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AAバトルロワイアル4−AA BATTLEROYALE

1 :TAKUYA:03/08/12 12:44 ID:pj9W+GO/
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AAバトルロワイアル:http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1047654130/
AAバトルロワイアル2―THE SURVIVAL PROGRAM―:http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049193384/
前スレAAバトルロワイアル3http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1054026979/l100
前スレ AAバトルロワイヤル・雑談スレッド http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1049261056/

詳細は>>2-5辺り。





289 :( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/09/16 00:30 ID:MzpzPXf8
ジサクジエン【男子10番】とヒッキー【男子17番】は出しうる全ての力で走っていた。
ダマレコゾウ【男子12番】が特攻を仕掛けた。しかも、一人で。
ほんの少しの間、席を空けた。二人が戻ったときには、一枚の紙とアルミホイルだけが残っていた。
「俺は特攻する。小僧たちはできるだけ仲間を。このアルミホイルを使い仲間を集めてくれ。では、さらばだ小僧」
そう記された紙だった。ヒッキーはダマレコゾウの後を追おうとしたが、ジサクジエンがとめた。
今、自分たちだけが彼に加勢しても、さほど効果がない。ましてや足手まといになる可能性もある。
今は彼が残した紙に従い、仲間を集めること。
「ハヤク・・・ハヤクシナイト・・・」
「ダレモイナイイクナイ!」
眼に映るは、闇と星空。人の気配すらない。場所はA-5あたり、時間は・・・午前1:00。
もうそろそろダマレコゾウが特攻を仕掛けて一時間になる。

早く・・・早く誰か・・・!
その時、わずかながらに物陰が見えた気がした。




C-4にある少し高い丘。そこから見下ろす木製の分校。
とても忌々しく、憎い。ゲームと称し、無意味な殺し合いをさせる。
「そろそろ行くか小僧」
右手にヌンチャク、左手にヒッキーの武器のコルト・ハイウェイを握り締める。
自殺行為かもしれない。だが、俺はやる。少しでも奴らに攻撃を仕掛け、ダメージを負わす。
それで俺が死んだとしても、このゲームを壊すのに一役買えたのなら、悔いはない。
ジサクジエンやヒッキーを仲間集めに行かせたのは、仲間を集めるためではない。
あいつ等を死なせないためだ。死ぬのは俺だけでいい。
「行くぞ・・・」
高鳴る心臓、震える手を抑え、丘を駆け下りだした──そのときだった。
「マッテ!!!」
大人しくも力強いヒッキーの声がダマレコゾウの耳を貫く。
「な・・・!?小僧・・・」
「イワレタトオリナカマツレテキタ!イイ!」
そこには先ほどまでいたジサクジエン、ヒッキーに加え、じぃ【女子11番】という名の女が立っていた。

【残り13人】

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/16 08:18 ID:F601vTwl
医療所。既に定時放送から三十分は経過していた。
定時放送で一時間後には禁止エリアになってしまうことが分かった。早く移動しなくては、禁止エリアにかかってしまう。
タカラギコ(男囚11番)のデイパックからは幸い基本的な医療道具が出てきた。
戦意のあるなしは置いといて、ギコ(男囚5番)とつー(女囚13番)の撃たれた個所を手当てすることにした。消毒液をでたらめに塗り、包帯を乱暴にぐるぐる巻きにした後鎮痛剤を飲んだだけだが、少しは楽になった。
「ふぅ…助かったぞゴルァ」
ギコが言った。脇腹の傷は出血の割には大したことがなく、さいたま右(男囚9番)は胸を撫で下ろした。つーも、さっきは喋ることもなかったが、手当ての後少しは楽になったようで、荒い息をしながらづー(女囚17番)と話していた。
「もう禁止エリアに入る。早くここを出よう」
さいたま右が言った。ギコがうなずき、つーとづーもこちらを見た。
「これからどうする?」
づーが、ギコとさいたま右を見ながら言った。続けた。
「あたし達脱出したいの。さっきもハッキング作業をしてたけど、結局失敗して…」
「失敗したんならどうやって脱出するんだゴルァ」
ギコが割り込んだ。づーが黙り込んでしまったが、そこからはつーが続けた。
「それを…これたら考えるんだよ…人数が多い方が…考えやすい…」
「ギコ、彼女たちはやるつもりなんだ。希望があるなら、僕もつー達に賛成だな」
さいたま右が賛成の言葉を続けたが、ギコは切り出した。
「…俺は乗らないぞゴルァ、やるならお前達だけでやってくれよゴルァ」
「どうしてだよ?」
さいたま右が疑問の言葉を投げかけて、ギコはまた言い出した。
「脱出なんてもんは無理だと思うんだよゴルァ、今の生徒の数ではとうてい兵士たちに太刀打ちはできないだろう」
「兵士と戦うんじゃなくてさ、島から脱出するだけでいいんだ」
つーが言ったが、ギコは気にせず続けた。
「第一首輪はどうする?禁止エリアにひっかかると爆発するんだから、結局向こうが操作すれば爆発するだろう。それに、首輪をはずすと爆発するかも知れないだろゴルァ」
「そうなる理由がどこにあるんだよ」
「なら何でハッキングをやる前に首輪をはずすことをしなかった?理由はわかる、外すと爆発するかもっていう恐怖心があったからだゴルァ」
みんな黙ってしまった。その後、さいたま右が言った。
「結局ギコは何がしたいんだ?」
「どういうことだゴルァ」
「出会った時からおかしかった。しぃを殺したのは誰だとか言って、いきなり襲いかかって、しぃを殺したのは自分だって言って、衝動的とは言ってもタカラギコを殺して」
「……」
「そして脱出しようと言ったら猛反対。このゲームで何がしたいんだ?僕と一緒にいて死ぬのを待ちたいのか?」
「そんな…わけねぇだろがゴルァ」
「じゃあ僕を利用して生き残りたいだけなのか?」

ギコの表情が怒りの色に変わっていた。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/16 08:19 ID:F601vTwl
「違うっつってんだろがゴルァ」
「じゃあ何がしたいんだよ!」
さいたま右が一喝すると、ギコはうつむいたまま黙った。
「……しぃ」

しぃを守ってあげたかった。
たった一人の大切な人を俺の命で守ってあげたかった。
だが、死んでしまった。
俺が殺した。

守るべきものはなくなった。
ならどうして生きている?
しかしこんなクソゲームで死にたくない。
だからどうする?
………

「おい!」
さいたま右がギコの肩を揺さぶった。ギコが顔を上げた。
「もう何が何だかわからなくなったんだゴルァ」
「は?」
「答えが見つからない。お前たちといて、何か意味があるのかどうか。脱出して、何か意味があるのかどうか、がゴルァ」
「脱出したら、もちろん新しく人生を送ればいいさ、過去の過ちを消して、新しく生きればいい」
「……」
「まだ俺たちは生きたい」
「……」
「新しく生きて、新しく家を持って、新しく守るべきものを見つけて、新しく誰かを愛せばいいだろう?」
「だが俺には何もないんだゴルァ」
「そんなの誰が決めたって言うんだよ!」
「守るべきものはなくなった。愛すべきものもなくなったんだゴルァ」
「だから、新しく見つければいいんだ!」
「そんなことはできない。あいつは俺の全て。あいつの他に守りたいものはないんだゴルァ」
「じゃあお前はどうしたいんだ?その人を追って自殺するのか?」
「それは俺のプライドが許さない―――だから俺は」
ギコがスミスアンドウエッソンを持ち上げた。
「だから俺は全員殺す」
ギコがおもむろに発砲した。

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/16 08:20 ID:F601vTwl
ぱん、と乾いた音がしてさいたま右が吹っ飛んだ。額のど真ん中に小さな穴が開いていた。
さいたま右が宙に一瞬浮かんだ。倒れた。
「……」
ギコは黙ったままだった。つーとづーも、動くことができなかった。

―――まだ俺たちは生きたい―――
俺が殺した。
―――逃げろ―――
俺が殺した。
―――ギコクン、ワタシ―――
俺が殺した。

ギコは腕だけを動かし、横にいるつーと、づーに銃口を向けた。
「……」
「だめ!」
づーが、とっさにつーをかばうようにして、動いた。
ギコはその行動を見て驚いた表情を浮かべ、時が止まったように動かなかった。
しかしその目からは涙が溢れて、頬を伝っていた。

づーはつーを守るために生きていた。
タカラギコはえーを守るために生きていた。
さいたま右だって、残された者のために生きようとしていた。

俺は何だ?

自分のふがいなさに、思わず涙がこみ上げた。バカだ。どうしようもない。
守るべきものを持っているまともな人間を殺した。
だけどこんなゲームで死にはしない。バカバカしく優勝してから、死んでやる。

だがつーとづーを撃つことはできなかった。
ギコはそのままさいたま右と自分のデイパック、更にさいたま右が持っていたラプターマグナムとダイバーズナイフを奪うようにして取った。
「―――もうすぐ禁止エリアに引っ掛かるぞ、行けよゴルァ」
そう言ってギコは医療所から走り去っていった。

【残り12人】

293 :( ・∀・) ◆Bq3gfj4qko :03/09/16 18:25 ID:MzpzPXf8
>>289の修正でつ。どうも自分は詰めが甘いですね。今回はそんなことがないように・・・。


ジサクジエン【男子10番】とヒッキー【男子17番】は出しうる全ての力で走っていた。
少しだけ席をはずした。その間にダマレコゾウ【男子12番】はどこかに消えていた。3人が座っていた場所には一枚のメモとアルミホイルだけが残っていた。
「お前たちはアルミホイルで仲間を集めろ。俺は特攻に必要な武器を探す」
そう書かれた紙だった。怪しい。怪しすぎる。ジエンの武器も、ヒッキーの武器も、今までに集めた物もなくなっていた。
すべてダマレコゾウが持っていった。もしかすると・・・・彼は一人で・・・。
「ナカマ・・・ナカマヲハヤク・・・ダレカ・・!」
今すぐダマレコゾウを追うこともできた。だが、自分たちだけでは足手まといになる。
とにかく早く仲間を見つけて彼の元へ合流する。彼が妙なことを起こす前に早く・・・。
「ナンデダレモイナイ・・・!!」
「イクナイ!!」
時間は午前1:00、場所はA-5あたり。そろそろ走り始めてから30分が経とうとしている。
眼に映るは、闇と星空。人の気配すらない。
「アッ・・・!」
ヒッキーがつまづき、転んだ。
「ウウ・・・」
「ケガシタ!?」
ただの擦り傷だったが、ヒッキーには大きすぎるダメージだった。もう立ち上がれない。
「タテナイ・・・」
ジエンがなんとか、ヒッキーを持ち上げる。ヒッキーも大きく深呼吸をし、なんとか体勢を立て直す。
「イコウ・・・」
再び走り出そうとしたときだった。
わずかながらに物音が聞こえた気がした───






C-4にある少し高い丘。そこから見下ろす木製の分校。
とても忌々しく、憎い。ゲームと称し、無意味な殺し合いをさせる。制限時間を迎えれば、自分一人で特攻する。
「そろそろ時間か」
ダマレコゾウは制限時間を設けていた。ここに来て約25分。制限時間まであと五分。
右手にイングラムM10サブマシンガン 、左手にヒッキーの武器のコルト・ハイウェイを握り締める。
そして身の回りあらゆるところにナイフを隠す。武装はまず問題ない。
ヒッキーたちはおそらく来ないだろう。人を信じやすい奴らだ。今頃、のんびりと仲間を探しているんじゃなかろうか。
それに待ち合わせ場所を書かなかった。仲間を見つけたとしてもどこに行けばよいかわからないだろう。
一人で行くとならば、それは自殺行為といえるだろう。だが、それで俺が死んだとしても、このゲームを壊すのに一役買えたのなら、悔いはない。後は奴らと、その仲間に任せるとしよう。
そんなことを考えていると、制限時間まであと一分となっていた。
「よし、行くぞ・・・」
高鳴る心臓、震える手を抑え、丘を駆け下りだそうとした──そのときだった。
「マッテ!!!」
大人しくも力強い声がダマレコゾウの耳を貫く。
「な・・・!?小僧・・・」
「イワレタトオリナカマツレテキタ!イイ!」
そこには先ほどまでいた二人に加え、じぃ【女子11番】という名の女が立っていた。
その首輪はしっかりとアルミホイルで覆われていた。

【残り13人】


294 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/17 12:20 ID:BLdN15Dl
木製の分校。ゲームが始まった場所。
少し荒れた地面に立つその分校を真下に見据えるC-4の小高い丘。そこに一つの決意を固める4人が立っていた。
ジサクジエン(男子10番)、ダマレコゾウ(男子12番)、ヒッキー(男子17番)、じぃ(女子11番)。
4人の首にある首輪には、銀色の装飾が施され、電波を遮っている。禁止エリアに入っても大丈夫なようにだ。
そして今、4人は分校への突入を図ろうとしていた。無謀なのは分かっているが、やらないことに意味はない。
A-5で見つけたじぃに事情を話すと、ひろゆきに対する思いはかなりあったようで、すぐに賛同してくれた。
それぞれ武器を持ち、突入のタイミングを計っている。ダマレコゾウの腕時計が2時を指したら突入だ。
今、1時59分。秒針は30秒を過ぎた。
「いいか…覚悟しろよ小僧」
秒針は40秒を指した。
「ワカッテル」
「タビノミチズレ!!イイ!!」
「もちろん」
3人が答えた。
秒針が50秒を指した。ダマレコゾウは、みんなの鼓動が大きくなるのが聞こえた気がした。
「行くぞ小僧!」
ダマレコゾウが一気に丘を駆けた。3人がそれに続き、全力で走った。
時刻は2時をまわっていた。


分校。モニターを見ているのは、クックル(刑務所長)であった。
ひろゆき(プログラム担当官)を殺すために刑務所に派遣された裏組織の人間。
彼だけは、ダマレコゾウたちがここに特攻をかけるのを、知っていた。
ダマレコゾウたちがアルミホイルで首輪を不能にしたこと―――
あれで防げるのは電波、そう、電波だけなのだ。
なのでこちらからの首輪を爆発させる電波は効かない。もちろん禁止エリアも効果は無い。
しかし生徒の心臓の動きを元にしている生存確認用のランプはまだ点いていた。
点いていなかったら前の放送でとっくに名前は呼ばれている。
それに盗聴もまだ効果はあった。普通ならとっくにバレていて、迎撃準備が整えられていることだろう。
しかし、まだこちらにはバレてはいなかった。
クックルが盗聴の係をやっていた時に、ダマレコゾウたちのやりとりを聞いた。おもしろい、と思った。
そこでひろゆきに頼んでモニターの係もやらせてもらったのだ。これで、衛星でも使わない限りはダマレコゾウたちの計画はバレないのだ。
そして、ダマレコゾウたちが今ここへ向かったのも、知った。

ぱらららららららら、とタイプライターのような爆音が続いた。
クックルは何も言わず、オートマチックの拳銃を構えて、どこかに向かった。

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/17 20:39 ID:jJLmaEF/
どうなったのかな

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/17 20:57 ID:hjkEH+tM
ザザザ……
風が吹く。C1エリアの隣、D1エリアの林に、【男子5番】ギコの影があった。とりあえず禁止エリア予定地から出ようと走ってきたギコは、今は木に背をもたれかけて、体を休めていた。
真っ暗な中、一人ぽつんと座り込んでいると、先程のことが頭に浮かんできた。さいたま右と口論になって彼を撃ったこと、つーとづーを撃たなかったこと……
不意に、医療所に行こうとさいたま右が肩を貸してくれたときのことが浮かんだ。
自分も疲れているだろうに、それでもギコに無理をさせまいとした彼。
「……なんで……」
ギコは、いつの間にか手が震えているのに気付いた。
「なんで撃っちまったんだ……ごるあぁッ!!」
ドッ、と地面に拳を叩き込む。整えたはずの呼吸がまたも乱れた。
……なんで撃った。
ギコの頭に、自分を正当化する考えが思い浮かんだ。あいつが悪い。俺の話を聞いてくれないから。俺の言ったことに耳を貸さなかったから。あいつが……
……本当に?
ギコは首を振った。本当にそうか?
答えが見つからない、と俺は言った。あれは本当のことだ。もうしぃもいない。出所したところで何もないのだ。生きる目的が見つからなかったのは本当だ。
……なら、さいたま右は?

『僕はまだ死ぬわけにはいかないんだ』
不意に、さいたま右の声が頭に浮かんだ。……あの声を聞いたのは、いつだった。医療所に向かっている途中だった気がする。
『家族が、残ってるんだ……血はつながってないけど、家族みたいな子達が。シャイタマ達が……』
そうだ。あの時さいたま右は、家で自分達の出所を待っているであろうシャイタマ達のことを、ちらりとギコに話した。
『僕がいなくなったら、あの子達はどうなると思う?僕はまだ生きていたい……あの子達のためにも……』
さいたま右は複雑な表情でそう言っていた。

……あいつにはまだ、守る物があったんだ。
ギコは思った。
……それなのに、俺はあいつを殺したんだ。
「……ぁぁあぁ……」
思わず嗚咽を漏らし、ギコは顔を両手で覆った。
「さいたま……すまねぇ……許せゴルァ……」
ギコは地面に蹲って、絶えずさいたま右への謝罪の言葉を呟いた。しかし、今さら後悔したところで、さいたま右は戻ってこない。
しばらくの間林の中には、虫の鳴き声に混じって、ギコの鳴き声が響いていた。

数十分経ち、時刻は一時を回った。ギコは再び木にもたれかかり、ぼんやりと医療所がある筈の方向を見遣った。
……今頃はもう、つーとづーもほかのとこに行ったんだろうな。そんなことを考えながら、空を見遣る。
月が出ていた。
ギコはゆっくりと、しかししっかりとした足で立ち上がった。目には、新たな決意の光が見える。
月を見上げて、ギコは自分が殺した者を一人一人思い出した。
……しぃ。お前を殺してしまって、すまない。もし無事に出所できたら、俺は一生お前を想って生きる。愛すべき者は確かになくなったかもしれないが、愛はまだ確かに残っている。
……さいたま右。お前を殺したことを、俺は生涯恥ずべき汚点として憶えているだろう。俺が出所したら、シャイタマ達の面倒は俺が見てやる。それが、お前にできる唯一の償いだと俺は思う。
……タカラギコ。お前のことは好きじゃなかったが、お前は死ぬ間際にえーを逃がしたよな。そういう優しさを持ってたのを知らずに撃ってしまった。謝って済むことじゃないが、俺はお前を忘れないよ。
ギコは天の月を真っ直ぐと見上げ、目を細めた。
……月ってのは、なんであんなに綺麗なんだろうな……
す、と両腕を上げる。月に向かって。
……俺はあの月と違って、薄汚れているのだろう。だが、それでも。
口を開く。いつだったか、しぃを殺した時のように、ギコは大声で雄叫びを上げた。
その声はあの時の断末魔のような叫びとは違い、強い意志を込めた叫びで。
……殺した者達の分まで、俺は生きよう。
そんな意志の現れであった。

【残り13人】

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/17 20:59 ID:hjkEH+tM
すまん、間違えた。
【残り12人】

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/19 21:39 ID:Vs0G1qDw
ひろゆきの組織を潰すだけなら簡単だった。
しかし、あるデータを奪わなければ任務達成とは言えなかった。
幹部の持っているデータを全てつなぎ合わせて始めて価値があった。
クックルはそのデータを奪って、ひろゆきの考えている計画を完全に抹消するつもりだった。
しかし、そのデータはひろゆきの心臓の鼓動と連動していて、ひろゆきの心臓が停止すると
データはネットを通じて何者かのてにわたってしまう。

数分前…

デブヲタ「ちょ…ちょっとトイレ…」
デブヲタが席を立った。クックルにとっては大チャンスだった。
(―残気合―)
クックルはその場にダミーを置いた。ダミーと言っても、それは気でできている。
見抜くことはできない。そこにクックルがいるという先入観も伴って…

クックルはデブヲタを仕留め、データの一部を奪うために後をつけた。

―そしてトイレ―
デブヲタはトイレについた。用をたす直前に、背後に凍るような視線を感じた。
デブヲタ「誰だ!!?」
そこにいたのは紛れもなくクックルだった。
頭の悪いデブヲタでも、すぐに自分の危機を感じた…

クックル「データをよこせ。」

クックルは格闘技の構えとは少し違う右手を突き出して、広げた妙な構えをとった。

デブヲタ「う…うわァ!!!た…助け…!!」
クックル「世直し。」

―――――バズン!!!―――――

クックルの右手から凍るような気迫が滲み出た後、デブヲタは真っ二つになった。
クックル「…データは確かに頂戴した。」
と、一言言った後
「35年かけて身に付けた奥義だ…破れはせん。
ダマレコゾウが来るらしいな…一緒に奴等を消すか…」と呟いた。

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/19 22:06 ID:Vs0G1qDw
ムスカはひろゆきに失望した。
彼はここへ来てまだ一週間足らずの新人、ここの上司が、こんなにも冷酷な男とは知らなかった。
そして、前のクックルの一言。頭のいい彼は確信をもった…

仮にAと言う人物がいるとしよう。
悪徳金融業者やマフィア、腹黒い政治家などから現金を奪い、持ち主に返す…
当然、政府は黙っていないだろうが、民衆からはとても評判の良かった男だ。
連続殺人事件なども、この男の手によって解決されることも多かったらしい。
当然、政府は自分の手柄にしたが…
連続殺人事件等、凶悪犯の犯人が殺害されていたりするのは大抵、Aのお陰だとムスカは知っていた。

クックルが、その「A」であることを、警察官だったムスカはほぼ確信を持っていた。
これが、偶然、クックルを接触したために、完全な確信に変わった。
ムスカ(まずい…これでは私も共犯者…あわよくば命はない…何とかせねば…)

クックルに勝つことはほぼ不可能と考えて良い。
選択肢は限られた。

ひ ろ ゆ き を 裏 切 る ・ ・ ・

先ほどの冷酷な態度も手伝い、ムスカはその選択肢を実行しようとしていた。

300 :報告:03/09/21 18:17 ID:3Snu2Jsp
雑談スレでの話し合いの結果、
>>289>>293-294>>298-299はスルーに決定。

301 :釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/21 20:02 ID:9xn+eSeX
ダマレコゾウらが、分校に特攻をしようてしているのを露知らず、えー(女子7番)は絶望の中をただ一人歩いていた。
今までは思い人が傍にいてくれてたのでさして絶望や、恐怖、不安感などは直接感じていなかった。
しかし、その心の支えであった思い人―――タカラギコはもうこの世にはいない。
怖いよ・・・寂しいよタカラギコ君っ・・!


出会いは僅か1年ほど前――
その性格からなのか、えーは他の囚人の奴らに絡まれ、虐められていた。
そこをタカラギコが割り込み、助けてくれた。
そして、柔和な微笑みを私に見せて・・・こう言ったんだっけ。

『大丈夫?怪我はないかい?』

そんな言葉が――嬉しかった。
そんな言葉だけで――潤された。
そんな言葉をかけてくれたタカラギコが――好きになった。
それだけの事だけだった。
でも、えーはタカラギコの事を本気で愛し、思い慕った。

それ故に―――・・・

思い出せば思い出すほどに涙が溢れてくる。
どうすればいいの・・・私・・・

えーは鼻水をぐずぐず啜りながら、夢遊病者のように当たりをさ迷い歩いた。
時計の指針は、2時35分を指していた。

「ッはぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
えーは、息を切らしそこら辺の岩に腰を下ろした。
地図を確認すると、どうやらここはF-5の高原らしい。随分歩いたものだ。
こうして座り落ち着くと、またタカラギコの事が頭にフラッシュバックされる。
何度も。何度も。
思い出したくない、とは思っていても頭が勝手にタカラギコの事を考えてしまう。
それほどまでに彼女は彼を思っていた。
・・・ああ・・・これからどうすればいいの・・・私・・・
下を向き、考えた。これからの事、タカラギコの死の事、牢獄に投獄された事、『死』の事・・・
そんな事を考えていると、既に枯れたと思っていた涙が再び目玉の奥から伝う。
「ひ、ひぐっ、ひぐっ・・・」
そして、えーはまた泣き出してしまった。
泣いたのがこれで何回目なのか、本人も分からなかった。
分からなくなるほど何回も泣いた。
いっそ・・・死んでしまおうか・・・
そんな風に考えていたときだった。

しゅるっ

302 :釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/21 21:00 ID:9xn+eSeX

「え・・・?」

首。
えーの首に何か長いものが絡み付いていた。
それが縄だと気付くときには、それがきつく締まっていた。
「・・・・・・!!」
縄が、えーの喉仏をきつく締め上げる。
気管が押しつぶされ、悲鳴を上げようにも声が出ない。
苦しい苦しい苦しい―――ッ!!
えーは縄と首の隙間に指を入れ、必死にもがいた。
無論全く外れる気配が無かった。
――苦しいよ・・・助けてぇ・・・タカら・・・ぎこくん・・・
えーは、既にこの世にいない思い人の名前を、心の中で詠唱した。
縄は、更にきつくえーの喉を締め上げる。
声も何もかも押しつぶされ、悲鳴も上げられず、嘔吐も出来ず、ただされるがままにされるしかなかった。
頭の中に白い部分が増えていく。
えーは燃え尽きそうな残る意識の中で、手や足、頭を滅茶苦茶に振り回し必死に抵抗する。
縄はビクともしなかったが、自分の首を絞めている人物の顔が一瞬――一瞬だけ見えた。
その人物は、囚人の中では比較的仲の良かった【女子16番】フサしぃその人であった。
フサしぃは、涙を流し小さく「ごめん・・・ごめん・・・」と呪文のように呟いている。
えーは一瞬驚いたのだが、すぐに空白に取り込まれてしまった。
えーは抵抗する力も失い、残る意識も全て燃え尽きていった・・・




『大丈夫?怪我は無いかい?』


たから・・・ぎこくん・・・?


『もう大丈夫だよ・・・』


たから・・・ぎこ・・・くん・・・?かえってきて・・・くれたんだぁ・・・

たからぎこ・・・くんっ・・・あたし・・・あたし・・・

「大丈夫!?怪我は無いかよぅ!?」


その一言で、えーは意識を取り戻しがばっと起き上がった。
頭がガンガンと痛む。
しばらく状況が認識できなかったが、すぐに気絶する前のことを思い出した。
フサしぃの事・・・首を絞められて・・・殺されそうになって・・・
それを思い出した時、えーは目の前の不可思議な光景に悩まされた。
背中からおびただしい出血をし、倒れているフサしぃ・・・
何があったのかと考えている時、目の前に立っている人物に気が付いた。
血に濡れたナイフを持ち、こちらを見つめているその人物は・・・


たから・・・ぎこ・・・くん・・・?

303 :釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/21 21:39 ID:9xn+eSeX
「あ・・・気がついたよぅ・・・」
目の前の人物は、ほっと安心したような溜め息をついた。
その人物は勿論タカラギコでは無かった。
えーは、まだ少し混乱している頭をぐりぐりと振り、目を凝らしてその人物を見た。
その人物とは、タカラギコとはあまり似ていない【男子3番】ぃょぅだった。
怪訝そうにえーの顔を覗いている。
「イヨゥサンガ・・・タスケテクレタンデスカ・・・?」
えーは、いよぅに聞いた。
いよぅは、びくっと頭を少し引いた。
「あ、あの・・・その・・・えーちゃんがフサしぃさんに首絞められてるの見たから・・・助けなきゃって思って・・・よぅ・・・」
いよぅは目を逸らしながら、照れくさそうに言った。
「アリガトウゴザイマス・・・」
えーはペコリ、といよぅに一礼をした。
いよぅがますます照れくさそうにする。
「トコロデ・・・フサシィサンシンダンデスカ・・・?」
えーがいよぅに問う。
「う・・・んと。結構勢い良く突き刺したし・・・でもそこら辺で拾った錆びたナイフだから死んではないと思うよぅ・・・」
いよぅは、その後別に訳も無く「ごめんよぅ」とえーに謝った。
「ソウ・・・デスカ。」
えーは小さな声で呟くと、フサしぃの死体(?)の方を向いた。

――思えば・・・この刑務所の中で初めて話したのって・・・フサしぃさんだった。

寂しそうにしてた私の元に来て・・・一緒に色々と話し合った。
・・・なんでフサしぃさん私を殺そうとしたんだろう・・・
今思えば本当に不思議だ。
そうまでして出所したかったのかな・・・フサしぃさん・・・

えーはそのフサしぃから目を逸らすと、改めていよぅに向き直った。
「ホントウニアリガトウゴザイマス・・・」
えーは再びいよぅに礼をした。
いよぅは軽く笑うと、一息吸ったあとにこう言った。
「あ、あの・・・えーちゃん僕と一緒に行動しないかよぅ・・・?」
いよぅはそう言った後に、またえーから目を逸らす。
えーは少し考える。

いよぅさん・・・私を助けてくれた・・・
命の恩人だし・・・一緒にいても悪いこと無いよね・・・

「イイデスヨ。ワタシト・・・コウドウシマショウ。」
えーはいよぅに向かい微笑みながら言った。
いよぅはパッ、と顔が明るくなった。
「ほ、本当かよぅ?」
いよぅは信じられない、みたいな顔をした。
「ンジャ・・・トリアエズドコカニミヲカクシマショウ。」
えーは言った。
いよぅは無言で頷く。


・・・何か、とても気分が楽になったような気がする・・・
いよぅさん・・・か。


【残り12人】


304 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/22 17:42 ID:dqb7sqB+
釜井達 ◆R89tLMP7egのIDに注目

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/22 18:46 ID:Ig3RsBWq
つー(女子十三番)とづー(女子十七番)はC-2にいた。
周りには住宅が立ち並び、地図でも分かるように住宅街、のようである。
医療所での騒動の後、とりあえず二人はC-2へ行くことにした。民家の一つにでも入って腰を落ち着けよう、と考えた。
既に医療所のあったC-1は禁止エリアに指定されていて、もうC-1を出てから一時間は経とうとしている。
民家にはどれも鍵がかかっていて、入る民家を探すことさえ困難であり、その間に敵に襲われたりしてはたまらない。
それに、さっきのことだが、C-2のはずれで死体を見つけた。放送で名前を呼ばれていた1さん(男子一番)と8頭身(男子十六番)だった。
彼らが放送で呼ばれたのは二時間程前だった。殺した敵が近くにいるかも知れなかった。
「…マッタク、アイテイルミンカハナイノカ? コウナッタラマドヲワッテハイルシカナイカナ…」
つーが言った。
「ソウダネ、ジャ、アソコノミンカガアイテナカッタラマドヲワッテハイロウ」
「ソウスルカ」
正面にある小さな民家だった。大して期待はしてなかった。いつものように、ドアノブに手をかけ、すぐに捻った。
ドアはあっさりと開いた。つーとづーは無言で喜んだ表情をしながら、中へと入ろうとした―――
その時、先を歩くつーの足元に、何かがあった。
「ナンダ?」
つーがデイパックから支給された懐中電灯を取り出して、その何かを照らした。
―――死体だった。思わず声を上げそうになったが、こらえた。
モナー(男子二十番)だった。額に何か刺さったような跡があった。そしてそのそばには銃とナタが無造作に散らばっている。
モナーは放送で名前を呼ばれていない。最近死んだということだ。ということは―――
「ニゲルゾ」
「エ?」
つーがづーの手を取って走り出した瞬間、さっきまでつーが立っていた場所の壁に何かが、たかっと言う音をして刺さった。
「チクショウ、ダレカガアノイエニイル!!」
そう言ってつーが支給されたベレッタを手に取った。後ろを振り返ると、一人の男がこちらを追っている。すぐに激しく忍者(男子十五番)だと分かった。
手には矢を先端にくくってある――ボウガンか?それらしきものが握られていて、しっかりとこちらに向けられていた。
「ハシレ!!」
つーはづーを前へ行かせた。ボウガンを撃たれたとき、づーに当たらせないためだ。撃たれた右肩が痛んだ。しかし気にしてはいられない。
撃たれていない左腕で、ベレッタを持ち上げた。すぐに撃った。
忍者は素早い動きでこちらへ向かっている。当たらなかったのだ。やはり走っていては狙いが正確でなくなる。それに利き腕じゃない左腕で撃ったのだ。
忍者は何も言わないままボウガンをこちらへ向けた。つーはづーの腕を引っ張ったまま真横へ、ヘッドスライディングをするように滑り込んだ。
ひゅ、と矢が空気を裂く音が聞こえた。が、当たることはなかった。不慣れなことをしたのか、手首をすりむいた。
すぐにベレッタを撃ちまくった。横にいたづーもブローニングを構えて、撃っていた。
何発かの銃声が響き、その後ベレッタがホールドオープンした。弾が切れたのだ。
「コレダケウッタライッパツハアタッテイルハズダ…」
そう言って予備のマガジンを取り出した。忍者はどうなっているだろうか。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/22 18:48 ID:Ig3RsBWq
ゆっくりと忍者がいた場所に目を向けた。
―――いない、何処へ?
そう思った途端に真後ろ、茂みからがさがさっと音がした。振り返ると、木で作られたナイフのようなものを持った忍者が、飛びかかってきた。
「+激しくもらった+」
クナイを持った忍者は手前にいるづーへと狙いを定めた。
しかし、その時横にいたつーが、づーの前へと踏み込んだ。
――!
「ウォォォォォ!!」
つーが叫び、忍者へ体当りをした。忍者は逆方向へと吹っ飛んだが、手首にヒモをつけて固定してあったクナイは手から離れなかった。
忍者は上半身を起こした。つーは唸り声をあげながらもう一度突っ込んできた。忍者は冷静にクナイを掴んだ。
忍者とつーが、もう一度重なり合って、地面に押しつけられた。しかし、今度は様子が違った。つーが時が止まったように、動かなかった。
「グァ…」
つーが苦しそうな声を上げながらひっくりかえった。仰向けになったつーの胸から、血があふれていた。
「ツー!!ツー!!」
づーが大声を上げた。忍者は素早くボウガンを取り出し、づーへと構えた。
思わず、づーがぎゅっと目を閉じた。
「ヤメロ…!」
つーが小さな声を上げた。
「+激しく勝利+」
忍者の指がボウガンの引き金へと動いた。少しずつ、引き金が動いていった。

ひゅ、と空気が裂く音がした。

「ノー!!」
「ウゥ…」
のー(女子十五番)が、血を流しながら苦しそうな声を上げた。
傍には包丁を持った、花瓶(女子九番)が表情一つ変えずに立っていた。
「ヅー、ニゲロ…!」
のーが苦しそうに声を上げた。
「ケド…ケド…」
づーは支給武器を思い出した。ブローニング・ハイパワー9mmだ。助けないと、のーを助けないと―――
「アゥッ」
うめき声を上げて、もう一度血しぶきをあげたあと、のーがうつぶせに倒れた。
のーはそれからぴくりとも動かなかった。花瓶はのーのデイパックを確認すると、づーの手にブローニングがあることに気付き、走って去っていった。
「…ノー…」
のーは死んでいた。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/22 18:49 ID:Ig3RsBWq
どつっ、と矢が何かに当たる音がした。づーは、自分が死んだのだ、と思った。
―――のーも守れず、つーには守られっぱなしの自分は死んで当然だ。
目を開けた。
忍者が立っていた。
その間に壁のようなものが――これは、これは――
つーがづーをかばうように立っていた。胸にはクナイで刺された傷のすぐ横、ボウガンの矢が突き刺さっていた。
ごぼっ、とつーの口から血が吹き出た。
つーが―――自分をかばった?何故?何回も守られっぱなしで、足を引っ張ってただけなのに―――何故?
づーが目を見開き、弾をもう一度装填していたブローニングを忍者に向けて、撃った。
ぱん、ぱん、と何度も続き、忍者はすぐに視界から消えた。
「ツー、ドウシテ!?」
目を閉じていたつーがゆっくりと目を開いた。苦しそうに言った。
「ヅー…オマエハ…オレヲ…イリョウジョニ…ツレテイッテクレタ…」
「ケド…アタシハツーニマモラレッパナシデ…ナニモ…」
「…バーカ…オマエダッテ…ナンドモオレヲマモッテクレタ…ケンカノトキダッテ、マンビキシタトキダッテ…ソレニ…コノクソゲームデモナ…」
「…ソンナコト…ツーニクラベタラ…アタシ…」
「…バカダナ…オマエ…ホームランキュウノバカダ…ケド…」
つーがゆっくりと目を閉じた。
「スゲーバカダケド…オレノ…サイコーノトモダチダ…」
「トモダチ…」
づーの視界は涙でよく見えなかったが、はっきり聞こえた。
最高の友達だと。
「タトエオモエガドウオモッテテモ…オレハ…トモダチダトオモッテル…ダカラ…イキロ…」
「ツー!!テアテスレバマニアウヨ!ハヤク!!」
「バカヤロウ…オレハモウダメダ…ダカラニゲロ…ソシテ…イキロ…」
ふぅ、とつーが息を吐いた。
「トモダチカラノ…サイゴノヤクソクダ…マモッテ…クレルヨナ…」
「…ウン…マモッテヤル…ゼッタイヤブラナイ…」
「…アッチデ…ノートミマモッテテヤルゼ…」
そう言った後、つーが何も言わなくなった。ぴくりとも動かなかった。
づーは暫く声もなく泣いた。その後、ベレッタとブローニングを持って立ちあがった。そのまま、走り去った。つーの遺体には振りかえらなかった。

忍者はD-2の草木が生い茂る場所で身を隠していた。づーがブローニングを撃ったとき、不意をつかれてしまった。
右腕が焼けるように熱く、痛みがこみ上げる。とりあえず衣服の一部を破り、止血をして包帯代わりに巻きつけた。
「+激しく油断+」

【残り11人】

308 :釜井達 ◆R89tLMP7eg :03/09/22 21:11 ID:CDNIRmxW
激しく忍者は、腕の傷を見やりながら色々と心の中で考えていた。

生まれた時から人生のレールは既に敷かれていた。
激しく家の跡取りとして生まれ、親は自分を一流の殺し屋に仕立て上げようと育てた。
激しく家は、代々伝わる殺し屋一族であり、無論自分も殺し屋への道を行くしかなかった。
餓鬼の頃から厳しい訓練をこなしてきた。
起きては訓練。寝てる途中も訓練。
訓練。訓練。訓練。
拷問に近いような訓練も程なくやった。
鞭打ち、焼き土下座、針の山渡り・・・
本当の事を言うと殺し屋なぞなりたくなかった。
子供の頃の自分の本当の夢・・・懐かしいな。医者になることだった。
訓練の合間の休憩時間では、こっそり隠し持っていた医療の本を読み耽っていた。
・・・将来医者になれるなんて・・・全然思ってなかったがな。
結局医者への夢は閉ざされ、自分は殺し屋へとなった。
『医者になりたい』なんて現役殺し屋のお父さんに言えるはずも無かった。
成すすべもなく、流れ流れで自分は殺し屋になった。
依頼され、人を殺すたびに言いようの無い空白感に襲われる。
いっその事殺し屋なんて辞めて失踪でもしようか。
そう思っていた。
そして、自分が最後の仕事と決めてやった仕事で、『太陽』に出会った。
そいつも、自分と同じ殺し屋だった。
すぐにそいつとは恋に落ち、家庭を持った。
すぐさま殺し屋なぞ辞めて、『太陽』――激しくくの一と駆け落ちでもしようかと思っていた。
しかし・・・
自分を雇っている組織が、すぐにこの事に感づきくの一を人質に取った。
そして奴らは「もっともっと人を殺し、一定量殺したらこいつは返してやる」
と明言した。
それから自分は機械のように何人も何人も人を殺した。
そのたびに生まれる空しさは、全て噛み殺し心の奥底に押し込んだ。
しかし、すぐに自分は捕まってしまう。
『クックル』とかいうふざけた鳥人間に・・・だ。
科せられた罰は、終身刑。
懲役も何も無かった。とにかく自分は生涯刑務所の住民になる事を約束された。
娑婆に戻り、またくの一に会うのはもう無理だ・・・そう思っていた。


このゲームが開始される前までは、だ。


これはまさに最後のチャンスといっても過言ではないだろう。
この長年培ってきた殺しのテク・・・
それら全てを駆使し、自分は生き残る。
それにこのゲームにはあの鳥人間も関わっているようだ。
優勝した暁にはあの鳥人間に一泡吹かせて・・・

とりあえず、だ。

自分はこんなところで死ねない。
『太陽』が自分の帰りを待っている。
自分はこんなところで死ぬ訳にはいかないんだ・・・

だから


自分は絶対にこのゲームで生き残ってみせる。


309 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/23 11:25 ID:5MmcpH1O
「・・・とりあえず、フサしぃさんの怪我をどうにかするかょぅ・・・」
ぃょぅが困ったように呟く。そして少しこっちを覗くように見た。
「殺されそうになったから恐いだろうけど・・・放っておくわけにもいかないしょぅ」
・・・私を殺そうとしたフサしぃさん。
刑務所に入っていた時は、お姉ちゃんみたいで、安心出来た。
でも、私を殺そうとしていたんだ。

そんな気持ちを読み取ってか、ぃょぅが話し始めた。
「・・・辛いのは分かるけどょぅ、多分、フサしぃさんだって恐かったんだょぅ。
 フサしぃさん、武器、何も持ってなかったしょぅ・・・
 多分、えー・・・さんだってこと分からずに咄嗟に首を絞めてしまったんだょぅ・・・」
自分のことをどう呼ぶかで迷っているぃょぅに思わず笑いが毀れる。
「手当てだけは、してみようょぅ。向こうは、首を絞めるような紐しか無いんだしょぅ。
 悪い人じゃないし、話せば分かってくれるょぅ」
「・・・うん・・・でも、手当てって、どうするの?」
「どうすれば良いのかはよく分からないけどょぅ・・・
 医療所?みたいな所があるらしいからそこに行ってみるかょぅ?」

―― 医療所。
急にタカラギコの事を思い出してしまった。
「・・・医療所には、何も無いよ?」
「ん?知ってるのかょぅ・・・?」
ぃょぅが不思議そうに尋ねる。
だが、それ以上答えることが出来なかった。
【残り11人】

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/25 19:27 ID:y4dj9msW
アーヒャヒャヒャヒャ

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/26 02:31 ID:HDJ+K5a1
>>100
ここに出ているギコ以外のギコにストーカー行為をせまった

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/27 16:44 ID:fdIsyToK
;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/27 19:19 ID:raguPZB3
なんかこの頃進行してないな。続きがみたいんだけど

314 :TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/09/27 20:02 ID:7gAWIqI4
B−4 【男子21番】モララーは静けさの中に広がる暗闇の中ワルサーを構えじっとうずくまっていた。
「・・・いくら夜だから敵にきずかれないって言ったってやっぱり物音を立てたらきずかれるだろうな・・・」
そうつぶやくと、モララーはデイパックからパンを取り出し、食べ始めた。
空腹がだんだんと満たされていく。モララーは一息つき・・・

―――さて、そろそろ行くか・・・できるだけ物音を立てずに
そのときモララーは絶対に生きたいと考えてもいた。
今までの自分は少しやりすぎていたかもしれない・・・だから・・・
さっきまで汗でずぶぬれだったモララーの顔は勝利に満ちた満面の顔だった。
―――漏れは絶対勝つ、そして出所して、今度は満足のいく生き方をしたい。
モララーはワルサーをぎゅっと握り静かに歩き出す。
彼のワルサーはただ怪しく光っていた。

【残り11人】


315 :TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/09/27 20:58 ID:7gAWIqI4
少し微調整でつ。

B−4 【男子21番】モララーは静けさの中に広がる暗闇の中ワルサーを構えじっとうずくまっていた。
「・・・いくら夜だから敵にきずかれないって言ったってやっぱり物音を立てたらきずかれるだろうな・・・」
そうつぶやくと、モララーはデイパックからパンを取り出し、食べ始めた。みるみるうちに、
空腹がだんだんと満たされていく。モララーは一息つき・・・

―――さて、そろそろ行くか・・・
今思えば自分は今まで何をしてきたんだろう・・・まともに学校にも通わずいつもパソコンの前に座っていた。
そんな自分も物心ついたついたときだろうか。ちょっとばかり興味を持った女性にセクハラ行為をしてしまったことを・・・そのときはまだ中学に通っていたので少年院に入れられただけですんだ。
―――ちょうどあの時だろうモナーに会ったのは・・・
始めはどうでもいい奴だと思ったが、後にとても気の会う親友になった。
ちなみに彼もモララーと同じセクハラ行為で捕まり同年代の少年だった。

―――そうだ・・・あいつとは一緒に笑ったり、泣いたり・・・あのときの少年院での生活はとても充実していたな・・・
やがて彼らは出所し彼らも社会人となり。彼らは相変わらず仲のよい親友同士だった。そんなある日彼らは殺人映画に興味を持ってなにを思ったのか犯罪に興味を持ち当時

近所を県下に2人組で暴れまわり、2001年6月5日に逮捕され
るまでに21人を殺害し(うち8人は女性)、金品2500万円相当
を強奪し、4人をレイープ(1人は中学生)した。
 強盗殺人や婦女暴行などの罪で、2人とも懲役120年を宣告されたのだ。


―――今思うと取り返しのつかないことをしていた。モナーと仲良くやっていたあのころが懐かしい。

そんなことを考えるとモララーは絶対に生きて、モナー出所したいと考えてもいた。
今までの自分は少しやりすぎていたかもしれない・・・だから・・・
さっきまで汗でずぶぬれだったモララーの顔は勝利に満ちた満面の顔だった。
―――漏れは絶対勝つ、そしてモナーと出所して、今度は満足のいく生き方をしたいんだ。
モララーはワルサーをぎゅっと強く握りしめ静かに歩き出す。
彼のワルサーはただ怪しく光っていた。

【残り11人】



316 :TAKUYA ◆B3CSiEBG42 :03/09/27 21:36 ID:7gAWIqI4
雑談スレの方から訂正したほうがいいと言われたので訂正。(すみません)

B−4 【男子21番】モララーは静けさの中に広がる暗闇の中ワルサーを構えじっとうずくまっていた。
「・・・いくら夜だから敵に気づかれないって言ったってやっぱり物音を立てたらきずかれるだろうな・・・」
そうつぶやくと、モララーはデイパックからパンを取り出し、食べ始めた。みるみるうちに、空腹がだんだんと満たされていく。モララーは一息つき・・・

―――さて、そろそろ行くか・・・
今思えば自分は今まで何をしてきたんだろう・・・まともに学校にも通わずいつもパソコンの前に座っていた。
そんな自分も物心ついたついたときだろうか。ちょっとばかり興味を持った女性にセクハラ行為をしてしまったことを・・・そのときはまだ中学に通っていたので少年院に入れられただけですんだ。
―――ちょうどあの時だろうモナーに会ったのは・・・
始めはどうでもいい奴だと思ったが、後にとても気の会う親友になった。
ちなみに彼もモララーと同じセクハラ行為で捕まり同年代の少年だった。

―――そうだ・・・あいつとは一緒に笑ったり、泣いたり・・・あのときの少年院での生活はとても充実していたな・・・
やがて彼らは出所し彼らも社会人となり。彼らは相変わらず仲のよい親友同士だった。そんなある日彼らは殺人映画に興味を持ってなにを思ったのか犯罪に興味を持ち当時

近所を県下に2人組で暴れまわり、2001年6月5日に逮捕され
るまでに21人を殺害し(うち8人は女性)、金品2500万円相当
を強奪し、4人をレイープ(1人は中学生)した。
 強盗殺人や婦女暴行などの罪で、2人とも懲役120年を宣告されたのだ。


―――今思うと取り返しのつかないことをしていた。モナーと仲良くやっていたあのころが懐かしい。

そんなことを考えるとモララーは絶対に生きて、モナー出所したいと考えてもいた。
今までの自分は少しやりすぎていたかもしれない・・・だから・・・
さっきまで汗でずぶぬれだったモララーの顔は勝利に満ちた満面の顔だった。
―――漏れは絶対勝つ、そしてモナーと一緒に出所して、今度は満足のいく生き方をしたいんだ。
モララーはワルサーをぎゅっと強く握りしめ静かに歩き出す。
彼の持っているワルサーはただ怪しく光っていた。

【残り11人】


317 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/27 22:16 ID:ovoqdr5W
【女囚11番】じぃは今はE−5の山にいる。
彼女はB=5の家を目指していたが、平地をしばらく進んだ頃に見たのだ。家が燃えているのを。
暗い夜空に、それは遠くからでもはっきりと見えた。
そしていちおう身を隠すために山に入ったところで放送があり、残りは15人と分かった。
(仲間になってくれそうな人は限られてきた・・・。)
そう、最早生き残りは自分を除いて14人・・・。
その中には激しく忍者やモナー&モララーといった凶悪犯も紛れ込んでいる。
特に激しく忍者は、ニダーを殺した。憎くないと言えば嘘になる。
だが、そもそもその様な状況を作り出したのはひろゆきだ。忍者はひろゆきに使われたのだ。それだけのことだ。
そう、絶対にひろゆき復讐してやる。できれば逃げ出して、できなくても特攻で。
・・・しかし、忍者ともあろう者が『優勝しても殺される』という可能性に気づかないのだろうか?
政府の卑怯さは分かっている。本来死刑制度の存在しない(懲役数千年という懲役刑はあるが)この国で、私は死刑を宣告された。
その理由とは、殺した相手に他国の高官が含まれていたからだ。外国人を殺しても国の法で裁くはずだった。
だが私は死刑になった。要するに、この政府は外国の圧力に屈したのだ。
もっとも、流石に国内外で問題になり、おかげで私は生かしてもらっている訳だが・・・。
忍者はその卑怯さを考えない奴では無いはずだ。・・・あるいは、気づいているが、何か理由があってやっているのか・・・?
いや、今は自分のことを考えなければ。
まだ、仲間になってくれる奴はいるはずだ。だが、もう真夜中だ。
そういえば大分寝ていない。多少のリスクは伴うが、ここらで睡眠を取っておこう。なぁに、人が近づけば寝ていても気配で分かる。
思い立てば、すぐ行動するのが彼女を最強の狙撃手たらしめていた理由だ。
彼女は比較的傾斜の少ない所を探すと、すぐに安らかな寝息を立て始めた。








318 :アヒャ>(゚∀゚ ) ◆qVkH7XR8gk :03/09/29 09:22 ID:F9oywjFY
D−1の林の中で【男囚5番】ギコと【男囚21番】モララーは身を隠して銃口を向け合い、
お互い無言でスキあらば撃たんと睨み合っていた。

―――――この状況に陥る10数分前―――――

モララーは仲間として信頼のおける男、モナーとギコを捜して島の東側を歩いていた。
こんなつまらないゲームで殺しあっても意味が無い。さっさと逃げ出して娑婆に戻った方が
賢明だとモララーは考えていた。しかし、自分1人でやるには難しい事が多い。
1人ではイカダ一つ作るのにも何日もかかってしまうだろう。そこで仲間を探すことにしたのだ。
H−6の民家から北に進んで行き、F−3・4の森、F−2の海岸、そしてE−1の林と仲間を探して歩き回った。
そこで獣の雄叫びに近いギコの声を聞き、D−1の林にやって来たのだ。

「確かにこっちから聞こえたんだ。だったらギコは意外と近く・・・」

モララーがそう言おうとしたとき、視界の中に人影が映った。がっしりとした身体、とがった耳、襟から覗く刺青。
岩の上に座っているその人影は、まさしくギコであった。

「おーい、ギコ!探したぞ!!ちょっとお前に話が・・・・・・」

そう言い終らないうちにギコが振り返り、こちらを向いた。モララーがギコに近づこうと足を踏み出したそのとき、
ギコが何かを投げる様な動作をした。

――――――――――――ヒュンッ

空気を切り裂くような音とともにギコが投げた「何か」はモララーの頬をかすめ、背後の木に当たった。
モララーが振り返って見てみると、そこには手術道具のメスが刺さっていた。

「何のまねだよ?ギコ」

319 :アヒャ>(゚∀゚ ) ◆qVkH7XR8gk :03/09/29 09:23 ID:F9oywjFY
木に刺さったメスを抜きつつ、普段と変わらない調子でモララーはギコに問いかけた。ギコは黙ったままこっちに
歩いてきた。

「いったいどうしたっていうんだよ。やっと会えたのにいきなりこんな―――――」
「悪いなモララー、俺はしぃの分まで生きなきゃなんねーんだゴルァ。だから・・・・」
「何なんだよ。何が言いたいんだよ。」
「だから・・・だから・・・・・・・・死ねやゴルァ!!」

ギコはモララーにそう言い放ち、スミスアンドウェスンを腰から抜いた。

「!!」
「すまねえ・・・本当にすまねえ。許してくれやゴルァ!」

そう言い終らない内にギコは銃のハンマーを起こし、モララーにむかって発砲した。

「ちぃっ!」

モララーは間一髪のところで銃弾を避け、近くにあった岩陰に転がり込んで銃を抜いた。

―――――――――――畜生、なんだっていうんだ。会った途端に死ねだと。くそ、上等だ。やってやろうじゃねえか。

モララーはチェンバーに弾が入っているのを確認し、岩陰から飛び出してギコに照準を合わせて入っている弾丸全てを撃ちはなった。
バン、バン、バンと爆竹にも似た音が暗闇の中で反響し、数発の鉛弾がギコにむかって一直線に飛んで行った。
「よし、やった!」とモララーは血の上った頭で思った―――――――――――――――が、その思いは次の瞬間には
驚きに変わった。
ギコがいないのだ。先ほどまで立っていた場所に。

―――――――――――何、どこだ!どこにいる!!

モララーが視線を泳がせたその時、パン。という銃声と共に足元の土が舞い上がった。
そう、ギコはとっさの判断で地面に倒れこんで銃弾を避けていたのだ。モララーの視界から一瞬消えたのはそのためだった。


320 :アヒャ>(゚∀゚ ) ◆qVkH7XR8gk :03/09/29 09:24 ID:F9oywjFY
「くそっ、やべえ!」

モララーは先ほどまで身を隠していた岩陰に駆け戻り、銃のマガジンを入れ替え始めた。
残っている弾は7発ちょい。マガジン1つ分しかない。これで勝てるだろうか・・・

【残り11人】

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 14:48 ID:a0bwhvOs
ギコが体制を整え、モララーの隠れている岩陰に1発発砲した。
岩がはじけ、砂煙が上がった。

─────今だ!!

モララーは、ギコが発砲したのとほぼ同時に岩陰から飛び出していた。
そして素早く銃を持ち直し、引き金を絞った。
目の前には、驚いた表情のギコがいる。

─────勝てる!!

そう思った。手応えはあった。
ギコの体が吹っ飛ぶのも見えた。どうやら腹に当たったらしい。
ギコはそのまま倒れ込み、動かなくなった。

(勝った……。)

以外とあっけなかった気がした。本当に死んだのか…?
近寄ってみたが、起きる気配はない。モララーはホッと息をついた。

その瞬間だった。

モララーの頭の中でギコがあざ笑ったような気がした。
(腹に当たったくらいで死ぬかよゴルァ)
気がしたときにはもう遅かった。

パン!!

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 14:55 ID:a0bwhvOs
モララーの体が奇妙に回転し、崩れた。
額に穴があいている。
ギコは体を半分起こした体制で、銃を下ろした。奇妙なほど無表情だった。


【残り10人】



323 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 17:53 ID:KfQISM+3
「やっぱ、イテェし死ぬって」
ギコはそう呟くのと同時に血を吐いて横になった。
その目からは急速に光が失われていく。

数分後、ギコが起き上がる事はもうない。

【残り9人】

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 22:14 ID:nh+q2y1P
雑談スレでの話し合いの結果>>321〜323はスルー、です。
恐縮ながら俺が書き直しさせていただきます。

身勝手さも度が過ぎるね。
モララーは、岩陰でギコが顔を出すのを待ち構えながら思っていた。
しぃの分まで生きる・・・?
だから漏れを殺す・・・?
許せ、許せ、すまねぇ、とか言っときながら殺す気満々じゃぁないの。
身勝手すぎるぜ。
モララーはぶつぶつと悪態をつきながら、銃を構えギコが出てくるのを待っていた。
モララーは、あまりにもギコが顔を出さないので、視界の外にいるギコに向かって話しかけた。
「キミには幻滅したよ。しぃの分まで生きるのか。そうかそうか。
でもたったそれだけで躊躇いなく人を殺せるなんてねぇ。」
モララーがそう言うと、カタン、と物音が聞こえた。
「自分が生き残る為に人を殺していくってのよりもタチ悪いよ。
しぃの分まで生き残る・・・?キミは自分の手を血で染めてまで思い人の為に生きるの?
違うだろ。ってかお前・・・しぃのために生き残るなんてていのいい『言い訳』作って本当は自分が生き残りたいだけなんだろ?」
モララーが挑発するように言うと、どこからかギコの声が聞こえてきた。
「ち・・・違うぞゴルァ!俺は死んだって構わない・・・けど・・・
しぃの分まで・・・俺が殺した奴の分まで生きなきゃいけないんだ・・・」
モララーはそれを聞くと、更に言葉を続けた。
「それを自分勝手で言うんだよ。俺が殺した奴の分まで生きる?キミが殺したんだろ?
自分自身の手で死に追いやった奴の分まで生きてどうするよ。キミが出来る事はそいつらの分まで図々しく生きる事じゃなくて
償う事だろ?」
モララーは執拗にギコの精神を甚振る。
「ち、違う!それはほんの手違いなんだ・・・」
「違くなんかないさ。じゃあ、キミがその人を殺したのは手違いなんだね?
だからって『手違いで殺しちまった。ゴメソ。お前の分まで生きてやるから許せ。』って思うのはおかしいんじゃないの?」
「そんなこと思ってねぇよゴルァ!!」
「じゃあどう思ってたの?そうとしか考えられないだろ。他に何かあるのかい?」
モララーがそう言うと、ギコからの返事は無かった。
「無いだろ?無いだろ?無いよな?ハハハ、キミは本当に自分勝手な奴だね。嘘はつくし、言い訳くさいし・・・
少なくとも刑務所の頃のキミはそうじゃなかっただろ?」
ギコからの返事は相変わらず無い。
「つまりキミはただ自分が生き残りたいだけなんだ。その本心を嘘で塗り固めて、自分自身を誤魔化しながら生きてるんだ。
そうでないと言えるのか?そうだろ?もしそうじゃないなら自分が殺した奴の分まで死ねよ。」
ギコからの返事は相変わらず無い。
「それとも何か?そのお前が殺した奴らもキミが『しぃのため』とか言って殺したの?
それで『しぃの為だから仕方ないんだ。許せ。お前たちの分まで生きてやる。』とか思ってるわけ?
それだったら益々キミは死ぬべきだよ。そのキミの勝手な『わがまま』に付き合わされて死んだ奴達の気持ちも考えて見やがれ。」
モララーがそこまで言い終える。しかしギコからの返事は無かった。
「何も言い返せないのかい?逃げるのかい?つくづくキミは身勝手な奴だ。」
モララーはそう言い、ハァ、と溜め息をついた。
ホントにどっか逃げたのかな。そう思ったときだった。
岩の横から、から銃を持ったギコが突然突っ込んできた。
「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ギコが奇声を上げながらモララーに体当たりをした。
突然の出来事にモララーは銃を撃つ暇も無く押しつぶされてしまった。

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 22:15 ID:nh+q2y1P
「ぐ・・・貴様・・・!」
モララーは、恨みがましくギコの顔を見た。
そのギコの顔は狂人その物だった。
涎を垂らし、歯を剥き出しにし、頬がピクピク引きつって、
ギコはモララーの執拗な精神攻撃で理性を失ってしまったのだろうか。
モララーはあまりの変貌振りにぞくっ、と身震いをした。
「俺は・・俺は・・・俺はぁ・・・違う違う違うぅぅぅぅぁああぁぁぁぁぁ!!!」
ギコは突然叫びだすと、頭をガリガリ掻き毟り横ばいに蹲った。
・・・狂ったか・・・
モララーは心の中でやれやれ、と溜め息をつくと銃をギコに向けた。
―――まっ、元々精神不安定な所があった訳だしね。こうなるのは当然て事か・・・
モララーはぐっ、と引き金を引こうとした。

「違う・・・違うんだぁ・・・」
ギコは相変わらず涎を垂らし、頭を掻き毟り、雑草をぶちぶち毟り取りながら暴れている。

モララーはそのギコの姿を哀れそうに見つめていた。
「どうせこのまま放っといても野垂れ死にするな・・・
わざわざ殺す事も無いか・・・」
そう思い、モララーはすっ、と銃を降ろした。


何故そう思ったのか分からない。
そういえば自分は一時期ギコと仲良くしていた時があった。
寂しそうなギコに話しかけに言って・・・そうしたら以外に話があって・・・
数少ない友達の一人でもあった。


そんなギコを躊躇い無く殺すのも忍びない。
そう思ったのだろうか。
モララーはまたハァ、と深い溜め息をついた。
狂っているギコの姿をもう見ないようにして、モララーはその場を立ち去ろうとした。
そして、モララーは自分の目頭から液体がすぅっと流れているのに気付いた。
・・・何で泣いてんだよ・・・漏れ・・・泣くような事・・・あったか・・・?
何で自分が泣いているのかも分からなく、とめどと無く溢れる涙をただ拭い、モララーはその場を後にした。


326 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/09/30 22:29 ID:nh+q2y1P
ジブンガイキノコリタイダケ・・・?
シヌベキニンゲン・・・?
違う・・・違う違う違う!

オレハナニヒトツマチガッチャイナイハズダ。

かりかりかり
かり、かり、かり

頭を掻き毟る。
雑草を毟り取る。
俺はしぃの為に生きてるんだ。
ジブンガイキノコリタイダケなんて、違う、違う、違う、
オレガコロシタミンナノブンマデイキル
そうだよ。そうだよ、
俺は人のために行きてるも同然なんだよ。
それが本当は自分の事だけしか考えてないなんて
違う、違う、違う。
嘘だ。嘘だ。嘘だ。

アいツのいてる事ハ虚言だ。嘘ダ。
俺には今非なンて無イ。
嘘じゃない。嘘じゃない、嘘じゃない、

オレハナニヒトツマチガッチャイナイハズダ。

頭を掻き毟る。
雑草を毟り取る。

頭の中にいつまでもこびり付いている肉、骨、粉。
そうだ・・・しぃは・・・しぃは・・・


オレガコロシタンダヨ。


だからその分まで生きて・・・
生きなきゃいけない・・・
罪を償うために・・・
生きたい・・・
生きたい・・・
いきたい・・・
イキタイ・・・
イキ・・・タ・・・イ・・・?

生き残り・・・たい?

そうだよ。そうだよ。そうだよ。
何でこんな事に気が付かなかった?

俺は生きたいんだよ・・・
生き残りたいんだ・・・
どうしてこんな事に気が付かなかったんだ・・・

頭を掻き毟るのを止め、
雑草を毟り取るのを止め、

ギコは夢遊病者のようにフラフラと何処かへ歩いていった。

【残り12人】

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/03 17:19 ID:z3TeAvbJ
ほしゅ

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/04 23:52 ID:g1hpf5gr
あげ

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/05 23:10 ID:RP/3HbMT
ほーっしゅっ

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/07 16:50 ID:d1nBDPG5
ツヅキマダー?

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/09 20:38 ID:E9MZS4/Z
捕手

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 19:20 ID:gJS+NT6Z
校内に咲き乱れる桜の木。
青い空。照り栄える陽光。
まだ冬の冷たさが残る春の日、
新入生は期待と不安で心を一杯にしながら、門をくぐっていく。
陽花AA女子高校――
今日は丁度入学式であり、体育館に、大勢の新入生が並んでいる。
勿論、づーもこの列の中に混じっている。
づーは、この高校で上手くやっていけるかどうかとても不安だった。
小学、中学と共に、その内気な性格のせいかほとんど友達がいなかった。
この高校でも、また孤独なままの学園生活を送るのだろうか。
づーはとても不安だった。

づーは、退屈な先生の話などは聞かず、ほとんど眠っているような状態で入学式を過ごした。
そして、気が付くと既に退場の指示が出されており、生徒達はいっせいに自分達の教室へと向かった。

づーは、指定された席に座り、机の木面を見つめながら色々と考え事をしていた。
教室では既にガヤガヤ、とざわめき何人もの生徒が話し、笑っていた。
もしかしたら何もせずに机に座っているのは自分だけじゃないのだろうか。
そう思った途端に、突然寂しくなってしまった。
・・・これからもずっとこんな感じで学園生活を送っていくのだろうか・・・

「なんか寂しそうだなぁ。大丈夫か?」

それが自分に言われているのだとは、しばらくは気が付かなかった。
呼び主は、自分の机の隣で自分をじっと見つめていた。
「あ、あなたは・・・?」
づーがそう聞くと、彼女はニッと微笑んだ。
「オレはつー!アンタは?」
つーは明るく言った。
「わ・・・私はづー。」
づーがもじもじしながら言った。
「おお、づーって言うのか!オレと名前にてるなぁ。とりあえずこれからもヨロシク、な!」
つーはそう言うと、づーの目の前に手を差し出した。
づーは、躊躇いながらも、すっとつーの手を握った。
つーはまたもニッ、と微笑んだ。

それから、つーは私の無二の親友となった。

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 19:22 ID:gJS+NT6Z
それから数ヵ月後、学校に転校生がやってきた。
ドアが開くと、見慣れた先生の顔の後ろに、見知らぬ女の子がいた。
「え〜、彼女は『のー』と言って、大阪の方からここに転校してきました。
皆さん仲良くしてやって下さいね。では、のーさん一言どうぞ。」
先生がそう言うと、のーが前にすっと出た。
そして、少しの間を空けると、静かに口を開いた。
「皆さん、・・・こんにちは。」
のーが静かに標準語で喋った。
その後のーの演説が始るのかと思えば、また奇妙な沈黙が流れてきた。
のーは何か喋らないし周りの人も何も喋らない。物音一つ立たない。
そして、自分の隣にいたつーが我慢できずに言った。
「何止まってんの?」
のーの頬に汗が伝う。
「な・・・」
のーが口を開く。
「何でやねん!普通ウチがこんばんはゆうたらお前らこんばんは言い返すやろ!」
のーが、突然叫び始めた。
周りの生徒達が目を白黒させる。
その中つーが対抗するかのように叫びだした。
「それが狙いかよ!それにしても黙ってる時間が長すぎなんだよ!ずっと止まってないですぐに喋りだせよ!」
のーは更につーに迫り、大声で捲くし立てる。
「うっさいな!プライドってもんがあるやろが!」
つーも負けじとのーに迫り押し返す。
「待っても何も返ってこないならすぐに喋れよ!プライドなんてどうでもいいだろ!」
「うっさいな!あんたら関東モンには分からんだろうけどなぁ、ウチはプライドを大切にする女なんや!」
「どーゆープライドやねん!」
「話聞いてりゃ分かるやろ!」
「分かんないし!」
「これだからもんじゃ焼きをおかずにして食う関東モンをいやなんや!」
「ハァ!?食った事無いし!お前らだってお込み焼きおかずにして食ってるんだろ!?」
「普通やないか!」
「おかしいよ!」
「普通だって!」
「おかしいよ!」
「いたってアベレージだよ!」
「だからおかしいって!」
「それはお込み焼きに対する冒瀆かぁー!?」
「訳分からないし!お好み焼きはおかずというより主食だろ!」
「おかずや!」
「主食だ!」
「お好み焼きはご飯と一緒に食べてこそ美味しいんや!」
「嘘付け!」
「お好み焼きとコシヒカリのコンビは最高やでぇ、何も知らんくせに口出すな!」
「何でコシヒカリなんだよ!ササニシキとかはえぬきとか千代大海とかでも良いだろ!」
「それは力士やろ!」
「嘘付け!」
「え・・・嘘ついてないし・・・」
「千代大海は米だ!よーく確認してみ・・・ん?」
「で、一体何が言いたいんやねん!」
ますますのーとつーとの口論が激しくなる。
何かどうでもいいような話題になってるような気がするのだが。
そして、いつのまにか帰すしそうな距離まで迫っているのーとつーに先生が割り込んだ。
「ハイハイ、喧嘩はよして。下らない事で喧嘩しないの・・・」
先生が強引につーとのーを引き剥がした。
その瞬間、クラス中で笑いが巻き起こった。
勿論づーも一緒に笑っていた。

「・・・千代大海は力士だった・・・」

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 19:31 ID:gJS+NT6Z
それからのーとつーは仲良くなった。
今日の敵は明日の仲間と言った所であろうか。
いや、怪我の功名か?いや・・・一石二鳥・・・よく分からんがそんな所だ。
そしてのーは無論づーとも仲良くなった。
三人組みで彼女らは色々なことをしてきた。
そしてある日、づーは他の二人にある提案をしたのだ。

「ねぇ、万引きってしてみたくない?」
何故そんな事を考えたのか分からない。
づーは友達が沢山出来た事に酔っていたのかもしれない。
つーとのーは黙ってそれに従った。

気が付けば薄暗い刑務所の中に三人とも放り込まれていた。

しかしのーとつーは二人とも私を責めなかった。
それどころか『ごめんね』と謝りさえもした!

そして、そして、


フタリハ シンダ。


つーは『生きろ』と言った。
刑務所へ捕まった源となった自分に一度だって文句を言わなかった。
それどころか自分を助けてくれようとさえもした。
そして、自分が死ぬ瞬間に『生きろ』と・・・そう言った。

初めての友達、つー。
自分が死ぬ間際まで友達を思いやるつー。
何よりも強く、勇敢だったつー。
頭が良かったつー。
可愛かったつー。
大好きだったつー。
虐められてたり孤独な人を見てみぬふりをしないつー。

そして、のー。

いつも面白かったのー。
喧嘩っぱやかったのー。
思いやりがあり、とても優しかったのー。
とても純粋で、大好きだったのー・・・

その純粋さも、勇敢さも、塵となり消えた。跡形も無く。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 19:45 ID:gJS+NT6Z
いい友達に囲まれ、守られてきた。
そして守られたままでここまで着た。

守られっぱなしでだらしない私。
調子に乗りやすい私。
泣く事しか出来ない私。
全然だーめな・・・私。

自分の不甲斐なさに涙が出てくる。
そして、不甲斐なく、弱く、涙を流している自分自身が笑えてくる。

・・・死んだつーとのーの為に生きよう。

そう思えたらどんなに楽な事だろう。


出来るものか!


原因を作ったのは私だ。
最後まで貴方達には何もしてやれなかったね。
つーが死んだのも私のせいだ。
結局最後まで守られてたね。

罪を行えば、罰が与えられる。
つーとのーは罪は犯していない。
罪を犯したのは私だけだ・・・
そして・・・まだ罰なるものを受けていない。


原因となった自分だけが生き残るなんて出来ない。
このまま、ここで罰を・・・死ぬのを待っていようか。
ねぇ、つー・・・のー・・・
有難うね・・・そして・・・ごめん・・・ね。
づーは武器とディパックを遠く草叢に捨て、すやすやと眠りだした。


それはあまりに優しく、幸せそうな顔であった。


誰かに撃たれるまでも無く、づーはそのまま死んだ。
原因は疲労と・・・言いようの出来ない何かであった。

【残り11人】

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 21:47 ID:2YUouxBt
ギコは先ほどまでのやる気を持続し、森の中を歩いていた。

「漏れは、どこまで生きれるのだろうか?」

口調ははっきりと、しかし、どこかぼんやりと歩いていた。右手に構える銃も今や
引き金を引くこともなくなっていて何の意味もなさない鉄の塊であった。

そんな折、俊敏な動きで森をさ迷っていると、大きな光が出た。――「月」だ。
森の中ではほとんど見えなかった月が見え始めたのだ。それと同時に、ある建物も姿を見せ始めた。

―――分校――

そうそれは、動物の勘、なのだろうか?捨て猫は飼い主の元へ帰ってくるという。
それは定かではなかったが、とにかく戻ってきたのだ、漏れは。
しかし、何もできないのだ。首輪のおかげで。銃はあるが無力だ。


あの中へ逝くには―――方法はねぇのか・・・
方法は、方法は―――


その時、ギコの目は分校近くに動く影を見つけた。


――――殺すしかねぇよなゴルァ



337 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 22:07 ID:2YUouxBt
ギコの視点では、猫目ではっきりと見えていた。
ヒッキー・ジエン・あともう一人は誰だ?

――――――――――――――――――――――――ー

一方、ダマレコゾウら一行は、準備がすでに整っていた。あとは特攻するのみ。
皆の息が荒れていた。
「ジエン・ヒッキー。お前らがいなかったら多分この作戦は失敗に終わるだろう。
お前らがいて、この特攻は成り立つんだ、小僧。」
「ハゲドウ!コチラコソレイイウゾ!ジエン、ヒトリダッタラダレカニスグコロサレテタ!ソレイクナイ!
ダマレコゾウトヒッキーとクメタコト、スゴークイイ!ジエンガンガル!」
「ジエン・・・」
ダマレコゾウの目に熱いものがあふれた。
「ボクハ・・・」ヒッキーが口を開いた。
「タダノヒキコモリダッタ。ダレニモヒツヨウトサレナクテ、オヤデサエボクヲミハナシタ。ダケド、ダマレコゾウヤジエンニ、
ハジメテヒトリノAAトシテミテモラエタ。トテモウレシイ。キミラニ、アエテヨカッタヨ・・・。」
ダマレコゾウの目は涙でぐちゃぐちゃだった。しかしそれは、ヒッキー・ジエンも一緒だった。

「ああ、俺達は会えて良かった。ここで俺らは今生の別れになるかもしれない、小僧共。
でも、俺らは死なない。いや、死んではいけない。誰一人でも欠けてはいけないんだ。
でもきっと・・・・・・、どんな形でも・・・また会おうぜ!小僧共!!!!!!!」

熱く、しかし盗聴を気にしながら、小声で、彼らは友情を誓い合った。
手を取り合い、出発を――――











―――ドン!ドン!

それは、彼の体を貫いた。
「エッ!?」
「はっ!?」
「ウッ!?」

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:03/10/11 22:27 ID:2YUouxBt
その時、銃を構えていたギコは、アニメやマンガでありがちな、銃口の煙を吹くという、キザな行動をとっていた。
ゴルァ、当たったのはアイツか。あと2匹―――






「オイ!オキロ!」
「ア・・・ア・・コンナコトガ・・・」






「ダマレコゾウ!!!!!!!」彼の体は既に機能を停止していた。脳の組織がすべて死滅するまで30分もかからないだろう。

また、ドンとなり、ジエンの近くの壁に穴があいた。コレハヤバイ!
「ヴルアアアアアアアアアアアアアアア!」ジエンは狂ったように銃の音がした方向に乱射した。
「ヒッキー、ナカニトツゲキシル!ソレ、ダマレコゾウニシテヤレルコトダ!イイ!」
それを聞き、頷き、ヒッキーは窓から分校に侵入した。小さな声で「ジエン、イキロヨ」と言ったが
銃撃戦の中、聞こえた風ではなかった。ただ、ヒッキーはやらねばなるぬことが多くなった。

ダマレコゾウ。キミノブンマデ、ボクハガンバル。
ジエン。ドウカ、ボクニツヅイテクレ。イキテクレ。

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