだよ」
「むずかしいことばっかり言うなぁ、太陽は」
さいたま右はにやりと笑った。太陽大佐は唇をすぼめ、さいたま右の方をちらっと見やった。

107 :敢えて残り35人:04/02/04 01:15 ID:17HuF5lZ
「けっ、まだガキなんだろ、お前は」
「言ったなぁ」
さいたま右の使っているキャラクターが飛び蹴りを繰り出した。太陽大佐が使っていたキャラクターにあたり、ダウンした。
「後悔しないように覚悟を決めるってのも大事だと思っただけだ。ま、どっかの小説に書いてあっただけだが」
「ふーん」
さいたま右はそう言って軽くあしらったが―――内心では、太陽は僕に強くなれ、と言ってるんだな、と理解した。
自分には覚悟、勇気、そういうものがないとは前から自覚していたし、太陽のその言葉は、さいたま右の心の中にずっと残っていた。
思った。覚悟を決めるのは、今しかない。
そう、太陽が「強くなれ」と言った通り、強くなるチャンスは、もう、ここしかなかった。このまま襲われている誰かを見逃したら、自分は、自分は一生臆病のままだ。
大丈夫、覚悟は出来た。あとはただ、走り抜けるしかないようだ。
デイパックからはりせんぼんを取り出した。デイパックを持って行く心配はない。鍵の摘みを、もう一度捻った。
銀色のドアノブを、思いっきり倒した。この扉こそが、自分の超えられなかった壁、そう、自分が掴めなかったもの。
怖くはなかった。ぱららららと音がした方―――未舗装の路地の右側、人影があった。一人だったが、もう一人はどこかに隠れているのだろう。
その黒いカステラ箱のようなものを真っ直ぐ、さいたま右のいた家の、三、四軒先の向かいの家の石づくりのブロックに向けていた。
水色に近い澄んだ色の髪、あれは―――あんな髪型の生徒は、このクラスで一人しかいない。
ぁゃなみレイ(女子3番)だった。ぁゃなみは、家から駆け出してくるさいたま右を見て、はっと振り返った。カステラ箱――イングラムM11がさいたまの方に向きかけ―――
「うらあああ!」
その時にはもう、さいたま右は手にしたはりせんぼんをぁゃなみに向かって投げていた。ランニングスローだが、その小さな小さな針ボールはぁゃなみの顔めがけて飛んでいき―――
ぁゃなみがイングラムのグリップでそれを防いだ。その時には、さいたま右はぁゃなみの三、四メートル先に近づいていた。ぁゃなみが銃口を再びさいたまに向け、その冷えた瞳と、冷えた銃口を、さいたまに向けていた。
正面、ブロック塀から襲われていたらしき生徒が顔をひょこっと出した。あれは・(女子12番)だろう。こちらに向かって立ちあがり、左腕を撃たれたのか銃を手にした右手で抑えていた。
「逃げろぉ!」
そう叫んで、さいたま右はぁゃなみへと、ヘッドスライディングをする要領で突っ込んだ。同時にイングラムからぱららっ、と銃声が上がり、さいたま右の下腹部に四つ、熱い弾が食い込んだ感触がわかった。
しかしぁゃなみはさいたま右のタックルを食らってさいたま右と共に地面に叩きつけられ、手にしていたイングラムをがしゃん、と落とした。しめた!
「今のうちに…早く逃げろ!」
言ってるそばからぁゃなみのセーラーにさいたま右の口から出た霧状の血が降り掛かった。これじゃあ、もう長くはもたないだろうか。
・が泣きそうな表情になり、しかし体だけを後ろに向いて逃げ出し始めた。さいたま右は、・ににやりと笑って見せた。
あとは追撃を避けるため、そうぁゃなみが落としたイングラムを拾わなければ。そして、自分の命があるうちにぁゃなみを―――
左脇腹に、またもや痛みが走って、イングラムに手を伸ばし掛けていた右腕を落とした。ぐあ、とうめき声を上げ、無意識に左手が左脇腹へと動いた。
目線を移動した。左脇腹、ちょうど四つの穴が空いた場所の横に、ざっくりと文化包丁が刺さっていた。ぁゃなみは、マシンガンの他にも包丁を持っていたのだ。
右腕に力が入らなくなり、自分の体の下にいたぁゃなみレイが、さいたま右の体の下から抜けた。地面に落ちたイングラムを手に取り、静かにさいたま右の頭へと向けた。
さいたま右は顔を見上げた。銃を自分の頭に向けていたその眼が、ひどく冷たかった。・は既に、視界の中には確認できなかった。
何とか逃げることが出来たんだろう。覚悟はできていた。後悔も微塵もなかった。
―――思った。
僕は頑張ったよな?僕はもう、臆病者じゃないよな?さいたまトリオだって、威張ってみんなに言えるよな?
よくやったよ、太陽大佐、そしてさいたま左が、さいたま右の頭の中でそう言って親指を立てていた。
お前こそ、さいたまトリオの中でナンバーワンだぜと、太陽大佐が、言っていた。
―――ありがとう―――
ぱららら、とイングラムの銃声がもう一度だけ聞こえ、銃声は止んだ。
ぁゃなみレイは、さいたま右がいた家に入り、パンと水だけを持ち出すと、・が逃げた方向とは別の方角へ歩いて行った。

【残り35人】

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 18:15 ID:HaipONO9
何か>>107らへんで15人になったり色々な矛盾点があったりで101〜103はスルーになったようですね。
じゃあまたドクオが出てきますが、よろしく。

【男子7番】ギコは、思い人のしぃを探し、エリアBの付近(D-3)を歩いていた。
太陽は既に上がりきり、昨日の事が嘘だったかのように照っている。
・・・時刻は11時40分。
もうそろそろ次の放送が来る頃だろう。
ギコは、近くの岩に腰を落とし、ディパックからパンを取り出し、頬張った。
何の味付けも無いロールパン。
甘みに飢えていたギコの口内は、そのパンだけでは潤う事は無かった。
しかし、空腹感を補うには十分な量なので、まぁ、いいとしよう。
ギコは、鞘に納まった日本刀を自分の横隣に置いておいた。
そして、ポケットからいうもの煙草とライターを取り出した。
手馴れた操作で煙草に火を灯す。
煙が空へと舞い上がる。
やる気のある奴がこの煙を目印にして襲ってくる、という不安もあったが、さほど気にならなかった。
口をすぼめ、頬にたまった煙を空に向かい吐き出す。
薄い煙は空へと舞い上がり、次第に空気と混ざり、見えなくなる。
そして、また煙草から煙を吸いだす・・・
ギコは、その動作を何回も繰り返していた。
吸っては吐き、吸っては吐き・・・不思議な事に、煙草を吸っていると心が落ち着いてくる。
ギコは、短くなった煙草を床に投げ捨て、靴で踏みにじった。
そして、新しい煙草を箱から取り出し、火を灯した。
煙草に口をつけた。煙を吸う。そして吐き出す。
また煙草は短くなる。ギコは、短くなった煙草を捨てようとし、煙草を口から離した。瞬間。

チャキッ

音。
ギコの後方から、物音が聞こえた。
よくスパイ映画等で聞くあの音。
―――狙われてる!
そう直感したギコは、立ち上がり、隣においてある日本刀を、鞘を抜かないまま音の聞こえた後方へと大きく振った。
「あぐぁっ」
誰かの呻き声。そして、右手に鈍い感触と固い感触が同時に来る。
ギコは、日本刀の鞘を勢い良く外した。
シャキン、という鋭い音が響き、美しい刀身が顔を現す。
そして、そのまま刀を後ろに居た誰かの首筋に近づける。
「こ、殺す気か。」
あまり見慣れない顔。
後ろに居た誰かとは、ドクオ(男子14番)だった。

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 18:16 ID:HaipONO9
15人じゃなくて35人でしたね・・・スマソ

遂に見つけた一人目の獲物。
煙草を吸っているらしく、背中が隙だらけだった。
そして、その背中にベレッタを向けた。
抵抗無く殺せると思っていた。
しかし、前にいたそいつは、皮かむりの日本刀を突然振ってきやがったんだ!
その刀は、俺の右手に当った。当然ベレッタはちょっと遠くに飛んじまった。
そして、今・・・今・・・!

その日本刀を首筋に押し付けられてやがる。絶体絶命って奴だぜ畜生。

日本刀をドクオの首筋に付けているギコの表情は、怒りに満ちていた。
「こ、殺す気か。」
捻り出す様に言う。
ギコは、何も言わずに刀を首筋に押し付けた。
ひんやりと冷たい。首筋に鳥肌が立ってくる。
・・・どうするどうする!?
ドクオは、脳細胞を総動員して、窮地の脱出法を考えた。
このまま死ぬなんて御免だ。
それに、確かこいつは不良。謝っても許しちゃくれないだろう。

・・・ちょっと待てよ?
ドクオは首筋に触れている刀を見た。
切っ先が首筋にくっついている訳ではない。あくまで首筋に付いてるのは刀の横の部分。
銃ではなくこれは刀だ。
勢いをつけなければこの首に傷を付けることは出来ないわけで。
そうだ。刀に勢いをつけるには、対象と逆の方向にしならせなければいけない。
つまり、多少のタイムラグが生じる訳だ。
・・・ふふふ。つまぁり。
「・・・ギコ。あんた馬鹿だよ。」
ドクオは、勝ち誇った笑顔を浮かべながら呟いた。
ギコの顔が険しくなった。
「貴様、そんな事言える立場なのかゴルァ!」
ギコが叫ぶ。・・・馬鹿みてぇに。
後悔しろよ。俺をすぐに殺さなかった事を。

ドクオは、決心したように身をかがめた。
そして、そのままギコの下腹部に向かって突進した。
ギコは、予想外の行動に面食らったのか、日本刀を取り落とし、床に突っ伏した。
「ぐ・・・」
ドクオは、落ちた日本刀を拾い、遠くに落ちたベレッタの方へと足を進めた。
ギコがこちらに追いかけてくる。
しかし、ドクオの方が駆け出しが一歩早かった。
ベレッタを拾い、武器も何も持っていないギコに向かって構えた。
ギコが、さっきよりも更に怒りの表情を強くし、こっちを見る。
しかし、動けない。当たり前だよなぁ?死ぬかもしれないんだから。
そぉら。俺みたいな引きこもりがこんな行動取るなんて思わなかったろ?なめんなよ。

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 18:22 ID:HaipONO9
この顔だよ。この顔。
恐怖と怒りが混ざったこの妙な表情。
ツボにはまるッつーか・・・ひゃひゃひゃ。
ドクオは、左手に日本刀を持ちながら、ベレッタの引き金をゆっくり引き始めた。
12の3で発射だ。俺の獲物第一号・・・
12の・・・ギコが目を瞑る。
さんっ!

ドン

銃声。
ただ一発の銃声。
さようなら・・・ギコ。俺の獲物第一号・・・

痛い。

痛い痛い。

俺の右手。

痛ぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!!!!

「うがああああああああああああああ!!!!!!」
ドクオは、たまらず叫び声を上げた。
さんっの合図で放たれたのは、俺の銃弾では無かった。
じゃあ、誰の銃弾なんだ・・・?
もう、何も考えられなかった。
右手の指が何本か外れてやがる。・・・銃。
・・・あれ?俺の・・・俺の銃は・・・?
パン
また、銃声。
今度は、ギコの野郎が撃ってきやがった。
え?ギコ?・・・なんでお前がさっき俺が持ってた銃を持ってるんだよぉぉぉぉ!?
もう訳が分からない。
一つだけ分かるのは、自分がまた窮地に立たされたという事だけ。
―――逃げなければ!
ドクオは、直感的にそう思い、日本刀を手にしっかりにぎりながら、誰も居ない方向へと駆け出した。
まだ、俺は生きたい。死ぬのは怖くないが、痛いのはいやだ。
ああ、畜生。右手がじんじん痛みやがる。
くそ、誰なんだ?俺の邪魔した奴は・・・
・・・だが、まだ俺は死なない。生きる。這って、這って、生き続ける。

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 18:43 ID:HaipONO9
「俺は殺さないのか?」
ギコが、先ほど座っていた岩場にまた座り、煙草をふかしている。
しかし、日本刀は既に無く、代わりに彼の手にはベレッタが握られていた。
そして、そのギコの隣には、【男子15番】ネーノが座っている。
「ああ。なるべくやる気の無い奴は殺したくないんだ。・・・武器もある程度集まったからね。」
ネーノが、あめねこから奪った銃、USPを手にしながら言った。
・・・そうだ。もし、こいつがあの場に居なかったら俺は殺されてた。
あのとき、ドクオは確かに引き金を引きかけてた。
でも、あいつの後ろから、ネーノがドクオの右手を撃った。・・・あの銃で。
そして、あいつが痛がってる隙に、落ちたベレッタを拾い、そして今に至る。・・・という訳だ。
「・・・ギコ。ちょっと煙草貸してくれないか?」
ネーノが呟いた。
「・・・ネーノ。お前煙草吸えるのかよ?」
そういえばネーノは、不良グループの中では唯一煙草をふかしていない。
「いや・・・お前上手そうにふかしてるから・・・そんな美味いのかなーとか思ってさ。」
ネーノが口元に笑みを浮かべながら言った。
ギコも、にやつきながら煙草を手渡し、丁寧に火まで灯してやった。
ネーノが顔に期待の色を浮かべながら煙草に口を―――
「ぶはぁっ!!」
ネーノは、すぐに煙草を吹き出した。
火がついたままの煙草が床にポトンと落ちる。
そして、ゲホゲホと咳き込む。
「だ、大丈夫か?」
「・・・駄目だ。俺の体は・・・煙草は受け付けないんじゃネーノ・・・?」
ネーノが涙目になりながら言った。
ギコは床に落ちた煙草を見つめ、『勿体ねぇな。』と思いつつも、踏みにじり火を消した。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 18:44 ID:HaipONO9
「あ、そうそう。聞きたい事があったんだよ。」
ネーノが、まだ涙を顔に浮かべながらギコに向き直った。
真剣な表情だった。・・・そういえばコイツ顔の出来がいいな。
「モネーとぼるじょあ、見なかったか?」
ギコは、ただ首を振った。
「・・・そうか。」
ネーノは、それを聞いてからまたそわそわしはじめた。
そして、しばらく考えた後、また口を開いた。
「なぁ、お前しぃが好きだろ?」
ギコは、それを聞いた途端心臓がドクン、と高鳴った。
図星だ。俺の心を読むな畜生。
「・・・・悪いか。」
ギコが、顔を紅潮させながら言った。
ネーノがクスクスと笑う。
「・・・じゃあ、もししぃと出会ったら、俺の事をここで待っててくれないか。」
ネーノが冷やかしの一言でも言うと思ったギコは、少し反応に困った後にこう答えた。
「何でだ?」
「伝えたい事がある。いや、伝えなきゃいけない事があるんじゃねぇの?・・・彼女には。」
ネーノが真顔で答えた。
なぁるほど。って事はお前も・・・
「お前もあいつが好きなのか?」
ギコがニヤニヤ薄笑いを浮かべながら言う。どうだ。お前の心も読んでやったぜ。
「・・・それはちょっと違うな。彼女には姉がいただろ?実は・・・」
ネーノは、そこまで言いかけると突然口を閉じた。
「・・・どうした?」
ギコが怪訝にたずねる。
「・・・いや、何でもない。今俺が言った事は・・・忘れてくれ。・・・じゃあ、頼むぞ。ギコ君。」
ネーノは一言そう言うと、岩から腰をあげ、そのまま何処かへ走り去っていってしまった。
・・・全く。あいつは一体何なんだ?
ギコは、心の中で呟きながら、再び煙草の箱をまさぐった。
・・・無い。
・・・無い無い無い!
何回煙草の箱の中で指を回しても、それらしき感触が無い。
・・・もしかして、ネーノにやったのが最後の一本・・・?

ギコは、ネーノが走っていった方角に向かって「煙草返せ馬鹿野郎ーー!」と叫んだ。

【残り35人】

113 :2:04/02/04 22:00 ID:NuGIcPst
初めまして 参加します

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 22:37 ID:bmxMn0TA
ガサガサガサガサ
茂みが揺れる音と自分の呼吸音だけが響く。
顔だけが異様に熱く、喉の奥が冷たい水を飲んだようにちりちりと痛んだ。
それでも、走るのを止めてはいけない。
メモラー【男子19番】は目の前の二つの背中を睨みながら走っていた。
矢を抜いてすらいない手が激しい痛みを放っている。
それでも、追いかけるのを止めてはいけない。
目の前の標的を逃すということは、巡り巡って自分に被害が及ぶ可能性があるということだ。
怪我をした時、歩けない時、見逃した敵が襲ってきたらどうすればいい?
僕を嘲笑いながら武器を手にする敵を見た時どうすればいい?
あの時仕留めればよかったと、そう後悔しながら死ぬことしか僕に道は残されていないんだろう。
そんなのは、絶対に嫌だった。
メモラーは唇を噛んで痛みに耐えながら、銃を両手で握った。
両手を突き出し、安定感など考えずに二度三度引き金を引く。
その度に腕に痛みが走ったが、構うことの出来る状況ではなかった。
銃弾は、残念ながらどちらにも当たらなかったようだ。
それで怯んだのか、単に疲れたのか立ち止まりそうになるモナー【男子20番】をレモナ【女子21番】が強引に腕を引いて走らせる。
その様が、何故か彼を無性に苛立たせた。
メモラーは再び強引に銃を構えた。
ただ構えただけで痛みが跳ね上がる。
それもまた無視して、メモラーは引き金を引いた。
反動で銃口が反れ、またしても敵には当たらなかった。
そのまま数度引き金を引くが、小さな音がするだけで、銃声は発されない。

――壊れたのか!!


115 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 22:38 ID:bmxMn0TA
普通に考えれば弾が切れただけのことだが、狂いかけている上極度の興奮状態にあるメモラーはそうは思わなかった。
邪魔者となった弾切れの銃を捨て去ると、メモラーは腕に刺さった矢を掴み、引いた。
痛みと共に血が吹き出る。
メモラーは呻き声をあげながら矢を引き抜き、それを手に持った。
殺す。たとえ銃が無くっても、この矢で刺し殺してやる。
殺す殺す。殺す!!
「うわああああああああっ!!!」
メモラーは今までに出したことも無いような大声で叫び、矢を振りかざした。
その時、その声に反応したのかレモナが立ち止まり、くるりとこちらを見た。
チャンスだ!
レモナの手に握られているボウガンの存在を知らずに、メモラーは雄叫びを上げながらレモナに突っ込んでいった。
レモナが片目を瞑りながらメモラーに照準を合わせる。
自分の五メートル先にメモラーが来た時、レモナはしっかりと銃身を支えながら引き金を引いた。
「ぎゃあああああああああっ!!」
どすっと鈍い音を立てながら、メモラーの太腿を矢が貫く。
それでも立ち止まらないメモラーに微かに狼狽しながら、レモナは矢をセットして引き金を引いた。
「うぎゃあああああぁぁぁぁぁあああっ!!!」
多少狙いが甘くなってしまったせいか、太腿を狙った矢がわき腹に突き刺さり、メモラーはやっと仰向けに倒れた。
その手から血まみれの矢が転がるのを見て、レモナはボウガンをおろした。
すばやく歩み寄り、矢を回収してメモラーの胸の上にどんと足を乗せる。
ぐえっと不自然な呻き声をあげるメモラーにボウガンを向けながら、レモナはモナーを振り向いた。
「……どうする?モナー君。この人モナー君を襲ったんだよ。殺す?」
『殺す』という単語にメモラーがびくりと反応する。
モナーはとんでもない、と首を振った。
「レモナ!メモラー君は悪い人じゃないモナ。ただちょっと……混乱していただけで。だから、殺してしまうことはないモナ」
レモナは小さく溜息をついた。
まあ、そう言うのではないかと半ば思っていたのだが。
そもそも、メモラーが追いかけてきた時に撃ち殺すことも可能だったのだが――寧ろそっちの方が体力を失わなくてよかったような気もする――モナーがやめてくれと頼むものだから、茂みの中を全力疾走することになってしまったのだ。


116 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 22:39 ID:bmxMn0TA
モナーは甘すぎる。人を信じすぎる。
二度も襲撃されたのに、それでも人を信じようとすること自体は尊いことかもしれないが、このゲームの中では『尊いこと』はあまり重要視されないのではないだろうか。
――そんなモナーを、レモナは愛していたのだが。
「モナー君がそう言うのなら……」
レモナはボウガンをおろした。
胸に乗せた足はまだ下ろさない。
暫くメモラーの顔を観察し、その目に殆ど殺意が残されていないのを知るとレモナはやっと足を上げた。
メモラーのデイパックを持っていこうかと思ったが、メモラー自身がまだ生きているためそれは酷に思えた。
レモナは周りをきょろきょろと見渡しながら身を起こし、モナーの手を引いて歩き出した。
先程の大声で誰かが自分たちに気付いたかもしれない。
まだ少しメモラーに名残があるようなモナーを無理矢理引いて、レモナはボウガンに新たな矢をセットした。

「うっ……痛いよ……」
メモラーは涙をぽろぽろとこぼしながら苦痛の声をあげた。
腕に打ち込まれた傷からは血液が流れ続けているし、
新たに打ち込まれた矢からは新たな痛みが生まれている。

――いっそ、殺してもらえばよかった。

「がっ……」
少し身動ぎしただけで新たな痛みが体に跳ねる。
痛い。痛くてたまらない。
身動きすら出来ない。誰か、誰か助けて。
「痛い……」
「そんなに痛いですか?」
新たに聞こえた声にメモラーの少し霞みかけた意識は覚醒した。
びくりと体を震わせてしまい、再び痛みに呻き声をあげる。
「誰……?」
「……」
ヒュッと小さな音がする。
それは数度続いた。小さな物ではあったが、その音はメモラーの恐怖心を煽るのに充分であった。
「な、何するの……?」
声は何も答えない。
数度その音が続いた後に、小さな声が聞こえた。
それは、メモラーにとって最後に聞いた人の声となった。
「どうぞ、安らかに」
そしてもう一度空を切るような音がして、メモラーの頭に衝撃が跳ねた。


117 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/04 22:41 ID:bmxMn0TA
ねここ【女子11番】は暖かなまなざしでメモラーを見下ろした。
メモラーの体は、今抱き上げると温かくて、しかしぐにゃりとしているはずだった。
彼は死んでいるのだ。自分が殺した。
メモラーのこめかみは数センチほど陥没していて、即死したのは確実だった。
苦しまずにいけたのだろう。
ねここはふふっと笑った。
そして、ねここはメモラーに手を合わせると、支給武器であるトンファーをデイパックになおした。
触ったことも無い武器で最初は驚いたが、説明書がついていた事やねここの飲み込みが早かったため、夜が明けるまでに使い方をマスターしたのだ。
よく見る木製のものではなく、何か特別な材質で出来ているらしく、殺傷能力も抜群だろうと思えた。
そしてそれは、メモラーによって証明された。

――これで、かわいそうな人達を楽にしてあげられるんだ。

ねここは別に殺意を持っているわけではない。
ただ、人が苦しむのが――とても嫌だった。
人々はきっと、これから苦しみながら死んでいくはずだろう。
銃で撃たれて、ナイフで刺されて、首をしめられて――それはきっと苦しいはずだ。
だから、自分が楽にしてあげようと、そう思ったのだ。
「待っててね、皆」
ねここはデイパックを背負うとその場から離れた。
後には、涙の筋を頬に残したメモラーの痛々しい死体が残されているだけであった。

【残り34人】

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:04/02/05 01:38 ID:QJqV+Z4Y
「はーい元気でやってるかー?おまえら」
モララーの嫌に明るい声が島に響き渡った。ドクオ(男子十四番)とちっ、と舌打ちした。
「十二時になりましたー、定時放送の時間です」
ドクオは血に染まった右手(小指がなくなっていた。薬指は指がちぎれかけていた)手首の腕時計を見た。
ベルトや盤面が赤く染まっている場所があったが、何とか読めた。十二時丁度から、秒針が十秒程過ぎていた。
右手の掌を左手でぎゅっと握りながら、まだ残っている痛みを抑えた。横槍してきた誰かに撃たれてから、二十分くらいが経過していた。ここはどこだろう?D-3辺りか?
ギコ(男子七番)の支給武器らしき日本刀は、ドクオの右側に置いてあった。
ここは見通しがいい荒地だった。木や草が生い茂っており、今は木に囲まれた場所で腰を降ろしている。痛みからか顔には汗が沸き、デイパックに入っていたペットボトルに入っていた水を少し飲んだ。
デイパックのジッパーを開けるのも、ペットボトルのキャップを開ける、閉めるのも左手一本と口を使わなければいけなかった。右手がやられてしまっては、それに右手は利き腕じゃないか。
これじゃあ日本刀を振るときも力が入らないし、もしかしたら簡単に弾かれてしまうかも知れない。この放送で鉛筆を使うことになるだろうが―――利き腕じゃなかったら書くのも苦労する。
ちくしょう、俺はもうだめなのか?このまま何もできず、クラスメイトどもに殺されるてしまうのだろうか?
恐怖が大きくなった。しかしドクオは、その恐怖を何とか振り払った。大丈夫だろう、大丈夫、獲物の一人や二人くらい日本刀と左腕一本で倒せる。そうだきっと大丈夫だ。
それに右腕をやられた以上日本刀の方が使いやすいだろう。何せ銃はマガジンの交換作業がある。それに銃のハンマーを引くのにも時間がかかるはずだ。
そういえば―――ドクオは考えた。ギコに渡してしまったであろうベレッタM92Fの中には弾が残っていたが、予備マガジンはポケットの中に仕舞ったし、肝心の弾は俺のデイパックの中だ。
つまりギコは一時的には装備は強いがベレッタの弾が尽きたら丸腰だ。ヘッ。ざまあみろ。
「まず死亡者から―――」
そうだ、放送だったな。ドクオはポケットからシャープペンを取り出そうとしたが、モナエ(女子十五番)に吹き飛ばされた時か、それとも別の時の影響か、シャープペンがポケットの中で割れていた。
確か筆箱にはシャープペンしかなかったような気がする。ということは―――地図とかに禁止エリアのチェックができないってことか?
まあいいだろう、ドクオはそう思った。こんなもの記憶力だけでどうにかなるだろう。
放送は聞くだけでいい。なら、今は獲物を探すしかないな。ドクオはそう思って立ちあがった。デイパックを何とか右肩に吊り、銀色の刃が光る日本刀を左腕に持った。鞘はいらなかった。
―――さて、次の獲物は誰かな―――?
放送が聞こえ出した。
「男子の死亡者からでーす。まず、男子八番、キユくん、男子九番、さいたま右くん、十番、坂田師匠くん、十九番、メモラーくん」
坂田師匠(男子十番)の死体は間近で見たが、それ以外には数人死んでいることがわかった。死んだ生徒達の顔だけが、すぐ浮かんで消えた。
「女子はひとりでーす、十七番のモナカさんです」
モナカ(女子十七番)は自分が殺したので、既に死んでいた。これで残り三十五、いや三十四人か?まだ十人も死んでねえ。
「次、禁止エリアー、一時から、D-7、三時から、F-4、五時から、A-5。わかったかー?」
全部のエリアは自分には全く関係がなかった。とりあえず頭の中にその情報を入れると、ドクオは早く足を進めた。
「もう昼でーす。先生弁当食っておまえらの活躍見守ってるぞー、頑張れよー!」
そこでぷつっという音がして放送が切れたが、ドクオの耳には、あまり入っていなかった。

【残り34人】

220 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)